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二羽の飛翔

空高く
旋回する
二つの命

風を受け
高くとべ

微笑んで
風になれ

⭐︎

神社の境内で空を見上げると、一羽のトビが飛んできました。

ふうわりと風を受け、優雅に弧を描く。

わぁ。氣持ちよさそう!

いいなぁ、と見上げていたら、わたしの頭上を旋回し始めました。

おおお!

ときめきが高まる中、どこからかもう一羽視界にすうっと入ってきました。

羽を広げて優雅に舞う姿は一羽でも十分に美しかったけれど、互いに適度に距離を保ちながら、響きあい自在に空を旋回するさまは、互いを大切な存在であると認識しているように見えた。

わたしも、あんなふうに風を捕まえたいし、自分以外の存在と美しく響きあって生きていきたい。

見上げると、二羽のタカが空高く舞っていた。(中略)突然、一羽のタカが空を突っ切って、もう一羽のタカを襲った。

小説「アルケミスト」では、二羽の飛翔は敵が攻めてくるという前兆だったけれど、わたしのみたそれは、まだ知らぬ存在との美しい響きあいが始まる前兆だと思った。

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翌日は、太極拳のクラス。

先生との套路中、優雅なトビの飛翔を思い出す。大らかに広げた体で見えない風を感じてみたら、ないはずの風が体の関節という関節を巡り、わたしを軽くしてくれるようだった。

近頃ではエアコンの効いた室内の床に転がって体を解したり、ヨガ的なアプローチでしか体をうごかしていなかったけれど、そうしたアプローチの効果を実感。先生の動きとのシンクロはこれまでで一番自然で美しかった。

「氣持ちがいいね〜!」

套路の後、笑顔でわたしに振り返る先生。

トビの飛翔の話をしたら、うんうんと肯く先生。天才肌の先生に話が通じるのはとても嬉しい。

⭐︎

トビなのかタカなのか。わたしが心を奪われた二羽の飛翔を見たのは、一年ぶりに訪れた箱根神社の境内でした。

この神社のここからの眺めがとても好きです。

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早朝のまだ人氣のない時間帯。

久しぶりにゆったりと、神社の境内を散策させていただきました。

そうそう。

トビの飛翔ってほとんど羽を動かさないから凧みたいだなと思っていたら、英語ではトビのことをkiteって言うんだって。

それから、この記事を書くために引用部分を探そうと「アルケミスト」を開いたら、一発で該当部分が開くとか。痺れる瞬間でした(笑)。



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