「Y嬢の醜聞」
自己紹介:妻の転勤の機に福祉施設の施設長を退職し、持ち家も処分。当時13歳の娘と家族3人で2023年夏にオーストラリアに移住の48歳。現在子育てと家事全般を行う完全専業主夫。ワーホリのタグ付けをしているが、ワーホリではなく働く予定も特になし。一応、社会福祉士だが外国ではなんの意味もない。吉本芸人チャド・マレーンがオーストラリアを「ラリア」と呼ぶことに感銘を受け、そのまま使用する。
4月に入って会社で新人研修なんかあるでしょ。OJTとかOff-JTとか言葉流行ったじゃん?今も使うのかな、あれ。
で、研修と言うと思い出す、と言うか忘れられないことがある。
私は数カ所の介護施設で勤務経験があり、そのうちの一つでのこと。
そこでは、中堅介護職員が講師となって新人職員に技術指導するというのがあって、その為の研修がある。要はもっと上のベテラン介護職員や主任クラスがその中堅職員の指導スキルを見る、という研修ね。なんかあるよね、専門用語で。わかんね。
で、ある女子職員・Y嬢(20代前半) が講師役となり、ベッド上の介護のデモンストレーションしてた。スッゲー真面目な子で高校卒業してからすぐに介護職、なんでも良く出来る子で同僚からの信頼も厚い。ただ、これだけみんなに見られるデモなんで、極度に緊張していた。
で、ベッド介護、ダミーの人形を使ってやるのさ。新人職員に指導している、と言うテイだから、動作を一つ一つ口に出して汗をかきながら「ここは、こうすると危険なく作業が行えます」とか「麻痺側は、注意が必要です」とかやっている、Y嬢。
で、陰部洗浄のくだりにきた。それこそ毎日の事だし女だから恥ずかしいとか、もう無いのよ。それこそ普段通りやればいい。で、ここで真面目なY嬢は「ちゃんとしなきゃ!」と思ったんだろうね。こう始めた。
「陰部洗浄はしっかりと行います。汚れがのこっていると尿路感染等の原因になります・・・。ここを流して、しっかり洗います。特に男性の場合ここに汚れが溜まりやすいです・・・」
男性の洗浄でキンタマの後ろって大事なの。ちゃんと洗って拭き取らないといかん。そこに差し掛かった時、Y嬢が少し口ごもった。
いいじゃん?睾丸で。
キンタマでもいいじゃん。
ってか言葉に出さなくてもいい。
しかし、真面目なY嬢。ここで恥ずかしがってはいかん!と思ったんでしょう。しかし睾丸という言葉が思い浮かばない。しかしだからと言ってキンタマとはいい難い。私、嫁入り前です。
で一瞬の間の後、Y嬢の口から出てきたのは「フクロ」。
で、丁寧にしようと思ったのか「お」つけて「おフクロ」と言った。
育ち盛りの中学生男子かよ、「おフクロ」って(笑)
しかし本人も腑に落ちてないのか、はたまた中学生男子では無いので「おフクロ」という言葉が馴染めなかったのか。
何を思ったか定かではないが、Y嬢、さらに「さん」をつけてしまい、結果「おフクロさん」と森進一のようになってしまった。
なんだよ「おフクロさん」って(笑)
以後、狭い居室内でY嬢の「おフクロさんをしっかり洗い、水分を取って十分乾かします」とか言う、一聴すると母親を介護する非常に親孝行な女の子の声だけが延々と響き。
笑いをこらえていた俺も、陰部洗浄終了後、Y嬢が言った「以上です。ご静聴ありがとうぞざいましたペコリ」が、森進一で脳内再生され死にそうになった。
いい話だな〜。おフクロさん。
空を見上げりゃ、今も胸に響きます。
では歌っていただきましょう、Y嬢で「おフクロさん」。どうぞ!!
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