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読んでいただきありがとうございます。医学論文の査読を専門にしています。 ロシア、イスラエルについても調べています。

マガジン

  • コロナウィルスの発生源について1

    Nobel Corona Virusの発生源については、武漢の市場で広がったという説と、武漢研究所から漏れ出たものだ、という説があり、中国の公式見解は「不明」です。またウィルス自体も、自然由来ウィルスだという説と、遺伝子操作を加えられているという説があります。 最も活発に議論されたのは2020年4月でした。しかし、6月現在、アメリカ、イギリスなど殆どの国のメディアが「武漢の研究所から漏れ出た可能性」を確実視しています。勿論中国は活発な情報戦に挑んでいます。 それでは、どのような議論が行われたのでしょうか。※海外の報道のまとめで推察ではありません。

最近の記事

黒人女性アスリートは、オリンピックで差別されているのか

CNNの「黒人女性アスリートはその成功にも関わらず、未だにオリンピック前に精査されている」 Nichole CHavezによる記事を紹介。 CNNは、ALLSIDESによると、最もリベラルよりに位置するメディアであるが、今回もその特徴が良く現れている。 CNNは今度の東京オリンピックで問題となる3つのインシデントを紹介している。 1 FINA国際水泳連盟は、黒人の縮れてボリュームのある髪に合うスイムキャップの使用を「頭部の形状に沿っていない」という理由で認めなかった。

    • ウィルス起源についての最近の海外報道アップデート

      ウィルス起源説についての報道は、2020年4月ごろまでをピークに減少傾向でしたが、2021年5月ごろから、再び活発化しています。 2021年6月16日時点での主な報道の内容を紹介します。★は研究所流出説、☆は自然発生説を主にサポートしています。 2020年12月 ★米国家安全保障会議(NSC)でアジア上級部長、前大統領副補佐官のマットポッティンガー氏は「発生源がラボからである証拠が増えてきている。」と発言、中国の不透明性を非難しました。 2021年1月 ★ニューヨー

      • 新型コロナウィルスは他のどの動物よりも「人間」に結合しやすい構造を持っていた

        様々な動物のACE2の立体構造を調べるウィルスが人工か、自然発生したものかを多面的に見る為に2020年6月のテクニカルな記事を取り上げます。オーストラリアのフリンダース大学のサクシ ピプラニら6人の研究者の共同研究です。 彼らはコンピュータ上で様々な動物のACE2レセプターを3D画像で立体化する実験をおこないました。(リンク先でとても美しいACE2の立体画像が見られます。) In silico comparison of SARS-CoV-2 spike protein-

        • 新型コロナウィルスの発生源について④原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳その3(ラスト)

          最後の章では、自然発生説と人工説の二つのシナリオをテクニカルに考察します。 二つのシナリオの比較 ①発生場所 最も近い種のコロナウィルスが雲南市の洞窟から見つかり、それが自然発生説の最も重要な根拠になっている。 しかし問題は、パンデミックは1500キロ離れた武漢で起きたという事だ。ホースシューコウモリの行動半径は50キロで、武漢まで移動する事はない。中間宿主との頻回なコンタクトも確認できない。途中で誰も、何も感染させずに突然1500キロジャンプしている。 研究所から

        黒人女性アスリートは、オリンピックで差別されているのか

        • ウィルス起源についての最近の海外報道アップデート

        • 新型コロナウィルスは他のどの動物よりも「人間」に結合しやすい構造を持っていた

        • 新型コロナウィルスの発生源について④原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳その3(ラスト)

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        • コロナウィルスの発生源について1
          1本

        記事

          Dr.ファウチ、アメリカで最も重要な感染症学者はウイルス遺伝子操作研究のサポーターだった

          かなり早い時期からウィルスの遺伝子操作について警鐘をならしていた団体の一つに、遺伝子組み換え食品と殺虫剤に関するニュースを集め監視する団体ニュースのGMウォッチがあります。勿論、医学論文として価値のある記事ではありませんが、意外なほど深いところまで掘り下げて調べているので、面白いので訳を記載します。2020年5月20日のものです。 Wuhan and US scientists used undetectable methods of genetic engineering

          Dr.ファウチ、アメリカで最も重要な感染症学者はウイルス遺伝子操作研究のサポーターだった

          新型コロナウィルスの「人工起源説」と「自然由来説」時系列データ

          そもそも、いつ、誰が人工、自然由来説を発表してきたのか。それをまとめたのがこの時系列データです。また更新します。★は人工説、☆は自然説の主張になります。有名でなくても重要な論文や報道は掲載します。 下線部をクリックすると、情報元のリンクに飛びます。 1 月 30 日 ★インドの研究者チームがコロナウィルスの遺伝子配列を調べ、他のコロナウィルスには一切見られない、四か所の遺伝子フラグメントの挿入箇所を指摘した。そして奇妙な事にその四か所は全て、HIV ウィルスと配列が一致し

          新型コロナウィルスの「人工起源説」と「自然由来説」時系列データ

          新型コロナウィルスの発生源について③原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳その2

          自然発生説に対する疑念 2021年2月に、WHOの調査団が武漢を訪れるまでは、自然発生説はメディアに最も好まれるセオリーでした。調査団の構成人員やアクセスは、中国当局によりきつくコントロールされていました。 どこにでも現れる”ユビキタス”ダスザックを含む調査団のメンバーは、訪問中も訪問後もしきりにラボからの漏出は考えにくいと主張を続けていました。 しかしこの訪問は中国が望んでいたようなプロパガンダの勝利には繋がりませんでした。 明らかになったことは、自然発生説を裏付け

          新型コロナウィルスの発生源について③原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳その2

          新型コロナウィルスの発生源について②原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳

          BASによる自然発生説と研究所漏出説の比較 5月10日に発表された原子力科学者会報(BAS)の記事は世界的に最も有名かつ論点が明確で分かりやすい為、二回に分けて簡単に訳したものを載せます。原著はこちら 発生源について主な仮説は二つあります。一つは動物から人間への自然感染説。もう一つはウィルスはラボから流出したものという説です。 重要な点ですが、現時点では、どちらかと決定できるような証拠はありません。ですから示せるのは結論ではなく、考え方をつけるための道筋です。 201

          新型コロナウィルスの発生源について②原子力科学者会報(BAS)の記事抄訳

          コロナウィルスの発生源について①

          こんにちは。私は医学論文査読を本職にしています、いちごと申します。 コロナウィルスの発生源については様々な意見があるようですが、私なりに調査した記録として残しておこうと思いました。 コロナウィルスの発生源について、武漢の研究所説はまるで陰謀論のように聞こえますが、そうとも言えない、というのが私の判断です。それは以下の理由によります。 ①ウィルスの遺伝子組み換えは技術的に「可能」。Gain of function research といい、シームレスという挿入の痕跡を消す

          コロナウィルスの発生源について①