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絶妙な上司と部下の関係とは?

最近、「部長と社畜の恋はもどかしい」というドラマを見はじめた。

さすが深夜帯放送。仕事を通じて、上司と部下が徐々に恋をしていくのかと思いきや、いきなりベットシーン(笑)。ありえないけど、ありえなさがぶっ飛んでて、こういう話、私は好きだ。

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それで、私はあの上司のことを思い出した。新卒でシステムエンジニアになったのだが、その時、あの上司に出会い、10年仕事を続けられたのだ。真面目なこととしては、だいぶ前に記事にしている。

この人がいなければ、私は10年も同じ現場でシステムエンジニアなんてやれなかっただろうな、と思うくらい、気の合う人だった。

仕事熱心でもあるが、すこし不真面目なところもあって、人との距離感や作法、社会の乗り越え方みたいなものまで、私は未だにこのオジサンに感化されている部分が多い。

今回は、そのオジサンとのちょっと不真面目な思い出を話そうと思う。

1,一緒に仕事をするようになったときのこと。

新人のころ、私は別の上司の下で仕事をしていた。私は大学でプログラミングとは無縁の学科で、仕事もサクサクと進めるようなタイプではなかった。それでも、オジサンは私に目を付けた。

「ちょ、ちょっと貸してくれる?」

その当時の私の上司に、私がいる前で「貸してくれる?」なんていう言葉で、私とオジサンの関係は始まったのだ。

この言葉だけだと雑だし、今どきの敏感な若い社員ならばセクハラだのパワハラだと思うかもしれない。でも、当時若かったのと、色々あって自己肯定感の低い私には、とても嬉しい言葉に聞こえた。

(私を、必要としてる??)

システムエンジニアであるにも関わらず、どこか田舎くさい匂いと加齢臭がバンバンしてきたことや、設計書の裏紙をクリップで止めたA4の紙と、ボールペンでなく鉛筆を客先に持ち歩く、あのオジサン。

田舎から上京してきた私は、このオジサンにすぐに親近感を覚えた。

2,徹夜明け、ムダに2人で神社を散歩した。

2年目で仕事が忙しくなってトラブルが起こると、若い女性であるにも関わらず(笑)、私を帰すことはなかった。他のメンバーは全員帰っており、私とオジサンになっていることが、よくあった。

夜の22時くらいになったある日のこと。

「〇〇のことで、設計書はどうなってるか調べてほしい。」

このオジサンには、社会人2年目であるにも関わらず、すぐに何でも言える関係になった。

「は~??今からですか??」

半分笑いながら答えるけど、ニヤリと笑っただけで、無言だった。まぁ今日は帰さないということだろうか。
結局、調べ切ったときには終電を超えていた。

あのドラマのように、ベットシーンなど一切ないが、同じフロアで段ボールを敷いて寝たことは多々ある(笑)。いつも私が早く寝てしまい、オジサンが後で寝ているようだ。私が目を覚ますと、オジサンはいびきをかいて寝ているのだ。

とある徹夜明けの晴れた冬の朝、オジサンが散歩へ行こうと私を連れだした。仕方がないからついていく事にする。大通りを抜けると、とある神社についた。

田舎者にとって、この神社は画期的だった。階段ではなく、エスカレーターで本殿の近くまで行けるのだ。大都会の朝、意外といい空気を感じるところだった。もちろん周りには誰もいないし、ただ歩いて、ほとんど無言で帰ってきた。

はたから見れば、観光をしている親子だ。オジサンはスーツだけど(笑)。仕事が忙しいシステムエンジニアの上司と部下だなんて、誰もきっと思わない。

3,徹夜明けの休日出勤、昼食はランチビール。

金曜日にオジサンと徹夜して、土曜日は別の場所で仕事するなんていう日があった。場所が代わるから、外でお昼を食べようと誘われ、私とオジサンは2人で昼食を食べることになった。

「〇〇さん(=私のこと)、顔に出ないから大丈夫だよね?」

勝手に生ビールを頼まれる(笑)。そして、他のメンバーに言わないんだよ、と念を押される。仕事中に飲んだことは、思えばこれが最初で最後だった。そして、2人でそのビルに歩いて向かおうとした。

「またね、ちょっと寄るトコあるからさ。」

吸っていたタバコを道に捨てて踏みつけ、オジサンはとあるパチンコ店に入っていった。

(なんとも、ヒドイ…)

私はそのビルに着いて、多少酔っていたのもあり、そこで働いていたメンバーに伝えた。

「〇〇〇さん(=オジサンのこと)、別のビルに稼ぎにいきました!」

忙しいのに、皆笑っていた。そのオジサンらしい行動に。いつ帰ってくるだろうかと待ちわびるメンバー。

稼働が多く大変だったけど、こういったふざけた行動が皆に許されているキャラだったのだ。それをだれも責めることなく、開発やテストを淡々とこなすメンバー。愛されキャラだということがわかる。

しばらくすると、オジサンが無言でビルに現れた。誰かが結果報告を求めたが、無言だった。無言と言うことは稼げなかったのだ(笑)。

ただ、ランチにビール飲んだことだけは、2人の秘密だった。

4,まとめ

仕事の姿勢は真面目だったし、丁寧だった。けれどこうして息抜きをしている面も、私には重要で、自然とついていこうと思えるようになった要因でもある。上司も人間だし、こういうちょっとふざけた面があるだけで親近感が沸く。一緒に仕事をしていて忙しいときでも乗り越えようと思える気持ちになった。

部下は上司を選べない。選べないけれど、何かの縁ってあるような気がするのだ。私はあのオジサンの、上司としてちょうどいい距離感のおかげで、絶妙な関係を築くことができ、充実した仕事ライフを送ることができた。


1日の大半が仕事であるならば、やっぱりいい上司と部下の関係で仕事をしたいですよね。いつかまた、こういう関係を築ける人に出会って仕事がしたいものです。










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