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泣きたい時に読む小説「私が描く君色の軌跡」vol.2


前回のお話 ↓


第1章 春樹との出会い


母が家を出てから、もうすぐ1年になる。私は北鎌倉高校の2年生に進級し、日々を送っている。クラスメイトの女の子達が、私の周りでにぎやかにおしゃべりをしている。

「さくらちゃん、そろそろ好きな人でるんじゃないの?」

「えっと、いや...まだいないかなぁ」

恋愛の話はあまり得意ではない。その理由をクラスの子には言えない。母の不在で、父と2人暮らしになってからというもの、家事と勉強、そして絵を描くことで手一杯だからだ。

「鈴木くんならいいんじゃない?水泳部のエースで可愛いし」

「うーん...」と私は胸の内を温める。本当は誰でもいい。ただ、絵を一緒に楽しめる人がいいなと思っている。

そんな折、担任の先生が1人の男子生徒をクラスに紹介してきた。

「本日から転校生が我がクラスに入ることになった。皆、仲良くあげてくれ。佐藤君、自己紹介を」

眼鏡をかけた痩せ型の男子が、どこか虚弱そうに名乗りを上げる。

「佐藤春樹です。体調が良くないことが多いですが、皆さんと仲良くしたいです」

物静かな印象だ。その日の昼休み、春樹は教室にこもっていた。私は昼食を抱え、彼のとなりに座った。

「私は石井さくら。よろしくね」

「春樹くんは体調がよくないんだって?大丈夫?」

私が心配そうに訊くと、春樹は苦笑した。

「うん、生まれつき心臓が弱くてね。入退院を繰り返しているんだ」

そう言って彼が本を広げる。すると、中に1枚の絵が見えた。

「へぇ...誰が描いたの?上手いね」

「好きな画家の絵なんだ。この世界観が好きでね」

春樹は嬉しそうに絵を見ている。私はその表情が新鮮で、自然と話しかけてしまった。

「じゃあさくら、春樹くんに自分の描いた絵を見せてあげる。美術部に所属しているの」

「本当に!?すごく嬉しい」

その日から、春樹とは絵を通じて打ち解け合っていった。当初は春樹の病気を気遣い過ぎないようにしていたが、彼の前向きな性格に徐々に惹かれていった。

春樹もまた、私の描く絵が大好きだと言ってくれる。少しずつ距離が近づき、大切な存在になっていった――。



そんなある日のこと。春樹が例のごとく私の絵を見守っていると、突然彼は苦しそうに顔を歪めた。

「春樹くん、大丈夫!?」

私が慌てて駆け寄ると、春樹は膝をついていた。激しい動悸と胸の痛みに襲われているらしい。 私はすぐに担任に駆けつけてもらい、春樹は保健室へ運ばれた。

その日以来、春樹の容体が思わしくなく、入院することになってしまった。面会に訪れると、主治医から衝撃の事実を知らされる。春樹の病状がかなり進行しているというのだ。

「これ以上放置すると、半年以内に心不全で亡くなる可能性が...」

医者の言葉に、私は胸が締め付けられる思いだった。


「うそ...うそでしょ...」


そう言う私に、医者が言う。

「治療する方法はある。臓器移植か、バチスタ手術という難しい手術をする必要があるんだ」

彼の病気は拡張型心筋症という病気らしい。詳しくはよくわからない。


「じゃあそれをすれば春樹くんは助かるんでしょ!?早くして!」


私は医者に必死で訴える。すると医者は残念な表情で首を振った。



「それが問題なんだ...」


泣きたい時に読む小説「私の描く君の軌跡」vol.2
第2章 さくらの決意 へ続く…

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