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南オーストラリア州、再エネのみの電力供給が1週間続く

オーストラリアの中央南部に位置する南オーストラリア州ではこの12月、再生可能エネルギーによる供給が1週間前から同州のエネルギー需要を上回った。100平方キロメートル近い面積を持つ州としては、世界初の快挙となる。専門家によると、2023年までにグリーンエネルギーのみで1か月間の供給が賄える可能性もあるという。

2022年12月12日から19日の間、オーストラリアのナショナル・エネルギー・マーケットが示したデータによると、州のエネルギー需要に対して風力と太陽光が平均103.5%の貢献をしている。この間、石炭の使用はなく、夜間に再生可能エネルギーが不足した際には、ガスが電力の5.9%を占めた。

南オーストラリア州は、全国の電力網に接続されており、純エネルギー需要の3%は外から購入している。そして1MW/時の平均コストは26.35豪ドルに低下した。

南オーストラリア州のピーター・マリナウスカス(Peter Malinauskas)首相は、「これは重要なステップだ」と述べ、「オーストラリアの歴史において、このような快挙はこれまで一度も起きていない」と語った。また「7日間にわたってすべてのエネルギー需要を自然エネルギーだけで賄ったのは、私の理解では世界初だ」とその意義を強調した。

「私たちは自然エネルギーをシステムに組み込むことで、エネルギー転換をもたらし、そして電力コストの低減にもつなげられる。」

豪ビクトリア大学でのビクトリア・エネルギー・ポリシー・センター長を務めるブルース・マウンテン(Bruce Mountain)氏もまた、「これは再生可能エネルギーの旅路における新たな一歩だ」と述べた。

マウンテン氏は、「南オーストラリア州と同じような規模の管轄区域ではこれまで、再生可能エネルギーだけでの電力供給を1週間も続けることはできていなかった。今後、多くの地域が、後に続くことを期待する」と述べた。

「大きなマイルストーンとなるのは年間測定としていつ、南オーストラリア州での風力・太陽光の発電量が他の供給源よりも多くなるかだ。おそらく4、5年後にはそうなるのではないか」とマウンテン氏は言う。彼によると南オーストラリア州は、来年初頭までにグリーンエネルギーのみの電力供給を1ヶ月間続けられる見込みだという。「来年3月には、南オーストラリア州で100%に向けた扉が開かれると思う」とマウンテン氏は語った。

1週間の記録達成の背景には、南オーストラリア州マレーランズのマレーブリッジ近郊に、太陽光発電と蓄電池を備えた新しい農場がオープンしたこともある。このウッズ・ポイント発電所は、毎時9,000MWでの太陽光発電を設計しており、この電力量は、毎年1,000軒以上の家庭が利用でき、約1000万トンのCO2が大気に放出されるのを防ぐことができる量だ。

このプロジェクトは、サステナブル・エネルギー・インフラストラクチャー(Sustainable Energy Infrastructure)社と、イェーツ・エレクトリカル・サービス・グループ(Yates Electrical Services Group)が南オーストラリア州で開発している3件の太陽熱貯蔵プロジェクトの1つだ。あとの二つのプロジェクトはポート・ウェイクフィールド(Port Wakefield)とパザウェイ(Padthaway)で開始予定だという。これら3つのプロジェクトでは、必要に応じて毎時3GWのエネルギーをグリッドに貯蔵する。

(引用元)https://www.abc.net.au/news/2022-12-19/renewable-energy-production-hits-new-record-in-sa/101788694?utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_campaign=abc_news_newsmail_am_sfmc&utm_term=&utm_id=1994474&sfmc_id=365048175

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