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サくら&りんゴ #122 花の命/水仙が凍り付かないわけ

カナダに戻ってきてすぐ野菜の種を植えた

野菜ごとに色分けのラベルを立てる

キュウリ8種
トマト8種
ペッパーは日本のシシトーとフシミを含む6種類
なす
ズッキーニ(去年の収穫に調子に乗ってまた植えようと)
赤キャベツ(初めての試み)
スクワッシュはイエローサマーとバターナッツにウィンター。
ウィンタースクワッシュはてっきり冬に育つのかと思っていたら
(そんなわけないじゃん、マイナス20Cになるんだから)
秋の収穫の後冬の間、腐らずに保存できるという意味らしい。

その他
ラディッシュ3種
ベイビーリーフ
ルッコラ
ロメインレタス
そしてケイル(初めての試み)

ビーツやビーンズ類は、5月の末にガーデンに直接植える計画である。


そして一週間後
芽が出てきたのはラディッシュ3種。

つまりカイワレ?そう言うことかな

なんか伸びすぎ?
床暖のせいかもしれない。

しかし外はまだ一桁数字の温度である。
外植えはまだまだ先の話だ。

水仙が綺麗に咲いているね、うちのは低温でダメになったわ

二つ向こうの家に住むスーが言った。
彼女は私のウォーキング仲間である(昨日始めたばかりだけど)

そう、いちど暖かくなって咲きだした水仙も一瞬の低温で即だめになってしまう。
しかし夫が何年も前に植えた水仙は、毎年凍えることなく欠かさず花をつけている(ヘッダー写真)。玄関先に私が植える時も、こんな風に植えるのだと教えてくれた。

それはつまり
球根を建物に沿って埋めるということ。
すると家の暖かさで水仙が凍えない。

どうして花壇を仕立てて植えないのかと思ったものである。しかも家の基礎が見えんばかりの場所に植えられている水仙。

美しくなくない?

この地の本当の寒さを知らなかった私
見栄えよりも花の命が大切だった夫(ハンターだけど)

あれは夫が亡くなる二か月ほど前だったか
植えた種からキュウリの芽が出た朝
それを見つけた時の夫の輝く顔を私は忘れることができない


何頭もの鹿を殺して
グースを撃って、ダックを仕留めて
悪さをするリスをトラップにかけてビービー弾で撃ち殺す

たくさんの動物を殺してそして
花の命を愛した夫


助けたいのにどうやっても助からない命があって
助けたいけど本当は助けてはいけないかもしれない命があって
そうやってただただ無駄になってしまったおびただしい数の命
そんな命をベトナムで見て来た夫は
命を大切にしましょうなんて軽々しくひとことで言えない現実を
とっくに知っていたのだと思う。

私が、何の死とも出くわしたことがなかった小学生の時に

夫と出会っていなかったら私は今も
かけがえのない命を大切にしましょうと
表面だけの言葉で語っていたと思う


凍える空気の中で咲く
黄色の花が美しいと感じること、それは

いま花の命がここにあることを
それを見ることができるあなたの命がここにあることを
私の命もここにあることを


教えてくれているのだと思う





日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。