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牛から搾られたミルクは牛乳ではない!?

明日、1/20月 朝7:00からCSグリーンチャンネル『なるほど!畜産現場』肉用牛シリーズ第2段がON AIR!見逃しても木曜までは同じ時間に再放送があります。

今回は、「格付け機関」への取材です。みなさん、「A5等級」とかって耳にしたことありませんか?ランクがAで5だから良い肉なんだな、と思いますがそのランクってどうやって評価するのか。取材して一番ビックリした回でした!
牛肉をもっと美味しく食べてもらえますように。ぜひ、ご覧ください!

さあ、その前に!今回の記事は乳牛シリーズ第4回の工場見学のおさらい!
取材先は雪印メグミルク海老名工場と阿見工場で、それぞれ牛乳とチーズの製造工程を見学して参りました!

1. そもそも牛から搾られたミルクは牛乳ではない!?

てっきり牛から搾乳したものが牛乳だと思い込んでたんですが、違うんです!

牛から搾られたミルクは「生乳」、そして殺菌などの処理を施してパッケージ化されてようやく「牛乳」になるんです。知らなかった...。

そういえば、よく牛乳パックに「生乳100%」といった表示がされていますよね。これはつまり、人工的な加工乳は含まれていない、100%牛からとれたミルクだということをアピールしているんだそうです。

では、その生乳が牛乳になるまでにはどんなステップがあるんでしょうか。

2. 牛乳ができるまで

①貯乳
各農家から集めた生乳が外気に触れないようにタンクに積められて工場まで運ばれていきます。それが工場のタンクに移動・保管される工程です。

しかし、工場へ受け入れる前にも厳重な検査を行って、なんと11の検査項目をクリアしないとタンクローリーごと追い返されてしまうんだそう。

国は変わりますが、中国では生乳の品質を改ざんして受け入れてもらえるように化学物質を混入させた粉ミルクが出回り、その中のメラニンという物質によって健康被害が出てしまったスキャンダルがあるようです。こういったケースが起こらないよう厳戒態勢で検査しなければならないんです。

②清浄化
クラリファイヤーと呼ばれる機械で、遠心力を利用し、生乳の中の異物を外に飛ばして除去する工程。

③低温脱気
こちらの工程は、なんと雪印の商品(赤いパッケージ)でしか行われていない「おいしさキープ」の方法!牛乳の酸化を極限まで防ぐために高温での殺菌の前に低温で空気を抜くんです。

牛乳はどのブランドも一緒と考えてたけど、製造方法を見ることで美味しさへのこだわりが見えるんですよ!

④均質化
ホモゲナイザーという機械によって、生乳のなかの脂肪分が偏らないように脂肪を細かく砕く工程。

⑤殺菌
生乳の流れるパイプの周りを覆う形で高温の水を流入。徐々に水の温度を上げて130度まで上げると高温殺菌ができます。

⑥充填
生乳を商品のパッケージに流し込む工程。生乳の品種とパッケージの表記を照らし合わせる工程でもあります。

ちなみに...

メグミルクといえば赤いパッケージですよね?
こちら、ある理由に白色に塗り替えられたこともあるらしいんです。

それは、この商品が介護食として採用された時のことだそう。品質は高く評価される一方、「血を連想する」赤のパッケージはなんとかならないのか、というリクエストがあったそうです。そこで、その介護食用にパッケージを上塗りしたんだそうです。なるほどなあ〜。

3. ヨーグルトができるまで

殺菌までは牛乳と同じ製造工程を辿りますが、その後、乳酸菌を追加します。

取材では「ナチュレ恵」という商品の場合を聞いたので、商品によって工程は異なるんだそうです!

ナチュレ恵の場合は乳酸菌を4品種混合して、充填します。重量や異物混入がないかの検査、日付の印字を先に行ったうえで、後から発酵を行うのでこれを「後発酵」といいます。商品によってはタンクに入れて発酵してから充填を行う「前発酵」という方法もあるんだそう。

乳酸菌の種類も商品によってさまざまらしいんですが、そもそも乳酸菌って何種類あるかご存知でしょうか??

なんと100種類もあるんですって!
このうち、大きく2つのカテゴリに分けると、

・腸内乳酸菌:人間や動物の「腸内」にいる乳酸菌
・酪農乳酸菌:動物や家畜の「乳」にいる乳酸菌

となります。つまり、人間が元々持っているか・いないかの違いですね!

こうしてできた乳製品がパッケージに充填された状態で、さらに8項目の化学・物理検査や美味しさの評価を行うんです。シビア、だからこそ信頼が担保されるんです。

おもしろい言葉だと思ったのは、検査の一つに「虐待検査」というのがあるんです。これはなんでしょう?これは別名「増菌検査」といって、あえて菌が増えるような環境下でも人間への害がないかどうかの検査なんですって。具体的には数ヶ月、牛乳を放置してから行うそう。ひぇ〜!

4. チーズができるまで

チーズにも2種類のカテゴリに区分されます!
それは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」です。

ナチュラルチーズ
生乳などを乳酸菌や凝乳酵素で凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を除去したもの、または、これを熟成させたもの。熟成タイプと非熟成タイプがあります。原料となる乳の種類、使用する微生物、加工方法などにより、世界中で1,000種類以上もあるんだそう!

プロセスチーズ
ナチュラルチーズに乳化剤などを加えて加熱して溶かし、再び成形したもの。製造工程の途中で加熱処理を行うため、乳酸菌は死滅しています。そのため、保存中に熟成が進むことがなく、ナチュラルチーズに比べて保存性に優れたチーズとのこと。

正直、ここは言葉での説明だけだと難しいです笑
ぜひ、オンエアを見て欲しい!

オンエアではクイズが続出なので、ぜひみなさんも試してくださいね!
そして、取材先の雪印工場は見学ツアーの機会をしっかり設けているので、わかりやすい説明文と施設になっています。直接、ご覧いただけるかもしれません。

5. 出荷された乳製品は...?

さて、出荷された牛乳がいよいよ店頭へ並べられます。
ここでも工夫があって、販売店が「推したい」商品は陳列のスペースが広く提供されているんです。僕が取材した店舗はその販売店のプライベートブランドが一番多くズラっと並んでおり、ここに経営の妙が隠されているなと思いました。

そして、みなさんもよく目にする「ポップアップ」。期間限定であったり、あるテーマを決めて「特集コーナー」を別に作る工夫もされているんだとか!販売店をよ〜く見ると、何を売りたいのか、何がトレンドなのか、見極めることができそうですね!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
これで酪農シリーズは終了。

次回からは肉用牛シリーズに入ります。
まずは明日のオンエアをご覧くださいませ!

展示やイベントレポート、ブックレビューなどを通じて、アート・テクノロジーなど幅広いジャンルを扱った記事を書こうと思います。また、役者としても活動しているので劇場などでお声がけさせてください!