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ReDesigner for Student Advent Calendar 2023 記事紹介大放談

───ReDesigner for Studentアドベントカレンダー2023が出揃いましたね。

いやいや…もう本当に感謝しかないです。この場を借りて寄稿者の皆さん本当にありがとうございました。年末のこの忙しい時期に。みんな卒制とか修論あるのに…。

───でもすごいですよね、こうやってユーザー巻き込めて。

いや本当に。そういう意味ではもっとこの企画を褒めてほしいというか注目してほしいというか。やっぱもっともっと読まれたいですね。拡散お願いします。
特に今年は、多分基本誰にも寄稿を断られなかったんですよ。別に断られた断られなかった云々でどうのこうのという話でもないんですけど、とにかくありがたいなっていう。

───どの記事もおもしろかったですしね。

あ、ちゃんと全部読んでくれたんですね。ありがとうございます。
なんか去年も思ったんですけど、この企画は、適当に拾い読みしてもらえるように、連載とかオムニバスみたいな形になっているのがめっちゃいいなと思っていて。

───というのは?

就活系の記事ってやっぱり、基本ノウハウの方が学生さんから求められるんですよ。「こうして、こうやって、これで攻略だ!」みたいな。気持ちはわかりますし、僕らもそれらしいことを発信しているわけでもあるんですけど、やっぱりそれだけだと片手落ちだなとは思っていて。
特に毎年相当数の学生と面談して、「内定もらいました!」みたいなところまでを見届けさせてもらっている身からすると、やっぱ内定が出るまでのストーリーって基本的に人それぞれなので。だからこそ、オムニバス的に「わたしはこうだった」「自分はこう感じた」みたいなものが集まっているのが理想だなと思っていて。

───なるほど。

だから例えば今回で言うと、 "デザイナーに「なる勇気」と「ならない勇気」" みたいな記事をこの企画で書いてもらえたのはすごく大きいと思っています。

───確かに、デザイナーという仕事をファーストキャリアに選ばなかった人の記事を、デザイナー就活のメディアが扱っているのはすごいことですよね。

いや本当に。やっぱりあらゆる場所でデザインが必要だとされる世の中になっている以上、デザイナー就活のゴールのすべてが「デザイナーになること」でいいわけないですよね。もちろんすべての場所にデザイナーがいるのが理想ですけど、必要なのはデザイナーではなくデザインであるケースもまだまだあるかなと個人的には思っています。
この記事を書いた宮田さんは、Designer Career Jamにもスタッフとして参加してくれたんですけど、学生の相談に身振り手振りを交えながら応答していた姿が目に焼きついています。記事からもその身振り手振りが見えてくるんじゃないかなと思いますね。
同じようなカテゴリで言うと、 “「デザイナー」から「何か作る人」へ” なんかもかなり刺さりました。

自分も学生と面談する時に「デザイナーになりたいんでしょ」っていうことは疑わずに臨んでしまうことがあるなと思わされました。学生自身もみんな当たり前のように「デザイナーになろうと思っている気がします」くらいのことは疑わずに来ているわけですけど、ちゃんと紐解いていくと全然違ったりするケースもあるよなって。

───例えば?

「自分で手を動かしてつくるよりも、プロジェクトやプロダクトのマネジメントをやる方が好きな学生さん」とか。あとは「ものづくり自体はもうスモールビジネスとして成立しかけていて、仕事としてはお金のことを優先して考えた方が良さそうな学生さん」とか。まつなかさんみたいに、こういうところまでたどり着いて、ポートフォリオにエディトリアルも電子工作も自然と載せられる人の方が少ないんで。ほとんどの人は「デザイナーっぽく見えるポートフォリオをつくらねばならない」と思ってるわけですけど、プロジェクトのマネジメント実績やフィールドリサーチの実績を見たいと思っている企業もたくさんあったりするので、やっぱりあらゆるものづくりがポートフォリオに載っているべきかなとは思っています。
あともっと大事なのは、“「やりたいこと」と「仕事にしたいこと」” の海月さんのように、「今この瞬間にやりたいこと/仕事にしたいことを決めない方がいいケース」もあると思っていて。

