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40(-n)℃

夏になると免罪符が配られる。
ここ最近は脳みそが沸騰しそうな暑さなので、みんなおかしくなり始めてる。 
それに乗じてこっそりおかしなフリをしても許されるのだ。

水着を着る、スイカを割る、サウナ、大宴会、フェスに行ってみる、パチンコを打つ、花火を見る、花火をする、祭に行く、川辺で話す、釣りをする、船に乗る、路上喫煙、アイスを食べる、昼まで寝る、自転車を買う、クラブに行ってみる、「ざる」か「せいろ」を食べる、あの子とキスする、ホラー映画を撮る、ゲームセンターで遊ぶ、バンドをやる、バスに乗る、夜中歩いてみる、DJをしてみる、写真を撮る、ドラッグをやる、カモメをみる、サンダルで出かける、古い建物を見る、坂を下る、ミントを食べる、窓を開ける、耳をかく、路面電車に乗る、ジャズを聴く、コーヒーを飲む、おばあちゃんと喋る、プールに行く、大声を出してみる、土を掘る、ジグソーパズルを買う、ヤンキーと友達になる、坂を上る、小説を読む、キャンプに行く、ファミコンをする、人を殺す、皿を洗う、ラーメンを食べる 等々

「夏に」とつくと、心なしかイメージにツヤが出る気がする。言葉が汗ばんでいるせいか、はたまた暑さで俺の頭がおかしいのか。

全部やってもいいような気になる、し、何もかもが輝いてしまうような気にもなる。困ったな

夏の魔物というものは、何かをする我々の肩に誰彼構わず手を乗せてくる図々しい奴であって、なにも君たちのセックスを応援してくれる人ではない。と思う。

というわけで魔物のせいで久々にサウナに行った。

サウナにいるおじさん達はみんな暑くなったり寒くなったりして、最終的におかしくなっちゃいに来ている。お酒を飲んで、ととのって、トランスに入らないとやって行けない世の中らしい。

暑さは我々をおかしくしてるというよりはむしろ、正しくしてくれてるのかもしれない。
紙は華氏451度で燃えるが、建前はもう少し低温で自然発火する。 でもこんなこと言ってもしょうがない。そうめんを食って寝よう。

「Hello kids!! 君はもうたっぷり夏の魔物捕まえた?」という陽気な声に、また後ろめたさを感じる9月まであと数日。札幌からとっくに夏はいなくなった。


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