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最強の完全栄養食品「たまご」に関わる人々

『なるほど!畜産現場』今回は完全栄養食品とされる卵について再度取材しました!コロナ禍における卵業界の現状、高校生たちによる卵料理コンテスト、そして卵の栄養価の高さについて本記事で整理します。

コロナ禍における卵業界の現状

昨年、養鶏についての基礎知識を教えてくださった愛鶏園の齋藤さんにリモートでお話を伺いました。

愛鶏園の近辺には卵の自動販売機もあるほど、人気度の高さが伺えますが、どれほどコロナの影響を受けたのか。整理すると下記のようになります。

4月上中旬:在宅の習慣により巣ごもり需要が旺盛、標準取引価格は前年を上回る
緊急事態宣言解除後:業務・加工用の需要が回復せず価格は下がる
8月下旬以降:供給量も減少、外食産業の需要は増加、価格は上昇

やはり、家庭料理で卵料理を調理しようという意図から量販店での卵の需要は強まった一方、卵を必要とするレストランなどの外食産業や観光業が制約されてしまったことにより、供給過多で卵が余ってしまう事態が発生したようです。

この事態は乳製品や牛肉においても同じでしたね。番組では、コロナ禍や災害などへの取り組みと題しまして取材を行いました。だからこそ生産農家の方々は外食産業の需要回復に期待するとともに、消費者に対して直接それぞれの畜産物の魅力を伝える試みを始めているんだと感じました。

再び、緊急事態宣言が発令された今も消費者として心配ですが、引き続き美味しい卵を届けていただければ最高と考えています。

次世代の料理家を目指す学生たちの熱いバトル!

そんな齋藤さんもプロモーションを行う活動が「たまごニコニコ大作戦」。卵を1日2個食べよう!というメッセージをスローガンとして掲げ、卵の普及活動を行っております。

中でも目玉の企画が高校生たちが卵を利用してオリジナルの料理を作って競い合う「たまごニコニコ料理甲子園」です。今年は例年とは違い、実際に審査員の目の前でリアルタイムで調理をするといったスタイルではなく、リモートで開催されたとのこと。事前に料理の様子を収録した動画による判定となりました。

実行委員長の野田さんからコンテストの概要などをお聞きしました。やはりコンテストの主催側として、実際の味が決め手の1つになる料理のコンテストを例年通り開催することは難しいと悩んでいらっしゃったそうなのですが、企画の認知度も高まり、参加者も増え、何より「卵への想いやこだわりを伝える」というミッションを継続するため、開催に踏み切りました。

審査基準は6つ!味つけや盛り付けはさることながら、「栄養バランス」や「ストーリー性」、「料理のしやすさ」そして「創造性」と加味するべきポイントがたくさんあります!これらを網羅するのは大変そうですね!

決勝大会の創作卵料理の一覧は下記のリンクをご覧ください!見てみるとわかるんですが、実はこれらの料理レシピがクックパッドに載っています!

激戦の末、グランプリを手にしたのは福知山淑徳高等学校の衣川さんです!

衣川さんが提案したのは「黄金のW卵焼売」!

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焼売のお肉が硬くなってしまう点に着目し、ミンチ肉をゆで卵と混ぜて錦糸卵を後から乗せてフワッとした食感を引き出した料理です!たしかに、お弁当などに入っている焼売のお肉って硬いな〜という印象を持っていたのですが、こういった解決策を思いつけるなんてすごい!

そんな衣川さんは料理人!実は、幼稚園の頃から料理をすることが大好きだったとのこと。幼少時から自分の興味や夢が一貫してるなんて本当に感心します。ぜひ、いつか衣川さんの料理を食べたいな!

家政学の知見から卵のスゴさに迫る

続いては、千葉大学名誉教授で家政学や調理学が専門の石井先生に「卵にはどんな栄養が入っているのか」教えていただきました!

卵にはタンパク質が含まれている!ここまでは何となく知っておりました。

しかし、より具体的に必須アミノ酸と呼ばれる人間がとらなければならない9種類の栄養素(イソロイシン、ロイシン、リシン、含硫アミノ酸、芳香族アミノ酸、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)がきちんと含まれています。

これらの必須アミノ酸がどの程度入っているのかの基準値が国際的に設定されており、それらと比較したそれぞれの食品の必須アミノ酸量を表すのがアミノ酸スコアです。卵は9種類のうち全てのアミノ酸において基準値よりも高いスコアを得ています。つまり、卵を摂取すれば人間に必要なアミノ酸を取ることができるんです!

しかも!タンパク質のみならず、鉄分やビタミンなどの他の栄養素も豊富に含まれており、さらに安価で手に入るという点が卵を食べるメリットです。加えて、卵は料理の仕方がたくさんありますから、各人の嗜好にあった卵料理で食べられますね!だからこそ、上記の衣川さんのような新たな発見も生まれると!

詳しくは森永製菓のプロテインポータルサイトで詳細に触れられておりますので、ぜひリンクをたどってみてください!

豊富な栄養素と料理のバリエーションと高いポテンシャルを秘めている卵だからこそ、料理の専門家・非専門家問わず愛されている食品だと感じます。そのため、プロフェッショナルによる卵料理の重要性なども再認識するとともに、コロナ禍の打撃を受ける外食産業も再び盛り上がってほしいと思いました。

ちなみに、取材から自分も卵かけご飯から料理に挑戦しています。

皆さんは卵を使ってどんな料理を作りますか?

展示やイベントレポート、ブックレビューなどを通じて、アート・テクノロジーなど幅広いジャンルを扱った記事を書こうと思います。また、役者としても活動しているので劇場などでお声がけさせてください!