デザイン系の学部にいるからと言って、必ずしもデザイナーになるべきというわけではないじゃないですか。海月さんは学部時代にデザイナー就活やりながら、「服をつくること」への興味を口にされていて。「アパレル業界行けばいいじゃん」ということではなく、「まずは服をつくってみたい」と。海月さんみたいに、もう少し時間をかけて、自分の興味があることにじっくり向かい合わないといけないケースもある。で、その向き合い方というのが、「自己分析」とかではなくて、「手を動かしながら考える/学ぶ」であるべきというか。そういう意味で、大学卒業後に服飾の専門学校に行って、服をつくりまくった海月さんにしか見えていない景色があると思うんですよ。

───なるほど。

「つくることの延長線上に就活や仕事があるといいよね」というのは常々口にしているんですけど、やっぱり時々「デザイナーになるための手段として、つくる」という変な状況に追いやってしまうことが自分にもあるんじゃないかなと思っていて。もちろん就活も大事なんですけど、この人のつくる手を止めずに、そのまま社会に結びついてもらうためにどんな言葉をかけられるかが大事だよな、と思ったりしましたね。
その話で言うと、 “最高のインプットを求めて、私は今日も靴を履く。” “つくりたくない時が結構ある私が、つくるスキルを伸ばしていくためにやっていること” “創作意欲の波紋疾走 ~トキメキオーバードライブ~” 辺りの記事の執筆者の皆さんは、自分で自分を乗りこなすのがすごく上手いなと思うんですよ。

───自分で自分を乗りこなす?

Goodpatch Blogの読書企画連載にも “「モチベーション」頼りのモノづくりをしないために、手元に置いている3冊” という記事を書かせてもらったんですけど、モチベーションとかやる気って、なぜか「自分でコントロールする/できる/すべきもの」という感じがあるじゃないですか。

───はい。

でもこれって作業する場所変えるとかでも全然違ってくるものですよね。なのに、就活みたいな学生の大多数が一斉に取り組む「自分でなんとかしていく必要があるもの」においては、「モチベーションも自分でなんとかしてナンボ」みたいな世界になっちゃっていると思っていて。
例えば上で挙げた三つの記事を書いている方々の中には、イベントやメディアの運営をやっている人もいるので、外からはちょっとキラキラして見えたりすると思うんですよ。
堀田さんは就活生向けのイベントをDesignhubで開催したり。記事にもある通りDesignshipでもインタラクティブコンテンツを作っていたりします。なかしまさんは自分の大学の学生メディアの編集。サコさんはGood Design Newhope賞への参加などなど。なんかそれぞれ色んなところでお見かけするんですよね。

───ふむふむ。

でも記事を読むと、三人とも外から自分のモチベーションを連れてきたりしているわけですよね。疲れる時もある。落ち込む時もある。でもそれとは別に、ちゃんと自分に刺激が入ってくるようにしているというか。キラキラしているから、対外コミュニケーションが得意だからそういうカンファレンスやイベントにいるわけではなくて、そういう場所にいるうちにつくるモードや誰かと話すモードをつくっているんだろうな、とお見受けしています。それはキラキラしているよね、すごいよね、ではなくて、そういうモードに自分を持ってこれることの方に見習うべきポイントがあるよなと思うんですよ。僕もカンファレンスとかって行く前めちゃくちゃ億劫なので。
特に堀田さん、なかしまさんの記事に関しては、主題をそういうふうに読むこともできるよなと思いました。

