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「ポメラ日記32日目(執筆のローテーションを組んだ話)」


 こんにちは、もの書きのkazuma(@kazumawords)です。今日は執筆についてのお話。

あれも書けていない、これもできていない、という焦燥感の正体


 最近はせかせかとした日が続いていて、何となく行き詰まりを感じていたりしていました。小説の原稿をやっていても、ブログを書いていても、何だかいつも追われているような感じがして。プロじゃないから締め切りはないんだけれども。

 どうしてかなと考えてみたときに、心の中で「小説」も「ブログ」も「ポメラ日記」も、仕事の「ライティング」も、みんなぜんぶできていなきゃいけない、って思い込んでしまっていたことに気が付きました。

 最初のうちはそれでも何とか回っていたんですが、こういうサイクルを続けていると、段々と作業と作業の合間に切れ目みたいなものがなくなってくるんです。夕方までにライティングを片付けても、そのあとには小説を書いて、それからポメラ日記、ブログも、とやっていると段々焦燥を感じるようになっていきました。

 実際には遅くとも少しずつは進んでいるんだけれど、書き手の体感としては、あれも書けていない、これもできていないっていう風になってしまっていたんですね。本来、休息を取らなきゃいけないところでも、何も終わっていないような気がして勝手に気分が落ち込んだりしていました。

書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ書く


 そういう日々を一ヶ月くらい送っていたんですが、あるとき、たまたま綺麗さっぱり用事が片付いて、あとは丸々執筆に使っていい日ができたんです。

 なので机に向かったわけですが、その日その時の僕は、小説以外の文章は書きたくないって思っていたんです(珍しくね)。いつもなら、原稿を途中で抜けてブログも書くっていう中途半端なことをやっていたりしたんですが、もうそれはいいと。この日の残りの時間はぜんぶ自分が書きたかったものを書くために使うんだって決めたんです。そうしたら肩の力がすっと抜けていって、小説を書き終えたあと、久しぶりに楽しく書けたなと、書いた文章を見直しながらほくほくしていました。

 それで、書くことを苦痛に感じていた元々の原因は「書きたいものを、書きたいときに、書きたいだけ」書けていなかったんじゃないか、ということに思い当たったんです。



 それからは、もう全部いっぺんにやろうとしなくていいんだと思いました。

 僕がもしプロの作家なら、そういうことは許されなくて、決められた期限内に決められた分量を仕上げる必要があるかと思います。公募勢に締め切りを設定して一定の枚数で書かせるのも、たぶんプロになったあとのことも見積もってのことじゃないかと思う。ライターでやっていることも同じです。好きなものを、好きなときに、好きなだけ書く、というのはアマチュアにしかできない。

 でも、皆がみんな同じような高いハードルを設定した書き方をしなくてもいいんじゃないかと僕は思っています。僕はプロの作家にはなれなかったけど、そのことを逆手に取ればいいと思いました。アマチュアなんだから、胸を張ってもっと自由に楽しくやればいい。


書くことへのハードルを下げて、ローテーションを組むことにした


 正直に言うと、僕は病気を持ちながらの生活を送っているので、ライティングの作業をこなしていくだけで、一杯いっぱいになっているところもありました。お金はある程度、そこでいただけているので、終わったあとのことは難しく考えなくていいやと。

 作業のあとに「小説」、「ブログ」、「エッセイ(ポメラ日記)」、どれか一つでも書けていたら十分なんじゃないかと思いました。それでもう自分に対して〇(丸)を出してもいいと思って。そう考えると気が楽になりました。

 時間も以前より融通が利くように感じたんです。仕事が終わってから、寝るまでの間に文章がちょっとでも書けたらそれでいいじゃないかと。ちょっと休んだり、立ち止まったりしながらでもいい。だって、ものを書くということは長丁場で、ときに一生に渡って続くことだから。

 あと僕はかなり飽き性なところがあったりするので(興味を持つものがコロコロ変わる)、小説→ブログ→ポメラ日記→小説……みたいに、ローテーションを組むことにしました。それでその日に書きたいものは自由に選んでいいことにしたんですね。


 ちなみに昨日は「小説」を書いたので、今日は「ポメラ日記」に時間を使いました。明日は「ブログ」を書こうかなと。それで土曜の午前中にまた「小説」を書けばいいかなと思っています。

 こうすると精神衛生上、大変よろしくなって、却って小説なども書きやすくなったところがあるので、ちょっと行き詰まりを感じている人は試してみてください。

 「書きたいものを、書きたいだけ、書きたいとき」に書いていたら、きっとその面白さをもう一度見つけられるようになると思います。

小説家・中村文則さんの、作家志望者へ向けた言葉


中村文則さんのエッセイ本。『銃』のデビュー作の頃から好きでした。
『作家志望の方々に』は必見です。エッセイの茶目っ気のある文章もいいなと思います。



 最後に、僕の好きな作家に中村文則さんがいますが、近年に出たエッセイ集に『自由思考』というものがあります。その中で「作家志望者の方々に」という項があるのですが、こんなことが書いてあったので引用でご紹介します。

 作家志望の方々、何かを目指している方々に一番伝えたいのは、何かになってから自分の人生が始まる、とは思わない方がいいということ。何かを目指している時も、かけがえのないあなたの人生だということ。だからどうか、辛いことが多いと思うけど、その間も楽しんで欲しい。できるだけでもいいから、楽しんで欲しい。

『自由思考』中村文則著 河出書房新社 2019刊  単行本  p.141-142より引用


 この箇所を読んで、僕は僕のやり方で、小説を書いたり読んだりして楽しみながら、生きていこうと思いました。プロになろうがなるまいが、ものを書いている時間というのはかけがえのないものに違いないから。

 kazuma

 P.S. 今日は誕生日でした、Twitterで思いがけずお祝いの言葉などをいただいたりして嬉しかったです。今年もポメラと一緒に書き続けていきます。

文学ブログの『kazumawords.com』もちょっとずつリニューアル中です。またいつでも遊びに来てくださいね。それでは。

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