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老子で創詩

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老子はつかみどころがない。首根っ子をつかまえて実体を見極めることができない。そのつかみどころのなさが老子の魅力である。だからこそ多くの人々が老子に心惹かれ、読み、語り、考えてきた…
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2022年7月の記事一覧

テーマ2.無為の思想

老子の思想を代表するのが「無為の思想」である。 無為(為さ無い)というのは、放任、無策とい…

城取一成
2年前
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比較相対を超えて

のどが渇いた時に一杯の水の旨さがわかる。 打ちひしがれた時だから人の情けが身にしみる。 …

城取一成
2年前
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自分を慈しむ

人は他者・社会の評価を鏡として自らを映し見る。 だから自分への賞賛に喜び、中傷に傷つく。 …

城取一成
2年前
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テーマ1.「道」とは何か

老子に始まり、荘子が集大成した思想を「老荘思想」と呼び、その学派を道家という。 道家の名…

城取一成
2年前
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川の流れのように

いま、川辺の岸に立つとしよう。 目の前を流れている川の水は、昨日はまだ山峡に湧き出たばか…

城取一成
2年前
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確かにそこにある

見ようとしても見えない。聞こうとしても聞こえない。 捉まえようとしても捉まらない。 でも確…

城取一成
2年前
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信じて進む

一面に濃いモヤが立ちこめ 前後左右もわからず途方に暮れる時 一筋のほのかな光が進むべき行方を教えてくれることがある。 微かな光を頼りに手探りで進むうちに やがてその光源がおぼろげな輪郭を帯びていることに気づく。 その時体内ににわかに精気がよみがえり 前に踏み出す足に力がこもる。 人間はそうやって道を切り拓いてきた。 ほのかな光を信じて、おぼろげな形を信じて歩いてきた。 これまでも、そしてこれからも。 孔徳の容:大いなる徳を持った者のありさま 怳(こう)忽(こつ):恍惚と

父であり、母である

「道」が母で、「徳」が父であろうか。 いや、「道」が父で、「徳」が母なのかもしれない。 生…

城取一成
2年前
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行き過ぎることの危うさを知る

デカルトは要素還元論を説いた。 「複雑な対象を要素に分解することで全体を理解できる」 この…

城取一成
2年前
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静かなる威容

鎌倉建長寺には、樹齢八百年の柏槙の大木がある。 蘭渓道隆禅師のお手植えという話が伝えられ…

城取一成
2年前
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日常に埋め込まれた価値

どんなにおいしい料理や酒も、毎日続ければ、やがては飽きてしまう。 白いご飯と水は、毎日続…

城取一成
2年前
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気の力

アマラとカマラの姉妹はオオカミに育てられたという。 容姿の異なる人間の赤子を、オオカミが…

城取一成
2年前
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