───なるほど。

アドベントカレンダー全体を通して、「これは就活終えた人のポジショントークじゃん」って思っちゃう人もいる気がするんですけど、やっぱそれ前提で読んじゃうと見えてこないことが絶対あると思うんですよ。ぱっと見でキラキラしているように見えちゃうような人たちは、あらかじめ与えられたものがあるからキラキラしているわけではなくて、よくわからないなりに手や足を動かした結果としてそう見えるだけ、というのはあると思っています。彼らも最初から自分を乗りこなすのが上手かったわけではなくて、誰かや環境と関わったりする中で自分の動かし方が見えてきたのかな、と記事を読んでいて思いました。
一方で、葛藤を素直に書いてくださっているかなと思うのが、 “その「好き」を、信じてみる。” “迷ったら潔く、深い川に飛び込んでみる” “憧憬を探る” 辺りの記事ですかね。

crieさんの就活振り返り記事は、理系大学とデザイン系とで悩んでいた高3から始まるんですよ。そして、デザイン系ではなく理系に進む。で、就活のタイミングでまたデザインと出会い直すんですよね。そういう振り返りの記事のタイトルが"その「好き」を信じてみる。"ですからね。

自分が想定していたより長い就活期間になったアヤネさんの振り返りは、アヤネさんが好きな作家さんをたまたま知っていたので、「あの人のエッセイみたいな感じで」とリクエストをしました。
アヤネさんは現地フィールドワークもかなりがっつりやる研究室にいらっしゃるんですが、そういう人の記事タイトルが「深い川に飛び込む」というのもいいですよね。

ヨシダさんの記事は、思い切って最後のセクションの一部を引用します。

「就活🟰理想の自分を見つけるためのプロセス」と書きましたが、実は就活に限らず人生におけるすべてがそうなんじゃないかなぁとも思ったりもします。

憧憬を探る

僕が外野からこういう話をするのもよくないかもしれないんですけど、ヨシダさんの通う美大って、受験が厳しい大学なんですよ。

───西の藝大なんて言われたりしますよね。

入ったら「やったー!」って感じなわけですけど、やっぱりその後にも悩みって当然続くわけですよね。つくることと考えたり悩むことってニアリーイコールみたいなところがあると思うんですけど、言葉にできないような感情との付き合い方について綴られているように読みました。

───いずれも「こうです!」という結論めいたまとめを置かなかったタイプの記事ですかね。

ですです。最後のパートに「かもしれない」とか「わからない」という言葉が置いてある。
最初の方で話した通り、就活ってどこかに攻略法みたいなものがあると思われがちなんですけど、内定をもらってみても「まだよくわかんない」というケースが全然あるわけですよね。学生の多くが、攻略法を理解しないと内定はもらえないと思っているわけですけど、攻略法がそんなに明確ではないままとりあえずどこかに行き着いた人たちの文章も読んでほしいと。

───「終わってみても、まだ考えている」というケースは全然ありますよね。

月並みな言い方ですけど、やっぱり内定も途中経過でしかないわけですよね。デザイナー就活が終わっても、就活のこともデザインのことも良くわからないままな人っていっぱいいる。
まさにそういう、「内定後の世界」も書いてくれているのがすなべさんの"「できなかった」を認めることが本当のスタート地点だった話" ですね。

すなべさんは他の記事でポートフォリオなどをアップしてくださっていたり、うちのイベントでも登壇してくれたことがあるんですけど、こんなにイケてるものがつくれるのに自己評価がめちゃくちゃ低いんですよ。「もうちょい高くてもいいんじゃない?」と軽はずみに言っちゃったりするんですけど、この記事を読むと、「自分はできていないのである」という自認があるからこそ学べる事柄がある、ということがわかりますよね。
この辺の「モヤモヤ系記事」を読むと、やっぱり就活もデザインも「わからなくて不安で動けません」ではなく、「わからなくて不安だから動いてみます」じゃないといけないというか。この辺のモヤモヤ系記事群からは、その辺りのことも読み取ってもらえるといいな…と思っています。

