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「向いていない」と言われたけれど、ポンコツだったけれど、それでも自分なりの「軸」を見つけた
もう十年以上も前の話になる。
高校を卒業した私は、田舎を飛び出し、東京の美容専門学校へと通うこととなった。
初めての一人暮らし。期待に胸を躍らせながら、ずっと憧れていた東京生活がついに幕を開けた。
学校生活はまぁ普通に楽しく、刺激の多い毎日だったのだが、一つ不安要素を抱えていた。
それは、アルバイト。私は中学も高校もアルバイトをしたことがなかったため、東京で初めて経験することになる。
私
私が美容室に行くことにおいて「モテたい」以外の理由は、ない
中学生の頃、とにかく自分のクセ毛で悩んでいた私は、毎朝の登校前にヘアアイロンで髪のクセを伸ばすのが日課だった。
いまでこそ、男性がスタイリング時にヘアアイロンを使用することは珍しくないようにも思う。
だが、私が中学生の頃というのはいまから十数年も前のこと。その頃からクセ毛をわざわざヘアアイロンで伸ばしていた男子生徒は、少なくとも私の周りには他にいなかった。
だから私は、毎朝ヘアアイロンを使う
モノに愛着を持つには、その背景を愛せるほどの想像力が大事だと感じた話。〜運命のイス〜
2020年7月末、引越しをした。これは、そのときに出会った運命のイスにまつわる話である。
新しく住むことになった東京都墨田区にあるそのワンルームには、あらかじめいくつかの家具が備え付けられていた。自炊など滅多にしない男の一人暮らしには持て余すほどの冷蔵庫。デスクワークには特に不自由しないサイズの机。そして、その机とセットになっている、一脚のイスだ。
引越し費用をとにかく抑えたかった自分にとって