生きることって、素晴らしい。

久々にnoteを開いた。
というのも、最近仕事が忙しかったり、毎日が充実していた。

…のだけど、とある日、私は自分の体の異変に気づいた。

5月19日(木)

いつものように仕事を終え、5歳児の娘とお風呂に入ろうとした。生理も何日か前に終わっていたが、右胸がチクチクと痛む。なんとなく右胸をさわってみると、コロコロとしたしこりがあるのに気づく。
私は一瞬ゾッとした。でも、娘がそこにいて、楽しそうにお風呂に入っていく。何とか笑顔を保つ。

…胸にしこりなんて、もう乳がんしかないんじゃないかと思いふける。親族にガン系統の人は誰一人といない。それでも、40歳も近いしもしかしたらとも思う。

それでお風呂から上がって、母にまず相談する。
「ガンじゃないとは思うけど、とりあえず明日病院に行ってきたら?」
と。それから、大切な人(F氏)にも電話。
「えぇ?びっくりだよね。仕事なんか休んでいいよ。乳がんじゃないことを祈ります。」
と。
外仕事で忙しい中、電話で話してもらって安心する。


夕飯もなかなかのどをとおらないが、普通に過ごす。
それは、娘や大切な人がいるからだ。
今は死ねない。絶対に死ねない。

娘が寝た後、スマホで胸のしこりについて調べる。すると、8割以上が良性のしこりなんだと知る。
ただ、ここ5年は授乳もしてないし、男の人に触られたこともない(笑)。銃乳の際におこる乳腺炎でもなさそうだ。

一般的に8割が良性だったとしても、もしかしたらガンかもしれないしなどと思い、寝るのに時間がかかった。
いつも朝早く起きて、英語の勉強などをしているのだが、その日はできなかった。

5月20日(金)

近所の総合病院に行こうとしたが、近くのクリニックに乳腺外来があることを知った。総合病院で待つのも気が引けたので、近くのクリニックに問い合わせる。
すると、要予約が必要とのこと。
来週の火曜日の夕方、クリニックの予約をした。

F氏に、仕事を休むと言っていたが、電話のあとに職場へ行った。忙しく朝仕事をしていた彼。私が来たのを見て、びっくりした。
「病院はいいの?普通に仕事できるの??」

体調は悪くない。仕事でちょっと疲れているけど。農家だから今時期が一番忙しくて、F氏は早朝から日が沈むまで仕事をしているのだ。だから私は少しでもF氏の手伝いをしたい。
…たとえガンだったとしても、だ。

F氏は、私を軽トラに乗せて田んぼへ行った。
「ごめん、俺が普段から触ってチェックしてないから…」
何か話をしたかったのだろう。普通ならセクハラまがいの発言だが、
私は少し気がまぎれた。

仕事で疲れたのか、その日は良く寝た。
それでも最近、仕事もハードだったうえに、朝活(英語の勉強)も頑張り過ぎだったのかと思い、控えて寝ることにした。

私はたぶん、いつの間にか頑張りすぎてしまう。
そういうのもあって、しこりができたのかなぁ…。

5月24日(火)

検査当日。この日は娘の遠足の日。
お弁当などを用意して、娘の楽しそうな笑顔を見て、私はいつもどおり仕事に行った。

この日は午前中だけ仕事をした。仕事はあまり手につかなかった。

それでも、それでも。
たとえ、ガンだったとしても。
私は、生きなければいけない。
そう自分に言い聞かせた。
そう、結果にかかわらず、私は生きなければいけないのだ。

夕方、母がクリニックまで送ってくれた。
「本当にガンだったら、私とF氏のせいで溜まったストレスだし、取り返しがつかないなぁ…。」
珍しく、弱気なことを言う母。
確かに、母とF氏とは今まで経験したことのないほどのトラブルが色々あった。
(母は今、私とF氏が恋人関係であることを知らないけれど…。)

クリニックに到着。問診表を書き、ドキドキしながら待っていると、さっそくマンモグラフィーの検査が始まる。

乳がん検診を受けたことがなかった。胸なんてないほどに小さい私。マンモグラフィーの部屋で数分待たされた。緊張がピーク。
しばらくすると看護師さんがやってきて、私のない胸をよせるだけ寄せて、挟む。

痛かった。こんなに痛くしたらしこりに悪影響があるんじゃないか…と思う位だったけど、痛さよりも結果が知りたかった。

また数分待つと、診察だ。
マンモグラフィーを見た先生。
「あぁ、しこりあるねぇ。」

めちゃくちゃ焦る。そして、エコー検査をする。
(しこりがある……って、やっぱりガンなの??)
しばらくして、先生が言った。


「あぁ、これ以上調べる必要ないやつだわ」

ガンとは全く関係ない、「乳腺のう胞」という、乳腺に水が溜まったしこりだそうだ。

4日間不安の中動いてきた私は、久々に肩の力が抜けた。
「なにもなければ1年後の経過観察でいいからね。」
そうして、私はクリニックを後にした。

***

今回のことで思った。
自分の体の異変に気づいたら、迷わず病院に行くこと。
これは、ほんとに大事。ネットで調べるだけでは本当の原因はわからないし。それと、やっぱり定期健診も大事だなぁと。たぶん私は1年待たずに乳がん検診をするだろう。

私は、まだまだ生きたいのだ。
仕事が大変でも、何か些細なイヤなことがあったとしても。

夕方、母が買ってきてくれたお惣菜のお弁当を、こんなに美味しいと感じた日はなかった。

生きてることが、こんなにありがたいと思った日はなかった。
明日も、あさっても、ちゃんと生きよう。楽しく生きよう。

生きることって、素晴らしい。

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