───一方で、就活ノウハウや自分なりの結論のようなものを書いてくれている人もたくさんいました。

まず声を大にして言いたいのは「こうすればオッケー!」という書き振りの人はマジでゼロでしたね。本当にありがたかったです。「自分はこうしたよ」というスタンスで共感を求める記事が中心になっているのは、やっぱり共感力というのが重要なファクターになっているデザイナーという職能故なんですかね。
田口が面談をさせてもらった中で言うと、 "嫌になったら話してみて" のりあんさんはマジでふとした瞬間にDMをくれてました。これはキャリアデザイナーの使い方マニュアル、みたいに読んでもらっても良いような記事かもしれません。
一方"24卒デザイナー就活を振り返るの巻" のぴなりきんさんも結構DMで相談をくれていたのですが、記事の中で表やグラフを使いながら自分の振り返りをまとめてくれていますよね。思い返すと、ぴなりきんさんはDMでの相談内容があらかじめすごく明確でした。りあんさんとは逆の感じですね。
田口としては、相談内容がまとまっていようがまとまっていなかろうがどっちでもいいのですが、相談する側はどっちのパターンでも相談してみるといいと思います。

───相談の内容や就活のフェーズによってどっちの相談の仕方が合うとか合わないとかありそうですもんね。

まさに。まあでも基本悩みというのはぐちゃぐちゃしているから悩みなわけなので、整理するために誰かを使うとか、整理してみた上でも誰かに「どう思います?」って客観的に見てもらうのが大事な気がしますね。
整理という観点でいうと、 "就活との距離感 〜私の場合〜" のひろせさんは、面接対策の具体的なノウハウとしても読める整理方針を書いてくれています。これもすっきりわかりやすい。

───ひろせさんの「距離感」というキーワードに繋がる記事でいうと、"プレゼントマインドで、長すぎる「就活ちゃん」と対話する" がありますね。就活を擬人化して扱うユニークな記事です。

これもめちゃくちゃいいですよね。すがまいさんも内定が出た後もずっと考えているタイプです。
整理にかこつけてすがまいさんの記事で感じたことを言っておきたいんですけど、この記事のテキストって少し長く書いてくださっているじゃないですか。

───確かに。

実は、「無視してもらっても良いです」という前提で「テキストが長くなることを恐れず、エピソードなんかも交えて書いて欲しい」ということを、すがまいさんにはリクエストさせてもらったんですけど。

───ふむ。

他にも何人か「長くなっても良いと思いますよ」と伝えた人がいるんですけど、最長がすがまいさんで。他の方は基本的にはコンパクトにまとめよう、という方向だったんですね。
コンパクトな文章が悪いわけではない、とあらかじめ断っておきたいんですけど、昨今の学生の「ものごとは、端的に伝えなければならない」という強迫観念がすごいなと思っていて。

───あー。なんとなくわかります。

伝える技術が大事だというのはある程度理解しつつ、「うまく、短く伝えないと、聞いてもらえない、読んでもらえない」という世界は、やっぱり息苦しいじゃないですか。そして、ある程度長くないと伝わらないこともある。
そんな中で、"嫌なことの楽しみ方" のクワジマさんは、「考えたことを全て書き出してみる」というノウハウについて触れています。

クワジマさんは制作のサイクルを回す中で「とりあえずやってみるだけで何かしら得るものはあるという確信が生まれた」と書いてくれていましたが、キャリアデザイナーとしては、悩んでいる人とはこれを一緒にやりたいんですよ。思ったことを全部書き出す、というところからやらないと、見えてこないことがある。
なんか、「伝える技術は重要」という社会からのメッセージの裏側に、「よくわからないものを、よくわからないまま出すことは、よくないことである」という言説がこびりついているような気がするんですよね。

───なるほど。

だから「テキストは短く、無駄がない」方がいいと。それも就活のマニュアル本みたいなのに必ず書いてある気がするんですけど、やっぱ「うーん」と思っちゃうんですよね。
僕は伝える側だけじゃなくて、伝えられる側、今回の場合でいうと記事を読む側の歩み寄りも大事だよなとはやっぱり思っていて。「長いな」とか「よくわからないな」と思っても、向き合わないといけないこともあると思ってるんですよ。それが出来ないと、いずれ自分が伝える側に回った時に、「上手く伝えないと意味がない」というハードルだけが高くなってしまうと。

