何気ない日々の中で(漆黒編)【短編小説】
一年前、妻が逝ってしまった。
いつも明るくて、誰からも好かれ、しっかり者の妻だった。まさかこんなにも早く、家族の前からいなくなるなんて考えもしなかった。
当時、長女の茜音(あかね)は大学2年生、長男の碧生(あおい)は19才の会社員、二女の真白(ましろ)は高校1年生だった。パート先から妻が倒れたと連絡が入り、急いで病院に駆けつけだが最後には間に合わなかった。くも膜下出血だった。
突然妻を亡くしてしまいどうしていいかわからず、ただ茫然する事しかできなかった。妻との出会い、結