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薬剤師が解説!口内炎予防•治療の虎の巻【もう悩まない、痛くない】


こんにちは、薬剤師のかずかわです。

今回は、口内炎についてです!

薬局で働いていると、週に何回か必ず口内炎についての相談があります。

・口内炎が痛くて、ご飯も食べれない!
・早く治す方法はないの?
・なんとか予防できる方法はないの?

あまりにも多くの人に聞かれるので、今回は日頃、薬局で質問しづらい方に向けてお伝えしたいと思います。

・もうあの痛い思いをしなくて済むように。
・ご飯を美味しく食べれらるようになる。

そんな記事になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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このように、薬剤師かずかわの健ログ、健noteでは、病気にならないための予防方法について解説していきます。

お好きな予防方法を組み合わせて、みなさん自身の健康を、みなさん自身で自由自在にデザインできるようになること、これが健ログ•健noteの目的です。

•ずっと健康的でいたい!
•この病気にはなりたくない!

などがあれば、ぜひこちらのページからログインして試してみてください。

薬剤師かずかわの健ログ

それでは、早速解説していきます。

口内炎の原因について

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口内炎は、口の中の粘膜の炎症です。

口内炎といっても、実は3種類に分類されるのです。(1)

①ストレスや疲れによって起こるアフタ性
②噛んだりすることで起こる外傷性
③ウイルスによっておこるウイルス性(カンジダ、ヘルペスなど)

アフタ性が最も一般的です。

それ以外にも、ビタミンB群の不足で起こったり、遺伝的になりやすい人もいます。

口内炎の予防 虎の巻

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では、どうやったら予防できるのかを解説していきます。

口内炎にならないに越したことはないですもんね。

ビタミンB12補充療法

これから紹介する研究は、ビタミンB群の一つ、ビタミンB12を補充するものです。

イスラエルのネゲブ・ベングリオン大学で2009年に行われたものです。(2)

18歳以上で2ヶ月に1回以上、口内炎ができてしまう方が対象です。

参加者は、ビタミンB12を1,000μg、舌下で服用するグループ。もしくは、プラセボを舌下で服用するグループに無作為に分けられました。

舌下服用とは、舌の下に薬を入れて服用する方法です。

例えば、映画とかドラマで、胸が痛い人が飲む薬わかりますか?

サスペンスだと、飲むのを邪魔されて、そのまま死んじゃうやつです。

あのタイプの薬が舌下錠。

飲む薬に比べて、吸収が速いので、効き目が速く現れます。

また、ビタミンB12の量も1000μgと多めです。

日本の定める1日の推奨摂取量は、2.4μg。

ただし、腰痛や神経痛で病院の先生から処方してもらえるビタミンB12の薬(メチコバールやメコバラミン)は、1錠500μgを1日3回とか飲んだりするので、それと比較すれば、一般的な量ということになります。

参加者には、1日1回、寝る前に服用してもらい、それを6ヶ月間続けてもらいました。

結果は、次の3点。

①1〜4ヶ月までは、プラセボと差はなし。
②口内炎ができてから、完治するまでの日数が5ヶ月目から短縮。5ヶ月目で約2日、6ヶ月目で約3日の短縮。
③口内炎の数を5〜6ヶ月目で低下させた。平均8個の減少効果。

デメリットとしては、

•効果が現れるまで、5ヶ月かかること。
•ビタミンB12をサプリで飲み続けなければならないこと。

ビタミンB12は、サプリメントで服用する場合は注意が必要。

ビタミンB12のサプリを毎日55μg摂取することで、肺がんになるリスクが約2倍になる研究もあるからです。(3)

個人的に、ビタミンB12を飲み続けなければならないことは、大きなデメリットだと感じます。

ストレス対策

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口内炎で多いアフタ性は、ストレスや疲れが原因でした。

2011年、アメリカのコネチカット大学が口内炎とストレスの関係について調査。(4)

口内炎になりやすい160名の参加者に、1年間、毎週電話で調査を行いました。電話調査では、口内炎の発生状況と1週間のストレスイベントについてを聴きます。

ストレスイベントは、RLCQ(Recent Life Changes Questionnaire)を用いて、点数化されます。

RLCQは、あらかじめ91種類のストレスイベントがリスト化されていて、参加者が一番近いと思うものをリストから選ぶ、というもの。

イベントの度合いにより、点数もついてます。例えば、「最近旅行に行った」は24点。「配偶者の死」は119点、といった具合です。

また、ストレスイベントは、身体的ストレスと精神的に区別されました。激しい運動やケガ、などが身体的ストレス。配偶者の死、友人とのトラブル、などは精神的ストレス、といった具合です。

結果は、次の4つ。

①ストレスイベントがあると7日以内に口内炎発生率が増加した。
②口内炎の持続時間には、影響を与えない。
③ストレスの大きさによって、発生率は変わらない。
④精神的ストレスは、身体的ストレスの約2.5倍も口内炎ができやすかった。