───ふむふむ。

今回多くの記事で「人に相談してみるといいよ」という解決策を提示してくれていたんですが、やっぱり相談できない人って、「相談内容が明確でないといけない」という思い込みもあるような気がするんですよね。
「もちろん友達に頼るのもいいと思うけど、やっぱり社会の大人たちに相談することは、息苦しさを軽くしてくれるきっかけになると思います」と書いてくださっていたのは "うまくいかないなりに、好きなことを目指した8ヶ月。" のしんぼさんですが、そういう「よくわからない悩みをよくわからないまま吐き出しても聞いてくれる大人」がパッと頭に思い浮かばない学生って結構いると思うんですよね。

やっぱりそこらへんのことは、ReDesigner for Studentとして引き続き考えていきたいですね。
で、ここで引用したいのがてのひらさんの “デザイナー就活、苦しかったな〜というはなし” の一文です。この記事は学生だけじゃなくて採用担当者やコーチャーにも読んでほしいですね。引用します。

「どうにかなるよ!」って励ましてくれるけど、結局「どうにかなった人」だから言えるんですよね?

無責任な励まし方では?と思っています

“デザイナー就活、苦しかったな〜というはなし”

───言っちゃったことあるなあ。

ありますよね。本人も「どうにかなった側に行ってしまった」と回顧しながら記事は続くのですが、てのひらさんは就活真っ最中の面談の中でも、結構素直にこの話をしてくれていたんですよ。
てのひらさんにとってそれを田口に伝えることに意味があったかどうかはわかんないんですけど、それって僕にはすごく意味があったんですよ。つくる手も動いている、就活もしっかりやれている、それでもなかなか内定が出ずにしんどい思いをしている人に「どうにかなるって言われてもよくわからないです」って言ってもらえないと、ずっと何にもならない言葉を投げ続けちゃう可能性があったわけなので。
就活って「たぶん言っちゃいけないこと」がたくさんあるじゃないですか。

───はい。地雷だらけですよね。

そう。地雷だらけなんですよ。でも、やっぱ地雷埋めてんのって大人で、地雷を埋めまくった結果なんかどこに何埋まってるかもよくわかんなくなっていて、学生は地雷埋まってない場所まで地雷埋まってるように見えてる。
でもこれはしょうがない部分もあって、例えば僕って面談の最初に、「僕は採用の権限があるわけではないので、何を聞いてもらっても大丈夫です」と伝えてから面談を始めるんですけど。

───とはいえ、聞けないことはある、と。

です。地雷がないわけではないんですよ。でも、「お互い地雷あるけど、踏んでも一発アウトにはしないようにしようね」という前提でいたいなと。

───というと?

てのひらさんのように、「どうにかなるってなんだよ」って言ってくれていいというか。これも構造的な上下が生まれるので完全には難しいんですけど、特にReDesigner for Studentのキャリア面談においては、「それマジでどういう意味なのかもっと細かく説明してほしいです」と言える環境づくりをしていきたいな、ということです。アドベント外の記事ですが、友達がこんなことを書いていて。

対話には、見えないパワーバランスが存在している。

「答えが出るような内省はしない」- ミドルマネージャーを経験し気づいた大切なこと -

───これはすごくよくわかりますね。

そう。なんぼ大人が学生と対等になろうと気を使っても、対等なんて無理なんですよ。その前提で考えなきゃいけないよな、というようなことをてのひらさんの記事を読みながら考えました。こういう仕事をする上での反省を得られたのも今回の企画のよかったところです。

───さて話を戻して。

今回、「就活を一回リセットする、やり直してみる」というプロセスを扱ってくれている記事もいくつかありましたが、具体的なやり直し方を書いてくれていたのは "デザイナー就活を何から始めて良いかわからなかった私が挫折して学んだこと" のユリさんですかね。
面接の録音とかめちゃくちゃいいですよね。気恥ずかしいかもしれないですけど、僕の中に「芸能人がキラキラして見えるのは、嫌でも自分をモニタで見続けるからだ」という仮説があって、やっぱり自分を自分の体から切り離して見つめてあげるのって大事だよな、と思ったりしました。

