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ロン・ウッド

今日はフェイセズ、ジェフ・ベック・グループ、そしてローリング・ストーンズで今もなお活躍しているロン・ウッドの過去のソロ・ライブのお話です。

ニューヨークに92年にやって来てそれから半年ぐらい経って、マンハッタンの53丁目ぐらいにあったRitzというライブハウスでロン・ウッドのライブを見た。キャパは300人ぐらいで、こんな所であのロン・ウッドを見れるのか!という感じ。立ち見でギュウギュウ詰め。ロンがステージに現れた。ベロンベロンだ。でもギターをガーんと鳴らすとそんな事関係ない。おおこれがロックか!という感じ。ショウが始まったと同時に観客は一斉にマリファナに火を付ける。自分で持っていってなくても普通に回ってくる。「おおこれがアメリカのロックコンサートのノリか!」最初は圧倒された。が、ここに来ている連中の99パーセントがただのストーンズファン。ロンのソロの曲など一曲も知らない。せいぜい2、3割の人間がFACESの曲を少し知っているだけだ。オレは日本に居る時からロンのアルバムは全部持っていたし、丁度その頃新譜で出た「SLIDE ON THIS」も死ぬほど聞いていた。知らない曲ばかりで唖然としている観客の中でオレは各曲を口づさみながら、全開で踊りまくっていた。草の影響もあるだろう。次第に周りの目がオレに向けられ始めた。「おい、このアジア人、何で全部の曲知ってるんだ!」「お前凄いな!」だんだんリスペクトが送られてくる。オレからすれば「え?お前らこの曲知らないの?じゃあなんでここに居るんだよ。」という感じで、お構いなく踊りまくった。でも後半はストーンズの曲などやって皆んなが楽しめる構成だったのではないか。「キースを出せよ!」と叫ぶ人も少なくなかった。このRitz、今は亡きジョニー・ウィンターのトリオを見る事が出来た。そしてその前座はなんと弟のエドガー・ウィンター・グループ、ドラムはあのカーマイン・アピスだ。
いやー、いい時代だった。

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