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【天才の視点 PART2】マルキシストである斎藤幸平さんの思考をダイジェストでお届けしマッスル。(YouTube原稿)

◆はじめに


昔からなんですが、
「競争」ってなんか苦手なんですよね。
誰とも比較せず、
自己完結で満足するっていうね。
さぞ、
クセのある子どもだったと思いますよ。

◆この動画の概要


◇参考文献紹介

こんばんは!和希です!
本日も、
2022年9月29日にマガジンハウスさんから発行されました、
高橋弘樹さんの『天才たちの未来予測図』の内容を、
かいつまんで紹介いたします!

◇参考文献概要

タイトル『天才たちの未来予測図』
著者 成田悠輔、斎藤幸平、小島武仁、内田舞
編著者 高橋弘樹
価格 1,100円税込
発行者 鉄尾周一
発行所 株式会社マガジンハウス
印刷・製本所 中央精版印刷株式会社
ブックデザイン TYPEFACE
頁数 213頁

『天才たちの未来予測図』奥付・裏表紙から引用

◇本書を紹介する理由

まず最初に、
本書を紹介しようと思った理由ですが、
これは次の三つになります!

  1. 泣く子も黙るスーパーエリートたちによる共著だから

  2. 世界最先端の研究及び研究者が面白すぎるから

  3. 本書に各研究者のエッセンスが詰まっているから

まず1つ目の、
泣く子も黙るスーパーエリートたちによる共著だから
という理由については、
これは読んで字の如く、
四者四様、
全員が全員、
世界に名だたる超有名大学の出身及び現職であり、
その権威に私は完全にひれ伏したからです。

成田悠輔さんは、
東京大学卒の、
イェール大学助教授。

斎藤幸平さんは、
ベルリン・フンボルト大学で博士課程を修了し、
東京大学准教授。

小島武仁さんは、
東京大学卒の、
東京大学教授。

内田舞さんは、
北海道大学医学部卒の、
ハーバード大学医学部助教授。

もう、
権威の暴力ですね。

次に2つ目の、
世界最先端の研究及び研究者が面白すぎるから
という理由については、
それぞれの著者が研究している研究テーマが、
そんじょそこらのビジネス書では見かけることのできない、
とても最先端のテーマで、
かつ、
とてもユーモアに富んでいるからです!

成田悠輔さんは、
データ分析で、
これまでの社会の常識を根底から覆そうとしていますし、

斎藤幸平さんは、
脱成長コミュニズムで、
資本主義を新たなステージへと引き上げようとしていますし、

小島武仁さんは、
マッチング理論で、
世界のマーケットを本来あるべき正しい形へと設計しようとしていますし、

内田舞さんは、
小児精神疾患の最先端研究で、
日本の医学リテラシーのレベルを引き上げようと尽力しています!

四者四様、
とても最先端、
かつ、
とてもユーモラスな研究なので、
本当に読んでいて飽きません!

最後に3つ目の、
本書に各研究者のエッセンスが詰まっているから
という理由については、
編著者である高橋弘樹さんの働きにより、
本書一冊で各研究者のエッセンスを眺めることができるからです。

高橋弘樹さんといえば、
YouTubeの【日経テレ東大学】のプロデューサーですし、
本書の著者である教授陣は、
全員が【日経テレ東大学】に出演しています。

なので、
本書は【日経テレ東大学】で実際に各教授陣に行った質問を、
わかりやすく1冊にまとめたという感じで、

これ1冊で教授陣の研究のエッセンスに触れられるコスパ最高の書籍です!

◆マルキシスト・斎藤幸平


◇この動画で紹介する内容

そして、
このパート2の動画で紹介する天才の視点は、

東京大学准教授で、
マルキシストである斎藤幸平さんの視点です!

斎藤幸平さんと言えば、
2020年の9月に発売された『人新世の「資本論」』は、
とんでもない話題を博していましたね。

お恥ずかしながら私は本書を読んでいないんですが、
1年前は、
書店の前を通るたびに見掛けていた気がします。

ではなぜ、
斎藤幸平さんの言葉は、
それほどまでに人を惹きつけたのか?

パート1で紹介させていただいた成田悠輔さんとはうって変わって、
斎藤さんへの知識がゼロベースの状態で、
その魅力を『天才たちの未来予測図』で見出していきたいと思います!

◇斎藤幸平さんの主張ー資本主義が正解ではないー

斎藤幸平さんが『天才たちの未来予測図』で、
主に主張している内容はコチラです!

「資本主義が正解ではない」

資本主義の恩恵を受けに受けまくっている投資家や実業家の皆さんからしたら、
「コイツ、気でも狂ったんか?」と思われかねない主張ですね。
実業家のホリエモンこと堀江さんが聞いたらボロクソ言いそうですね。

しかし、
斎藤さんの主張である「資本主義が正解ではない」というのは、
現在の資本主義が原因で起こっている問題を考えると、
あながち無下にすることができません。

というのも、
資本主義における経済活動では、

「格差」と「環境問題」の二つが非常に大きな問題である

という旨の内容を、
斎藤さんは本参考文献で述べています。

「格差」と「環境問題」、
世界中で「SDGs」の風潮が高まっている昨今では、
どちらもとても重要なキーワードです。

確かに、
アメリカを中心とする資本主義社会の国々では、
富を持つものはその富を用いて益々富を築き、
富を持たないものは富を蓄えるのに苦労を強いられている。

そして、
その蓄財ゲームにおける産業開発で、
膨大な量の二酸化炭素を排出してしまうことが、
環境破壊につながってしまう。

そのような旨のニュースは、
テレビやネットを見ていると、
確かに流れてくることがあります。

それを受けて斎藤さんは、
『天才たちの未来予測図』で、
次のように述べています。

 これは私が目指す社会とはまったく違うものです。ソ連が崩壊し、資本主義が地球環境を破壊している今だからこそ、私たちは改めて、資本主義の問題点を解決するために、マルクスに立ち返るべきなのです。

