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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト」No.8


前回のお話 ↓


その日、塾近くのカフェで待ち合わせをした。

ドキドキしながら店内を見回すと、佐久間君が控えめに手を上げてくれた。

「シュナ...さん?」

「サクヤ」

思わずお互いゲーム上の名前で呼び合う。

久しぶりの再会に、胸がときめく。

「ごめんなさい...本当に申し訳ありませんでした」

謝罪する佐久間君の姿に、怒りという感情はなかった。

「いいのよ。佐久間君が会いたいって言ってくれただけで、うれしくて」

「ありがとうございます。これからはずっとお側にいさせてください」

「うん!」

改めてお互いの気持ちが通じ合った瞬間だった。

「でも、ひとつだけ教えて」

「はい、なんでしょう?」

「彼女ができたって?関係をリセットってどういう...」

さすがにそこははっきりと聞きたかった。

凄く寂しい思いをし、あんなに大好きだったゲームにログインすらできなかった。

そう私が問いかけると、佐久間君は申し訳なさそうな表情で語り出した。

「彼女ができたというのは嘘です。ごめんなさい」

その言葉にわたしはホッと胸を撫でおろす。

「あと、リセットなんですけど...」

「実は母親が倒れまして...」

「えっ」

私は小さく言葉を漏らす。

「あ、もう大丈夫なんですよ」

と続ける彼の言葉に安心した。

「びっくりした。それならいいけど。それで?」

「はい、パニックになってしまって、ゲームしている場合じゃないと思ったんです」

「あと、そんな状態の僕ではシュナさんに迷惑をかけると思いました」

出会った瞬間、思わずお互いをゲーム上の名前で呼び合ってしまったが、こうして本人を目の前にその名前で呼ばれるのに違和感を感じた私。

「あ、ごめん。佐久間君、リアルでは沙羅って呼んで?」

「あ、はい、沙羅さん」

「つまり、パニックになって、私に迷惑をかけないようにって思ったってことね?」

佐久間君は大きく頷く。

ちゃんとした理由があって良かったと思った。内心、本当に彼女が居たらどうしようとも思っていたからだ。

それからというもの、ゲームの中で交際を続けていた。

ある日のゲーム内デート、サクヤが真剣なまなざしで大切な言葉をかけてきた。

「シュナさんがいなかったら、今の僕はなかったと思います。ずっと一緒にいてくれますか?」

「サクヤ!嬉しい!ずっと一緒にいようね!」

そして、お互いの顔が自然と近くにより

初めてのキスをした。


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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト」No.9 へ続く…

続きは ↓


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