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SDGsが新しい常識になる時代

今回はSDGsについて書きます。SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で「エスディージーズ」と読みます。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサルなものです。

要は「みんな自分のことばかり考えずに人類と地球にとっての全体最適を考えて地球上にある問題を解決していこうぜ!」ということです。

個人も法人も経済活動を通して多くの意思決定をしますが、利益のみを追求するのではなく「持続可能な世界」を実現するためにSDGsの目標を念頭に置いて経済活動及び意思決定していきましょうと。

利益さえ出れば何をしても良い、というのは20世紀的な考えで、今は「企業は社会の公器として社会に貢献をする必要がある」という理念のもとに企業活動をすることが求められる時代になってきています。

例えば、Appleは自社電力を再エネで100%調達するだけではなく、サプライヤーや取引先にも100%再生可能エネルギー化に向けた取り組みに参加することを奨励しています。(下の写真は、クパティーノにあるAppleの新しい本社の17メガワットのオンサイト屋上太陽光パネル設備)カッコいい!日本のビルの屋上にも全部これ設置したらいいのに!

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参考: Apple、 再生可能エネルギーで 世界的に自社の電力を100%調達

この流れは大企業からサプライヤーや取引先企業にまで影響範囲が広がっています。これは新たなムーブメントです。

個人も普段の生活でリサイクルを心がける、ごみの分別を行う、車の利用を控えて公共交通機関を利用する、SDGsを意識した企業の商品を購入しサービスを利用する、ということが常識になってくるでしょう

環境問題だと最近はもう一つ話題になったことがありました。2019年9月23日にニューヨークで開催された「国連気候アクション・サミット2019」におけるスウェーデン人の16歳少女グレタ・トゥーンベリさんの演説は世界中でニュースになりました。「大人に操られいてる」とか「芝居がかっている」などと批判する声もありましたが、彼女の主張している内容はいたってまともです。

要は「大人が未来のこと考えずに金儲けのために環境を壊しまくってるけど、自分たち若者が将来その地球を修復しなければならなくなる。今から大人も環境問題に取り組んで欲しい。」ということですね。正論であり、まともなことを言っています。これに異議を唱える大人が多いことに驚きました。

「持続可能な世界」のために地球規模の問題を優秀な人材が集まるチームがどんどん解決する。スタートアップのエコシステムもそれを後押しし大きな問題を解決するようなチームにお金が集まる。ますます優秀な人材が採用できる。こんな流れが主流になっています。世界中からこんなスタートアップがバコバコ生まれてくると思うとワクワクしますね!

SDGsの17のゴールを見てみましょう。

目標1(貧困):あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
目標2(飢餓):飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
目標3(保健):あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
目標4(教育):すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
目標5(ジェンダー):ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
目標6(水・衛生):すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
目標7(エネルギー):すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
目標8(経済成長と雇用): 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある
人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
目標9(インフラ、産業化、イノベーション):強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
目標10(不平等):各国内及び各国間の不平等を是正する。
目標11(持続可能な都市):包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
目標12(持続可能な生産と消費):持続可能な生産消費形態を確保する。
目標13(気候変動):気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
目標14(海洋資源):持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
目標15(陸上資源):陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
目標16(平和):持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
目標17(実施手段):持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。

これらのうちどれかでも解決できるビジネスモデル思いついた人は起業した方がいいです!

ちなみにSun*は目標1の貧困を目標4の教育で解決できるのではないかと思って取り組んでいます。一石二鳥モデルw
以下の記事でその件について書いています。

上記の大学での教育提供の他にもベトナムの地方の短大でITコースの運営サポートをしたり、地方の高校でプログラミング言語Rubyを週末に教えたりしてきました。

さらに、毎年ベトナムの地方の小学校に毎年寄付を行っています。近年、ベトナムは都市部こそ経済発展して豊かになりましたが、地方はまだまだ貧しい地域がたくさんあります。そのような地域の学校には十分な設備や学習に必要な教材や筆記用具がありません。

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2016年:Lai Châu地方のTà Ngảo 第2小学校

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2017年:Nghệ An地方のNậm Cắn 第2小学校

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2018年:Tỉnh Điện Biên地方のNa Sang 第1小学校
今年も年末に寄付を行う予定です。

上記以外にも様々な取り組みを行っています。

1.  生活に困っている人や家庭に寄付
2.  各病院に入院している貧困層の患者に寄付
3.  ハノイの社会センターに寄付
4.  貧困層の子供に対してイベント開催
5.  社内の困っている社員に寄付する(家族が天災や難病などの理由で高額な医療費が必要など)
6.  毎年1~2回オフィスでボランティア献血を行う

こういう活動を会社を設立した初期のころからやっていました。会社の空いているスペースで献血できる日を設定したり、とにかくできることから人助けをしていこうということがこの国の人たちは自然にやっています。

僕はベトナムに2010年から住んでいますが、困ったときはいつも多くのベトナム人の友人知人が助けてくれました。日本人の同僚がバイタクで事故って大怪我したときも多くの通行人が助けてくれました。僕が同僚から連絡をもらって事故現場に駆けつけたときには、すでに警察と救急車を呼んでくれている人がいて、寒いだろうと着ている上着を貸してくれる人がいて、一生懸命通訳してくれている人がいました。そして、救急車で出発するときに誰も見返りを求めませんでした。

このような親切な人に出会うということは珍しいことではありません。長くベトナムに住んでいる人は少なからず経験していることと思います。

この国の人は人助けをするということが自然にできる人たちです。日本人だと他人に親切にするときに「おせっかいかな」「偽善と思われるかな」「親切心を踏みにじられるかも」とか考えることが多々ありますが、この国の人は迷わずに助けてくれます。

このように困ったときは助け合うことを常識だと思っている人が多く住んでいるこの国は世界から尊敬され偉大な国になるだろうと僕は確信しています。

SDGsが掲げるゴールを達成し「持続可能な世界」になるには、みんなが当たり前のように他人に親切に接し、当たり前のように地球の課題を解決するために行動することが重要です。

これらを解決するためのスタートアップが出てくるとしたら、ベトナムのような新興国から出てくる可能性は高い。先進国よりもより多くの問題に直面しているので、若い人も自分ごととしてSDGsのゴールに共感できるからです。

楽しみですね。日本人ももっとベトナムに移住したらいいよ!

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