『天才たちの未来予測図』P.73-74から引用

だからこそ斎藤さんは、

「マルクスの唱えた本当のコミュニズムへ立ち返るべき」

ということを、
本参考文献や著書『人新生の「資本論」』で述べています。

◇天才の視点ー今までの共産主義は偽物ー

この「コミュニズム」という考え方ですが、
英語なのでいまいちピンとこないかもしれませんが、
日本語にすると次のこの言葉になります。

「共産主義」
(※『天才たちの未来予測図』の中では「社会主義」と紹介されており、本来の言葉の意味に相違してしまうかもしれないが、一般の方は「共産主義」の方が理解しやすいかと思い、こちらの言葉を使用)

正直、
この言葉を聞いて、
「斎藤幸平さんて、ヤバい人なんとちゃうか」
と感じた方がいるかもしれません。

確かに、
共産主義国家と聞いて出てくる国々は、
現在ウクライナと戦争中のロシアや隣国の中国、
そして、
ロシアの前身であるソ連などの国々です。

この共産主義国家のイメージは、
民主主義国家で育った私たちの価値観からすると、
ちょっとおそロシア的な存在の国々だと感じざるを得ません。

では、
斎藤さんの唱えた
「マルクスの唱えた本当のコミュニズムへ立ち返るべき」という主張は、
このロシアや中国、
はたまたソ連のような国々を目指すべき!という主張なのでしょうか。

それが、
どうやら違うようなんですね。

というのも、
そもそもソ連を筆頭にした共産主義国家は、

「マルクスが理想としていたコミュニズムを実現できていなかった」

という主張を、
斎藤さんは本参考文献内で述べています。

ソ連やロシア、
中国などは、
共産主義を謳いながらも、
その実やっていることは資本主義と同じです。

ロシアは、
原油などの資源や小麦などの農産物を、
政府の息がかかった企業が他国に売って利益を得ていますし、
中国は、
ファーウェイやアリババなどのメガテック企業を、
政府主導でバックアップして利益を得ています。

つまり、
今まで存在したどの共産主義国家も、

「共産主義の皮を被った資本主義国家でしかなかった」

ということです。

国の経済の主導が、
資本主義国家では会社の株主か、
共産主義国家では政府の官僚か、
という違いでしかありません。
どちらも富の追求に重みを置いていることは、
間違いありません。

◇天才の未来予測図ー競争から降りられる社会ー

そんな、
今までの共産主義国家を1から10まで全否定している斎藤さんが、
思い描いている未来予測図はコチラです!

「競争から降りられる社会」

日々競争の世界で生きている営業マンからしたら、
「アホくさ」の一言で片付けられてしまいそうな未来予測図ですが、
深く本参考文献を読み解いていくと、
かなり面白い考え方だと思えてきます。

というのも、
現在の資本主義一強の世界では、
「競争」という考え方とは切っても切れない関係性です。

どんな業種や業界に限らず、
日々経営者を悩ませているのは、

利益を上げるためには、
他よりも良い製品・良いサービスを提供しなければならない!

という考え方です。

売れる製品・サービスがあれば、
売れない製品・サービスがあります。
そして、
売れるためには、
競争において他から抜きん出なければいけません。

これは資本主義社会の中で営まれている経済では、
誰も疑いようのない常識です。

ですが、
マルキシストである斎藤さんは、
この資本主義の常識に対して次のように異を唱えています。

「こんなに働かさせられているのはおかしくない?」「何のためのお金なの?」というように、今の生活を見直すことができれば、ブラック企業に入っても抜け出せるかもしれない。
「これは本当に必要なものなの?」と過剰な消費をやめれば、もうちょっと有意義なことに時間とお金を使えるかもしれない。
脱成長」という視点を自分の仕事や人生に取り入れることで、本当の意味で、「豊かさ」を手に入れることができるようになるのです。

『天才たちの未来予測図』P.89-90から引用

本当の「豊かさ」というものは、

熾烈な競争の中に勝ち取ったものではなく、
本当に必要なものを見つけた時に訪れる

これが、
斎藤さんが見据えている真のコミュニズムの本当の価値なのかもしれません。

◆おわりに


いかがでしたでしょうか!

斎藤さんの視点は、
今までどの国も成し得ることができていない、
「真のコミュニズムを実現する」という壮大なテーマです。

そのため、
なんとか頑張ってまとめてみましたが、
全然まとまっている気がしません。

今回のテーマ、難しすぎ。

とはいえ、
この資本主義社会が抱える問題点や、
競争による果てしない利益の追求といった考え方には、
確かに頭を捻りたくなる箇所もあります。

このまま資本主義社会を継続していいのか。
はたまた、
未だかつてどの国も成し得たことのない、
真のコミュニズムを実現する国が現れるのか。

私たち人類の歩みは、
まだまだ続きそうですね。

それでは、
この動画が面白いと感じた方は高評価!
また、
次回の動画を見逃さないように、
チャンネル登録もよろしくお願いします!

では、
次回の動画でお会いしましょう!
またね!👋

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