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ニューヨーク出張を通して感じたこと

2022年11月。

僕がWealthParkに入社した2019年に開催して以来、実に3年ぶりとなるニューヨークイベントを開催しました。『Connect Value』をテーマに掲げ、WealthParkとお取引のある不動産管理会社様、不動産テック企業様などをお招きし、参加者同士が、そして日本とUSが繋がることで、新たな価値を創出することを目的として、延べ80名近いメンバーでニューヨークの地に行ってきました。

本来であればビジネス側の方々が中心となるイベントにはなるのですが、大変ありがたいことに、人事である僕も同行をさせて頂ける機会をいただけました。イベント成就に向け準備に携わっていただいた数多くの方々への感謝と敬意も込めて、ニューヨークの地で何を感じ、何を学ぶことができるのか。僕なりに持ち帰れるものはあるのではないか。ずっと想いを巡らせニューヨークで過ごしていたせいか、想定外の事象も含めて色々な出来事と相対することができたので、それをnoteに綴ってみようと思います。

大きく3つのアジェンダを先に伝えておきますので、興味のある内容をお読みいただければと思います。

1、ニューヨークの日常を肌で感じて思ったこと
ニューヨークの街並み、そこで暮らす現地の人々などに触れて、日本のそれと何が違ったのか。僕がリアルに感じたことをお話します。

2、緊急対応時に感じた「Responsibility」の本質的な意味合い
とあるインシデントが発生し、その対応のフォローをした際に感じた日本とグローバルにおける「当たり前基準」のGAPについてお話します。

3、「Customer Centric」の自分なりの解釈
WealthParkで掲げるBehavior Identityの一丁目一番地である「Customer Centric」とは具体的にどういうことなのかを学び、自分なりの解釈として昇華できたので、それについてお話します。


1、ニューヨークの日常を肌で感じて思ったこと

「何より楽しんで、そして世界観を広げてもらえれば」
代表の川田から出発前に頂けたメッセージを胸に、いざ13時間のフライトを経てニューヨークに初上陸しました。

普段から飛行機移動などの長距離移動に慣れている人であればなんてことはないと思うのですが、同じ座席に13時間すわりっぱなしというのは本当に辛かったです笑
また、これは後から知ったのですが、時差ボケ(一般的には5時間くらいの時差があると症状として出てくるようです)を防止するためには機内食を提供されたタイミングでしっかりと取ることが大事なようです。
体内の食生活のリズムが現地時間に近づき、症状の解消に繋がるのだとか。
僕はこれを完全に無視して過ごしてしまったので現地到着した日は本当につらかったです。地味に大事なTipsだと思うので知らない方は是非参考にされてください。

さて、そんなこんなでニューヨークに無事到着。人生で初のニューヨークです。

写真を見て頂いても分かる通り、とにかく建物が高い!景色に圧倒されるとともに、首が疲れました笑

あと街を歩いているときに感じたのですが、クラクションを積極的に使う印象が強く(至る所でブーブー鳴っている)、聞いてみると「使えるものはなんでも使う」というのがデフォルトの文化であるから、とのことでした。日本人は性質上、その場の空気を読むことや調和を大事にしていて控えめな性格がマジョリティだと思うのですが、こっちの人は積極的に自己主張していくってことなんだな、と改めて感じてみたり。

そして、とにかく物価が高い。

ペットボトルの水一本がだいたい3~4ドル、写真上部のトーストセット25ドル、左下のピザ1切れ20ドル、右下のホットドッグが15ドル(だいたい1ドル140~150円くらいだったので、なかなかのお値段になりますよね)

日中自由に行動できる時間ができた時は一人で出歩いてみたりしたのですが、日本人はおろかアジア人とすれ違うことはほとんどなかったです。

それもあってか、より臨場感をもって日本ではない「あっち側に立つ」ということが実感できました。ご存知の通り、WealthParkは社内の半数が外国籍で構成される組織のため、「ああ、うちで働く社員も普段はこれに近い感覚なんだろうな」ということを追体験できたのは、とてもプラスでした。
改めて、片側からの景色だけではなく、両側を見ることでしか分からないことはあるし、相手の立場に立つってこういう事だよな、と実感しました。

ちなみに、その他に感じたことをざっと挙げると
・基本的に信号無視がデフォルト。赤信号でもみんな普通に渡る
・水が硬水なので、髪を洗っても基本ぱさぱさになりがち
・紳士が多い。扉とか最初に開けた人が最後まで押さえてくれている