つまり、ストレスの大きさに関わらず、精神的なストレスがあると7日以内に口内炎が発生しやすいということ。

意外だったのが、ストレスイベントの大小には関係ない、ってことです。

「友人との喧嘩」よりも、「配偶者の死」の方が口内炎は出来やすいように思えますが、実際はどちらも変わりなかったのです。

ただし、とてもツラかったことは、何度も何度も思いだしますよね。

この反芻思考(はんすうしこう)を考慮すると、大きなイベント、それが特に精神的ストレスだと口内炎は、より発生しやすくなるのかな、と思います。

つまり、口内炎を予防するには、精神的ストレスを減らすことが重要です。

ストレス対策については、この本を読むのがオススメです。

『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』鈴木裕 著

この本には100個ものストレス対策が収載されています。

ストレス対策は、数が重要です。なぜなら、そのときどきによって使えるストレス対策は違うためです。

例えば、運動。
運動は、身体を動かすことでストレスを発散することができます。

しかし、もし仕事中にストレスを感じたら?
職場で走り回るわけにもいきません。

わかりやすい例だと、みなさんはRPGゲームをやったことありますか?

ドラクエやFFには、道具欄があります。

敵に応じた道具を使って、戦闘を有利に進めることがでしました。

お好きなストレス対策を道具欄に収納しておき、ストレスに応じた道具を使っていく。

さながらRPGのようにストレス対策を使いこなせるようになる本です。

ただ、いくらストレス対策をしても口内炎が早く治るわけではありません。

そこは、潔く薬を使いましょう。

口内炎の治療 虎の巻

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予防については、ストレス対策が一番だとお伝えしました。

では、実際に口内炎になってしまったら。

そんな時にオススメの薬を紹介します。

私がよくオススメしている口内炎の治療薬は、

貼るタイプのやつです。

有効成分であるトリアムシノロンアセトニドは、医療用で使われているものと、全く同じ。

医療用だと、アフタッチ口腔用貼付剤、オルテクサー軟膏、ケナログ軟膏(今はもうありません)など。

使ったことある人もいるのではないでしょうか?

なぜ、貼るタイプなのかというと、軟膏タイプよりも貼るタイプの方が効果が高いからです。

アフタッチ口腔貼付剤が、同じ成分の軟膏(おそらくケナログ)と比較研究したものがあります。(6)

結果は、貼付剤は92%(46/50例)で完治。軟膏タイプは67%(29/43例)でした。

医療用のアフタッチ口腔用貼付剤の試験なので、一般用医薬品であるトラフルダイレクトにそのまま当てはめるわけにはいきません。

でも、成分は同じだし、参考にはなると思います。

なので、軟膏ではなく、貼るタイプのトラフルダイレクトαがオススメです。

貼付した後、1時間は飲食しないようにしてください。薬が身体に吸収される前に流れてしまいます。

以上、口内炎についてでした。

いかがだっでしょうか?

口内炎で苦しむ人の参考になってくれれば、嬉しいです。

今回のオススメ記事はこちら。

大切な会議やプレゼン、面接では大きなプレッシャーがかかりますよね。そんなプレッシャーを和らげるサプリメントがあったので紹介しています。こちらの記事もあわせて読んでみてください。

大切な会議やプレゼン、面接のプレッシャーを和らげるサプリメント【エキナセア】

それでは、また次回もよろしくお願いします!

参考文献

(1)口内炎について知ろう-大正製薬
https://brand.taisho.co.jp/kounaien/knowledge/

(2) Volkov I, Rudoy I, Freud T, Sardal G, Naimer S, Peleg R, Press Y. Effectiveness of vitamin B12 in treating recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Am Board Fam Med. 2009 Jan-Feb;22(1):9-16. doi: 10.3122/jabfm.2009.01.080113. PMID: 19124628.
http://www.jabfm.org/lookup/pmidlookup?view=long&pmid=19124628

(3) Brasky TM, White E, Chen CL. Long-Term, Supplemental, One-Carbon Metabolism-Related Vitamin B Use in Relation to Lung Cancer Risk in the Vitamins and Lifestyle (VITAL) Cohort. J Clin Oncol. 2017 Oct 20;35(30):3440-3448. doi: 10.1200/JCO.2017.72.7735. Epub 2017 Aug 22. PMID: 28829668; PMCID: PMC5648175.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5648175/

(4) Huling LB, Baccaglini L, Choquette L, Feinn RS, Lalla RV. Effect of stressful life events on the onset and duration of recurrent aphthous stomatitis. J Oral Pathol Med. 2012 Feb;41(2):149-52. doi: 10.1111/j.1600-0714.2011.01102.x. Epub 2011 Nov 12. PMID: 22077475; PMCID: PMC3323121.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323121/

(5) アフタッチ口腔用貼付剤25μg インタビューフォーム
https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/2/530258_2399707D1030_2_001_1F.pdf

https://kazukawa.com/echinacea-pressure/

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