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アート作品に大量に触れ、豊かな想像力の世界を広げてきた(本田和秀さんインタビュー①)

本田和秀さんは、大手印刷会社で長く海外駐在員として活躍され、中国・故宮博物院の宝物や紫禁城の建築物を最新のデジタル技術で保存・公開するプロジェクトなど、デジタル技術でアートを保護する事業に長く取り組んでこられました。

そんな本田さんに、ご自身のキャリアとアートとの関わりについて、お話を聞かせていただきました。


私は根っからの「オタク」なんです

「私は子供の頃から『文系オタク』なんです。それは今でも変わっていません」と本田さんはお話を始めてくださいました。

「幼いころから本が好きで、かなりの量を読んでいました。海の生き物や昆虫といった図鑑も大好きでしたし、歴史も大好きでした。その一方で、物心ついたときには鉄腕アトムが、幼稚園のときにウルトラマンが、小学校のときには仮面ライダーや宇宙戦艦ヤマトが始まり、少年ジャンプ等の漫画誌も小学校のときに創刊され・・・という世代で、自分の根っこにはアニメ・マンガがあります。今は一緒に働いているベトナムの人たちと『鬼滅の刃』についての会話をするのも楽しいです」

頭の中に一体どれだけのものが詰まっているんだろうというぐらい、次から次へと自分の好きなことを語る本田さんは本当に楽しそうです。本田さんは幼いころから、自分の好きな作品を通して、現実世界とは違う、もう一つの想像力の世界をご自身の中で広げてこられたんだろうなと感じ、聞いている私も楽しくなってしまいます。

「中学に入ると、それに加えて、映画音楽やロックを聴くようになり、LPレコードを買って楽しんでいました。そのまま映画・音楽三昧の大学時代を経て、社会人になってからは、美術館に行ったり、ミュージカルを観たり、コンサートに行ったりするのも好きになり、日本にいても海外にいても行かずにいられません。今まで一体いくら使ったんだろう?(笑)」

私は人が自分の好きなものについて話すのを聞くのが大好きです。皆さん一様に生き生きとした顔をされ、お話が止まらないのを見ていると、その人らしい生き生きとした魅力や生命力を感じて、こちらも元気をもらえます。

ジャンルを問わず、ジャッジせず、「大量消費」する

本田さんのすごいところは、ジャンルを問わず、とにかくいろんな作品を大量に楽しんでいるところです。

「例えば、音楽だったら、ロックとかクラシックとか区別せず、何でも聴きます。全部面白いんです。つまらないと言われている作品でも、世に出ているものにはきっと良いところがあるはずだと思うんです。良いとか悪いとかのジャッジはしませんが、自分にとってどこが引っ掛かるかは考えます。浴びるように大量消費することで、見えてくるものがあると思っています」

確かに、音楽も絵も映画もマンガも、ロックもクラシックもジャズも、人間が創り、人間が表現するものだから、表現方法が違うだけで深いところでつながる普遍性があるのかも知れません。そして、本田さんは桁違いに大量に消費してきたことによって、頭の中にアートの有機的な生態系が広がっているのでしょうか。うーん、羨ましい・・・!

その②「世界は多様であることを知っているから、どこへ行っても面白い」に続きます。

※写真は全て本田さん提供。このページの写真は、世界遺産の敦煌莫高窟(中国)での1コマ。

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