お湯の熱が冷めて、氷になるとき、氷はお湯だった時のことを忘れないだろう?
「大豆田とわ子と三人の元夫」初回、観ました。何というか、期待していた以上。坂元さんのドラマだから、きっとセリフが多かったり、細かい設定がすごいんだろうと想像していたけど。以前のドラマとは比べものにならないくらい、セリフが多く、設定も細かいので、息つくヒマがないくらい、目が離せなかった。
以下、ネタバレ。
私が離婚を経験してたから、見入ってしまったのかも?とも思う。
それにしても、大体バツ3とか珍しいし、いくら何でも、離婚した元夫同士が会って、喧嘩なんてしないだろう。そして、元奥さんの家に、元旦那同士で押しかけないハズだ。
そして、冒頭から「とわ子」について語られていたけど、すごく変わっている。社長という肩書を持ちながら、朝のラジオ体操の回転のタイミングが合わず、口内炎ができやすい。でも、たくさん結婚しているから、男運はあるのかも。なんていう不思議な人だ。
1,すべてのシーン、作りこみすぎでは?
まず、ナレーションの伊藤沙莉が絶妙だ。声と、不思議な「とわ子」の説明がすごく合っていて、序盤でくだらない話をしているのに、妙に聞き入ってしまった。
とわ子の会社でおすそわけされた、とても美味しいと評判のマイマイ堂のカレーパン。社員同士で食べていたが、一つ余った。これを食べたかったとわ子。でも、社員はいう。「こんな庶民的な食べ物、社長にはあげられないでしょう。」そしてそのカレーパンは、カレーパンが好きじゃないある社員に渡ってしまう。するととわ子は、帰り際に女性のカバンですら、カレーパンに見えてしまう。
三番目の夫、中村慎森(岡田将生)とランチの会話にイラついたとわ子。コーヒーに塩を入れるが、その夫に話しかける人が多く、なかなか口をつけられない。しまいにはとわ子が自分で飲んでしまう。
とにかく細かい。というか、「どうでもよいと見過ごせるところがない。」と言った方が良いのか。すべてのセリフ、シーンに坂元さんが気を遣いすぎである。クスッと笑うというよりかは、笑いが止まらなかった。
2,八作との今後が気になる。
後半、工事中のどろ穴に落ちてしまうとわ子。1番目の夫、田中八作(松田龍平)に偶然助けられる。かけられた言葉は「やっほー!」。なんだこれ、カルテットではそんなに気軽に話しかけられなかったクセに!(笑)
そして、とわ子は八作の家で濡れた服を乾かすために、お風呂を貸してもらう。上がると2人でうどんを食べるシーンが。「勝手に人の鼻にさわらないで!」ととわ子が言ったあと、八作が「こわいこわい」と言うんだけど、あのセリフが、カルテットで家森さんが言ってるのと全く同じように聞こえた。そう、家森さんが乗り移っている、八作(別府さん?)。マニアックな方は、どんなシーンか想像できますよね?(なんて…)
その後、とわ子、八作の膝で寝落ちした。やっぱり、1人目の夫には特別な感情がありそうだ。私のただの予想だが(笑)。ドラマのエンドロールでも松田龍平さん、最後の方に出てるし、もしかしたら、最後は…??
もしこの2人に感情が戻ったとしたら、カルテット好きには嬉しい結果となる。(個人的な想いですいません…笑)
3,一番印象に残ったセリフ
題名にもしているが、元夫が3人で会議しているときに、2番目の元夫、佐藤鹿太郎(角田晃広)が言った言葉だ。
お湯が水になり、氷になったとしても、お湯になるよね。お湯の熱が冷めて、氷になるとき、氷はお湯だった時のことを忘れないだろう。
失恋や、離婚の例え。すごくわかりやすかった。でも誰もこんな回りくどい表現しない。さすが坂元さん、という感じだった。
恋をしていたり、愛情があるときは、お湯のように「熱い」。だけど、それは水のように冷たくなる。そしてまた、お湯のように熱くなることもある。そして、氷になって、冷めきったままでも、お湯のように「熱かった時のこと」を「忘れられない」って言ってるんだろう。
深い、なんて深いんだ!!坂元さん!!
きっと最終回を観ても、もう一度観返しそうなドラマだ。前の坂元さんドラマなんかよりもずっと、しこりが残りそうで、たまらない話になりそう。1話完結ということだが、全然完結してないし、次回も楽しみだ。
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