マガジンのカバー画像

小説

12
創作大賞2024のホラー小説部門に応募した小説です。 広義のホラーですがダークファンタジーよりの作品になっています。主人公が巻き込まれるゲームを巡って、二転三転する頭脳バトル。ク…
運営しているクリエイター

記事一覧

小説「転身」第十二話

十二話  エンジンの重低音がうなりを上げている。ぬかるんだ悪路を走る車の振動で、Aは意識…

k-bata
2週間前
6

小説「転身」第十一話

第十一話  回りの悪い鍵を三度ほど試すと手ごたえがあって、アパートのドアが軋みながら開い…

k-bata
2週間前
5

小説「転身」第十話

第十話  京急線の蒲田駅で下車すると、鈴木は地図を開いてもう一度目的地を確認した。美穂と…

k-bata
2週間前
6

小説「転身」第九話

第九話  まるで太陽を忘れたかのように、重い雲が空を覆っている。女は天から降り注ぐ雨に気…

k-bata
2週間前
6

小説「転身」第八話

第八話  相愛病院は三次救急の設備を持つ、地域の基幹病院だ。最新の設備と優秀なスタッフが…

k-bata
2週間前
6

小説「転身」第七話

第七話  病院の処置室の壁にかけられた時計が正確に時間を刻んでいく。誰かの運命など関係な…

k-bata
2週間前
9

小説「転身」第六話

第六話  ストレッチャーの小さな車輪から伝わる振動が身体の内側にまで響く。その度に痛みが波となって寄せ、Aはまだかろうじて生き残っていることを思い知らされた。  肺が圧迫されて息がまともにできず、Aはいっそ意識を失ったほうが楽かもしれないと思えた。だが、事態は無情にもAの意思とは無関係に進んでいく。 「廊下空けて、早く!」 「左脚の脛骨及び腓骨に複雑骨折あり。レントゲンの用意をお願いします」  病院の白い廊下を慌ただしく過ぎるスタッフ声たちが、緊急性を周囲に知らしめていた。

小説「転身」第五話

第五話  高速道路に設置されたライブカメラが、止むことのない雨の中を走行する車たちを捉え…

k-bata
2週間前
5

小説「転身」第四話

第四話  まだ六月が終わらないと言うのに、もうどこかで蝉が鳴いている。ニュースでは今年…

k-bata
2週間前
11

小説「転身」第三話

第三話  時間が恐ろしくゆっくりと流れていた。車のドアが開いて差し込んだ光が、車内に舞う…

k-bata
2週間前
9

小説「転身」第二話

第二話  非常階段を駆け下りる音の一つ一つが大きく響く。実際には変化がなくても、Aにはそ…

k-bata
2週間前
11

小説「転身」第一話

【あらすじ】  目覚めると死体の側にいた。女は殺された相手どころか、自分自身の記憶すらな…

k-bata
2週間前
48