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人生論note

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どんな髭剃りにも哲学がある —サマセット・モーム『剃刀の刃』より
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親愛なるサムたち

親愛なるサムたち

・確かじゃないけど春かもしれない

・少しずつ元気になってきた、大学には行きたくないけど働きたいなとようやく思えるようになる 

・イライラしている 結局のところ鬱の時にあった悲しみともつかないもっと深いもの(「谷の底」とよく形容していた)がなくなったと思えば、なまじ体力がある分それが怒りや憎しみに転化していそうで、いっそう悲しい 例のあの感情の方が高尚(※要出典)だったのではなかろうか

・友人

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言葉を眼差す理由

同時に音楽を聴く理由でもあるのかもしれない

「ラジオもしくはその他のメディアで、たった今これを聴いている全ての人々へ。

この夏は、どうだった?

日々のニュースは、キツかった?普通だった?何も感じなかった?
あなたは何か知っている?それとも、何も知らない?

素敵な恋人ができた?おおいに結構。

葉山でビーチパーティができなくてつまらなかったけど、そこそこ楽しかった?おおいに結構。

新しい感

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40(-n)℃

40(-n)℃

夏になると免罪符が配られる。
ここ最近は脳みそが沸騰しそうな暑さなので、みんなおかしくなり始めてる。 
それに乗じてこっそりおかしなフリをしても許されるのだ。

水着を着る、スイカを割る、サウナ、大宴会、フェスに行ってみる、パチンコを打つ、花火を見る、花火をする、祭に行く、川辺で話す、釣りをする、船に乗る、路上喫煙、アイスを食べる、昼まで寝る、自転車を買う、クラブに行ってみる、「ざる」か「せいろ」

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ポエティックだったじゃろん

ポエティックだったじゃろん

「みんなもっとことばを大事にしろよ!」と俺は良くブチギレている

「みんな」というのが一体全体誰なのか、俺にはよくわからない

思考はことばの撃鉄によって走り出す、のではないか 無を有たらしめるのはいつだってことばだし、有るものがまるで無いかのように息を潜めるのも、誰も口にしないからである 

ことばは度々空っぽになる リンクが切れて404しか存在しない場所に飛ばされるみたいに。ことばは永遠にみえ

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こういった性格ですので

俺は常々色々な人と話したいと思っている。

とくに飲食店や服屋さんの店員さんと仲良くなりたいという思いが強い。最近否定されがちな「友達100人できるかな」にいまだ囚われているのかもしれない。

しかし大抵うまく行かない。もともと受け身の人間なので、学校などでも気づいたらみんな友達になってくれてたケースがほとんどである。

それはそれでありがたい話であるが、得てして学校は友達を作ることが各々のプラス

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XGはグローバリズムの先を行っているかもしれない

XGはグローバリズムの先を行っているかもしれない

XGというグループが日本人の一部にしか届いていないのは嘆かわしいことだと思う。日本のグループなのに。

もともと「めちゃスゲ〜〜〜〜」と思っていたが、今日アップされた動画で「従来のコンテンツより先に行っている」という認識が確かになってきた。

この動画ではメンバーが先日リリースされた新曲「GRL GVNG」という曲をASLで踊って(というか歌って)いる

ASLというのは(American Sig

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書くことと覚悟と考えること

書くことと覚悟と考えること

タイムスという新宿三丁目の喫茶店によく行く。
今日もそこで優雅にモーニングを食べているわけだが、壁際の席にずらりとおじいちゃんが並んでおり、なにかのスペシャルフォースみたいでカッコいいなとおもった。

さてもう春だ、ウジウジを寒さのせいにはできなくなる。
自分は書くことが得意だと思っているので、書くことにした。
今までいつエンターキーを押すのか、というのが課題であった。100%の自信が満ちてくると

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うーたんが黙って消える世の中に生まれたかった

うーたんが黙って消える世の中に生まれたかった。昔はそうだった気がするし。

気がついたら、今までやっていた番組が終わっていたり、近くの店が閉店していたり(これは今もあるが)、別れになんの前触れもない方が気楽かもしれない。

芸能人が結婚するたびに、または離婚したりするたびに何か発表をしなければならないのは酷だと思い続けてきたが、今ではそういった「お知らせ」が過剰に繁茂しており、俺の「お知らされ」の

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(What’s the Cheap Story) Morning Glory?

(What’s the Cheap Story) Morning Glory?

年明けの少し前に札幌に帰ってきた。
昨日は髪を切った後、友達に連れてもらってススキノのビルの上階にあるクラブに連れて行ってもらい、ほぼ貸し切りの中でスーパーカーや岡村靖幸を聴いてはしゃぎながらお酒を飲んでいた。

気づいたら終電を逃してしまっていた。歩いて家まで帰れる距離だったが、美容室で読んでいたHUNTER×HUNTERがあんまり面白かったせいで、ほぼカップルしかいない深夜のススキノを少し散歩

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ブルース

ブルース

東京ブルースというビールがある。私は飲んだことはないが、前のバイト先でよくはけていた酒だ。

ひとえに、ビールとはブルースであると思う。

東京に来るまで、というか高校を出るまでの十数年間、街の構造が不思議でならなかった。どうしてこんなにも居酒屋が多いのか、なぜ駅前には必ずパチンコ屋があるのか、当時少年であった自分には関係のない施設で街が形作られているという事実は、なんだか街から弾き出されてたよう

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LOD

自分は常々もっと抽象的な話をしてもいいように思っていて、そして今日はそれができそうだからしてみようと思う。

日々は基本的に浮き沈みの連続であって、クロールをするように、息を吸ったり吐いたりしている。落ち込んでいる時は、「ああやさしくなりたいな」「元気で、胆力があればどれほど良いだろうか」と思うのだけれど、実際その元気を取り戻した頃にはそれらが全部速さに置き換わって、おととい考えていたことなんか置

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G(entry)

G(entry)

先日、出かけようと玄関のドアを開けるとAmazonの箱がドアの横に無造作に置いてあった。ずっと家にいたのに配達があったことに全く気付かなかったから少々拍子抜けし、玄関の中に運び込むと黒い影が一瞬足元を駆け抜けていった。

そいつはゼンマイ式のミニカーのような動きで俺の汚い部屋の奥へ奥へと進みたがり、勝手にルームツアーを始めたので腹が立ってきたが、物理的に潰すのも嫌だな、と思い狼狽していた。なんか死

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純喫茶論

純喫茶論

※この記事は『ENJI2021年 冬号』のために寄稿した文章と写真を再編集したものになります。

村上春樹の「1973年のピンボール」およびその続編には「ジェイズ・バー」という店が出てくる。主人公とその友人・鼠が通うその店は、ジェイという謎の男が切り盛りしている。彼らは漠然とした孤独や不安、悲しみを持ち寄り、バーカウンターで取り留めのない話をしたり、ビールを飲んだりして時間を過ごし、また日常に帰っ

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狸小路

狸小路

明後日札幌を発つ

今日は最後に大好きな商店街を一往復してきた

ここ最近で一番気持ちの良い風が控えめに吹いていて、札幌でもようやく春が支度を始めたような気がする。

狸小路は全長1キロ弱、1丁目から7丁目まであるアーケード街である。今年で148周年らしい

俺はここが大好きなのと、空いた電車に乗れるからという理由で普段降りるべき駅を一つ飛ばして大通りで降り、狸小路までの地下街を歩いて毎日下校して

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