〈読書〉月の立つ林で
・月の立つ林で 著者:青山美智子
『月の立つ林で』は、ポッドキャスト『ツキない話』を聴く人たちが主人公。
各章の語り手となる主人公は、章ごとに異なります。
ポッドキャスト『ツキない話』の配信者は、タケトリ・オキナです。
各章の内容を簡単に説明しますね。
『誰かの朝』の主人公は、41歳実家暮らしの看護師。
仕事に行き詰まり、病院を退職して、医療関係以外の仕事を探していますが、上手くいっていません。
お隣の猫・ルナをあずかっている時に出会ったのは、ハンドメイドの指輪。
主人公は、指輪の作者とのメールのやり取りをしたり、ルナの飼い主と話すことで、再び自分ができることを始めようと思い始めます。
『レゴリス』には、配達員をしながら、細々とピン芸人を続ける30歳の男性が登場します。
彼は、なかなか自分に自信が持てずにいます。
しかし、劇団員をしている元相方や、帰省中に家族や中学校の先生をしている同級生と再会していくうちに、自信を取りもどしていきます。
『お天道様』の主人公は、50台後半の男性。
彼は、東京で二輪車の整備工場を経営しています。
一人娘が結婚して、福岡に行ったのが寂しくて、気に入らない様子です。
しかし、出産した娘やその夫の気持ちに気づき、新しい生活に喜びを感じ始めます。
『ウミガメ』は、母親から自立することを目指す女子高生の話。
スクーターを購入したり、同級生の男子の内職を手伝ったりするうちに、人の優しさや弱さに触れる経験をします。
その経験が、主人公を成長させる話です。
『針金』は、ハンドメイドのアクセサリーを販売する女性が主人公です。
ハンドメイドアクセサリーに関心がない夫や、義母に不満があります。
しかし、切り絵作家の女性と出会い、話しをすることで、少し考えが変化していきす。
そして、夫や義母に助けられている自分に気づきます。
物事が上手くいっていない時は、周囲の人の気持ちが見えないものですね。
自分は孤独で、周囲の人に全く理解されていないと、思い込んでしまうこともあります。
何かにつまずいているとき、上手くいかない時は、身近な人との関係を見直してみるといいのかもしれません。
『月の立つ林で』は、人の優しさや誠実さを思い出させてくれる物語です。
こちらも青山美智子さんの著作です↓↓↓
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私K.Kからのごあいさつです↓↓↓
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