───"見栄を張ることから" のMiyajiさんも、挫折からの立ち直りに関して記してくれていますね。

Miyajiさんが据えた主題はタイトルの通り「見栄を張る」ことなのだと思うのですが、田口なりに記事を読み取るに、「いきなり見栄張ってけ!」ということではなく、挫折した後に初めて「自分が超えるべきハードルが見えるよね」ということなんじゃないかな、と思いました。それを超えるべく課す自分への目標値が「見栄(≒ハードル)」なのかな、と。

そしてポートフォリオのブラッシュアップ系でいうと、にぽさんの"一度作ったポートフォリオを壊せなかったら、ちぎってこねてみる"。
「こねるか…その発想はなかったな」と思いましたね。

───田口さん、壊せしか言わないですもんね。

ですね。反省です。これはポートフォリオのversionごとのブラッシュアップの方針もまとまっているので、ポートフォリオブラッシュアップ系の記事の中ではひとつのバイブルにしてもいい記事だと思います。ブラッシュアップの時につねにブラウザで開いておくくらいでも良いのではないかなと。マジでもっと読まれて欲しいです。

にぽさんの記事、中身はもちろんなのですが、画像の入れ方や文字のウェイトの扱いも細やかなんですよね。かなり何度も推敲したんじゃないかな、という痕跡が窺えます。
そういう配慮で言うと、テキストではなく音声メディアでコンテンツを出してくれたすみっこさんの"「不安が歪むはやさで走ってました」"。

冒頭に何故音声メディアにしたのか、ということも話してくれていますが、この配慮や工夫こそデザインだな、と。ちなみに提案者かつすみっこさんの対話相手になっているReDesigner for Student西山さんは、このアドベントカレンダーの企画立案者です。

───さて、いよいよ残り一記事ですかね。

はい。"きんぎょのわくわく大冒険! ~想像を超える未来を目指して~"。まさきさんの記事ですね。

就活ストーリーをまとめてくださっている記事はいくつかあるんですけど、この記事のポイントは、「長期インターン先の新卒募集していない企業に内定をもらう」というストーリーが紡がれているところですね。

インターン先の方へ今の気持ちと卒業後も働きたいという熱意を伝えました。本来であれば新卒なんて取らないだろう状況ですが私の熱意を汲み取ってくださり前向きに検討していただきました。その後、ありがたいことに新卒採用の受付が始まり、書類選考や面接を踏んで、2023年9月、ついに内定をいただくことができました。ここに行きたいと腹を決めて臨んだ選考でしたので卒業後の進路も決定です🎊

きんぎょのわくわく大冒険! ~想像を超える未来を目指して~

───すごいですね。本当に。

この記事の主題はここだけではないのですが、これ良い話ですよね。
で、僕多分、まさきさんがこのインターン先と出会うところを目撃してるんですよ。間違っていないか確認をしていないんですが、ちょうど昨年の冬に、まさきさんの大学の卒展でゲスト講師がイベントをやっていて、その講師の人の働く会社だと思うんですよ。

───ふむ。

その前日にまさきさんは僕の卒展アテンドをしてくれていて、「あしたこういうイベントあるみたいだよ〜行こうよ〜」くらいのノリでこういう会社に出会ってるんですよね。いい話だと思いませんか?

───はい、もちろん。

こういう就活ストーリーもあるよ、っていうことを伝えておきたいですね。冒頭で話した通りなんですけど、本当に就活のストーリーってみんなバラバラですし、思ったようなストーリーを描けないことがほとんどなので。
今回のアドベントカレンダーを読んでみて、初見では「?」と思う記事もあると思うんですよ。でもどっかでそれを意識的に/無意識的に思い出すことがあると思うので。どうしても記事が多くて、現状view数は当然前半が多いと思うのですが、マジでゆっくりで良いので最後まで読んでほしいです。

───改めて寄稿者のみなさん、ありがとうございました!

ReDesigner for Student登録


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