良くも悪くも、人が違えば文化が違う。
コロナということもあり久方ぶりに国境を越えましたが、改めてそうしたことを実感した日々でした。

最後に、特に印象出来たった場所を写真で共有します。

左上はSmallsというJazz bar。最前列で生の演奏が聞けて一気にJazzファンになりました。
右上は夜のタイムズスクエア。ここは昼間も夜もずっと人込みでいっぱいでした。
左下はパストラミサンドがもっとも有名なお店。1つ食べるのが精いっぱい。
右下はハドソン川の夜景。あの映画でも有名な。めちゃくちゃ寒かったけど綺麗でした。

2、緊急対応時に感じた「Responsibility」の本質的な意味合い

現地の様々なイベントにも参加し、移動なども多く発生し、かつ時差ボケで寝不足、という環境も相まってアテンドするお客様がパスポートを落としてしまう、という緊急事態が発生しました。
すぐにネットでもどういった手順でどこに対してどういった手続きしていけばいいのかを調べてみると、どうやら警察署と日本領事館それぞれに対して手続きをして一時渡航書を発行してもらう、ということが必要だと判明しました。また手続き依頼をしてから発効までに3日は要するとのことで、帰国までの日数を逆算すると1日たりとも無駄にできない状況であることが分かりました。
事態を把握し対応を開始したのが深夜0時を回っていたのですが、今日できることはやっておこう、ということでまずはNYPDへ行って紛失届を提出に行きました。マンハッタンの中心地とはいえ、深夜のニューヨークの街は真っ暗で、歩くのはそれなりに恐怖も感じましたが、無事に手続きも完了し、その日はホテルへ戻り就寝しました。

翌日。

改めてNYPDへいって昨日の手続きをもとに、紛失証明書をもらおうとすると、ここで事件が発生します。

「そもそも届出の受理はしていないので証明書を発行することはできない」

状況が呑み込めず混乱する僕たちをよそに、まずは日本領事館へ行ってパスポートをなくしたことを伝えること、そして封がされている証明書を貰いそれを警察署に提出することを淡々と言われました。(理由は、僕らがパスポートを落とした、という嘘をついている可能性もあるので、受理するには領事館の証明が必要だから、とのこと)

「「いや、昨夜対応してくれた人は確かに受理したって言ってたのに。対応が適当すぎるだろ!!」」

ほぼ心の声はその場に出ていましたが、泣こうが喚こうができないものはできない。気持ちを切り替えて、すぐに日本領事館へ行きその証明書をもらいに行きました。

ここで、さらに追い打ちをかけるようなことが発生します。

一時渡航書の発行には戸籍謄本が必要だ、とのこと。PDFでもいいみたいなのですが、本籍が地方にあるとのことで、家族に頼むにしても取得するのがそれなりに困難な状況となり、残り時間を考えると絶望的な状況であることが分かりました。

それでも諦めずに何とか取得に向けてご家族への調整に勤しみつつ、再度NYPDへ戻り手続きをしている際に、ふとあることが頭をよぎります。

「本当に戸籍謄本が必要なの?住民票ではだめな理由ってなんだろうね」

日本領事館へ連絡すると「大丈夫ですよ」とあっけらかんとした回答が。

「「いや、さっき日本領事館で対応してくれた人、そんなこと一言も言ってくれなかったし。普通に考えて住民票のほうが簡単に取得できるし、そっちを先に言うやろ」」

そんなこんなで無事に一時渡航書の発行も完了したのですが、この一連の行動をサポートさせていただき思ったことがあります。

結果責任は自分が負うしかない、ということ。

そして、同時に日本は良くも悪くも、当たり前基準がとても高いのだな、と実感しました。大抵のことは仕組みや制度、ルール、役割の中で何とかしてくれるし、実際に何とかなることが多いし、最終的な責任まで負ってくれるケースが多いように感じます。

一方で、例えば今回のケースでは、「この人がこう言っていたから」とか「この人は大丈夫と言っていたから」と、どんなに言ったところで手続きがなされない限りは帰国はできないし、誰もそれに対する責任は負ってくれない(負ってくれない、という表現はちょっと語弊がありますが、そもそも落としたのはこちら側なので、その責任自体はこちらにあるので、その事実はどこまでいっても変わらない、ということ)

繰り返しですが、ものごとの「結果」に対する「責任」は常に自分自身にあるということだし、その為に何を知識として知っておく必要があるのか、何を備えておく必要があるのか、何を信じて、何を期待して、何を任せるべきなのか。すべて自分自身で判断して決めて行動する、ということの重さ、大切さを改めて認識させられる出来事でした。

3、「Customer Centric」の自分なりの解釈

あまりニューヨークそのものとは関係がないのですが、改めて「Customer Centric」つまり、顧客を常に中心にして考え行動する、というBehavior Identity(WealthParkの行動指針)について考えさせられるシーンがあったの共有したいと思います。

