サトカズ

元ラジオ局アナウンサー。主にプロ野球、中央競馬、箱根駅伝などの実況を担当。スポーツデー…

サトカズ

元ラジオ局アナウンサー。主にプロ野球、中央競馬、箱根駅伝などの実況を担当。スポーツデータ企業を経て、現在はアジャイルを実践する働き方である優れたチームワーク(スクラム)を活用して、組織変革を支援する仕事をしています。2016年、早稲田大学ビジネススクール卒業(MBA)。

最近の記事

他局が模倣できない、J-WAVEの番組作りから経営戦略まで考える (3)

当コラムの最終回は、残された1つの論点の考察と、これまでの議論も踏まえたまとめをおこない、最後にJ-WAVEのこれからのリスクとチャレンジについて述べて締めくくります。どこまで共感を得られるのだろうか、自分で好きで書いているのだけど、僕にとってもチャレンジでありますw 番組の企画開発のコストを考える 最後の論点として、ラジオ局におけるヒット商品の企画開発について考えます。ラジオ局にとっての価値を高めるべく最も注力すべき商品とは、番組ですよね。番組の価値が高まれば、スポンサ

    • 他局が模倣できない、J-WAVEの番組作りから経営戦略まで考える (2)

      J-WAVEならでは! と思う番組を一つ紹介しましょう。日曜夕方5時からの「NX NIPPON EXPRESS SAÚDE! SAUDADE...」(サウージ・サウダージと読みます)で、滝川クリステルさんがパーソナリティです。出先からの帰途にクルマでこの番組を聴くことが多いのですが、何度聴いてもこの番組が誰に対して何を伝えたいのかが理解できていません(笑) ブラジルやラテンアメリカの音楽をかけながら、その音楽にまつわるストーリーやイベント情報などを滝川さんのふんわりとしな

      • 他局が模倣できない、J-WAVEの番組作りから経営戦略まで考える(1)

        今回は、前回の媒体としてのラジオ全体を分析した視座から目線を下ろして、僕が最近ブランド戦略としても経営戦略としてもラジオ局の中では突出していると感じているJ-WAVEについて論じます。 とはいえ、前回のように学会に出した論文を基盤にした骨太なものではなく、今回は、こんな解釈が成り立つのか?というくらいのライトな主張であると捉えていただくとハッピーです。長らくラジオ業界にいたので、J-WAVEにもお付き合いのある職員がいたりするのですが、あくまで僕が収集した情報に基づいた個人

        • ラジオは特定局へのロイヤルティが高い、は本当?

          まず、この記事を読もうとしてくださり、ありがとうございます! 普段、ラジオを聴いていたりしていらっしゃいますか?毎日習慣的に聴いている方もいれば、月に一度聴くかどうかという方もいらっしゃるでしょう。コロナでラジオ聴取人口が少し盛り返したというニュースも目にしましたが、その後はどうなったのでしょう。気になるところです。 今回のコラムでは、いつも同じラジオ局を掛けている街のクリーニング店やラーメン店は、本当にその局に対するロイヤルティが高いのか?という問いを設定し、その答えを探

        他局が模倣できない、J-WAVEの番組作りから経営戦略まで考える (3)

          箱根駅伝における「日テレ節」の継走(後編)

          ”日テレ流” 「平板ました」が生み出すリズム感と没入感アナウンスメント技術が、ステーションブランドの構築に寄与すると前編では書きました。では、今回の箱根駅伝において、どんな日本テレビ独特の技術がみられたのかについて続けていきます。 その技術が使われていた条件を整理します。 誰が?・・・主に中継車の担当アナウンサー(1号車、バイクなど) いつ?・・・後ろの選手が追い抜いて順位が変わるシーン、中継所が近づいてラストスパートをかけているシーンなど 何を?・・・実況によく耳を

          箱根駅伝における「日テレ節」の継走(後編)

          箱根駅伝における「日テレ節」の継走

          前編 / 実況アナ運用体制の特性箱根駅伝から、はや一週間が経とうとしています。 僕もかつてラジオ局で実況担当として12年、制作統括として3年、合計15年の年末年始は箱根駅伝に心血を注いでいました。感染症が流行る季節に、ましてやこの3年間はコロナが蔓延している状況で、どれだけ気持ちを張り続けながら当日を迎えたのだろうと想像すると頭の下がる思いがします。 箱根駅伝の価値は日本テレビとともにあります。それは、僕が以前子会社のラジオ局にいたからおべんチャラを使っているのではなく、

          箱根駅伝における「日テレ節」の継走