冒頭にも記載したとおり、今回のニューヨークイベントは、WealthParkで関わるお客様を述べ60名上お連れしてのイベントだったため、連日入念な打ち合わせのもと、最大限お客様にとって意義のある、そして何よりも楽しんでいただく場を提供すべく抜かりない準備をしてました。しかし、どんなに準備をしようとも思いもよらないことが起きるのがリアルイベントの醍醐味でもあります。

さきほどのパスポートの件もまさにそうですが、今回は翌日のお客様のアテンドに関して、急なスケジュールの変更などもあり、誰がいつまでに何をするか、ということが決めきれないままにボールが宙に浮いてしまうことがありました。それに気づいたのは、深夜2時過ぎ。それぞれがお客様との会食などもあり、ほとんどのプロジェクトメンバーは床についている状態で、実質僕ともう一名のメンバーしか対応できる人はいない状況でした。

会食も終わり最後にもう一杯だけ、ということでニューヨークの街でお酒を飲んだ帰り道、ふと「明日のロジってまだ決めれてないですよね、これどうしましょう」というニュアンスのことを僕が口にしたのですが、一緒にいたメンバーはそんな僕の発言に対して「どうしましょうではなくて、そんなの自分で考えて決めてくれよ」というやり取りに発展しました(これは完全に連日の疲れとお酒が入っていたこともあったので、普通の状態ならもっと冷静なやり取りができたのでしょうが笑)

「「言い方はさておき、メンバーが僕に言ったことは至極当然であり、まっとうだ」」

両者ともやや感情的なやり取りにはなってしまったのですが、思いのほか僕の頭は冷静に働いていました。

ちなみに、僕のその時のもう一方の感情としては

・そもそも個人の判断で勝手に判断して誤った対応をしたくないので、正しい対応を相談したかった
・プロマネ的な立場ではなく、調整系の役割が主だったので、出張ったことはあまりすべきではないと考えていた

別に明確にJDが定義されていたわけではないのですが、なんとなくの役回りから僕は僕自身の役割に制限をかけてしまっていたわけで、そもそもの僕自身のキャラクターとしても「調和」「バランス」「波風は立てずにできる限り穏便に進めたい」といったものがベースにあることも要因にあると思います。中立的な立場を取ろうとする、良くも悪くも全体の和を大事にしがちなスタンスが結果として実は一番中途半端だと瞬時に理解しました。

繰り返しですが、その時はもう深夜の2時過ぎ、プロジェクトメンバーの大半は就寝しており、僕らで判断して決めるしかなかったのです。

「居ない者をあてにするな!今は残った者でやれることをやるだけだろ!」そんなフレーズが頭を過りました。

「シン・ゴジラ」より抜粋

「Customer Centric」とは顧客を中心にして考えて個々の役割の中で正しい対応をする、ではない。
常に全員でスクラムを組んで最善を尽くす、ということだ。
そして、その結果を全員で受け止めて次の最善へと繋げる。
この繰り返しなのだ、と。

Behavior Identityには、「Go Beyond」という越境志向に近い指針も定義されているのですが、上述した「Customer Centric」と常にセットで考え、実際の行動に移すことが真の解釈に近しいのだと思います。

一方で、今のWealthParkは組織も超拡大期にあり、一気に3桁の壁も超えたこともあり、何かと形式知(JDとか役割期待とか)にしてくことも大事で、今こそこれらのBehavior Identityをより高い解釈として組織にインプリしないと、あるべきと実態がただただコンフリしてしまうな、とも感じています。

あと、これは余談ですが、顧客への最善ってそれぞれがそれぞれの立場において考えることは違うし、全部が一緒にはならないのが常だとも思います。

なので、その最善を議論するうえでのコンフリクトはあって当然だし、それを恐れないこと、そしてそれを受け止め合う姿勢、スタンスは必要不可欠だとも思います。

いわゆる心理的安全性ってやつですね。ずいぶん前に僕もnoteに書いてました。

こういう意味合いのBehaviorIdentityも今後付け加えたいな、と思いつつ事業と組織フェーズも相まって、アップデートをする時期なのかな、とも思ったり。

改めて、WealthParkにいるいちメンバーとしての在り方について考えさせられる出来事だったので共有させて頂きました。

最後に

一連の経験を通じて、果たして僕の世界観は広がったのか、はたまた広い世界を見て気分が大きくなっただけなのか。

いずれにしても、普段は触れることができないようないろんなものに触れて、その中で本当に自分にとって何が大事なのかを考えて、取り入れて、自分自身の世界観をアップデートしていくことこそが、きっと川田が冒頭に伝えてくれた本当の意味なのではないかと解釈しています。

そういう意味では、本当に素晴らしい経験ができたと感じています。
また来年、今年よりももっと大きな形でこのイベントを形にしたいですし、もっと多くの従業員を巻き込めるように人事としてできることをしてみたいと思います。

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