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高速ベルトコンベアに乗せられて、気がついたらLiBにいた話。

株式会社LiBでコーポレート部門の責任者をしています斧(おの) 佳代子です。

何度かインタビュー記事を書いたことはあるのですが、自分のことを書くのは初めてで・・・。はい、がんばります。

はじめに

私は2021年12月1日にLiBに入社しました。ブログを書く機会をいただいた今、「入社エントリ」を採用候補者向けに書くのが、一番だと思うのですが、シェアされるだろう私のFacebook友達の半分近くは前職のグリーでお世話になった方ばかり。書く内容がどうであれ、元カレに今カレのよさを語るかのような記事を書くのはとっても気が引ける・・・。何よりも私は10年9か月勤めたグリーとそのメンバーが大好きで多大なる恩を感じているのです。

いろいろと考えましたが、読んでほしい対象がずれるほどブログとして寒いものはない。なので、ここは意を決して、LiBに興味のある人に対して、「直近入社した人はどういう理由から?」の答えになるものを書こうと思います。でも、やっぱり心がもぞもぞするので、前職でお世話になった人が「まあ、この経緯だったら斧さんらしいよね。社会のために頑張ってよ。」と思ってもらえることを裏目的に書こうと思います。
※そもそもリブって何の会社?という方は歴史も含め社長のブログをご確認ください。

はじめましてな方向けに、社内向けの自己紹介資料を貼り付け

乗せられた高速ベルトコンベア

当時の在籍部署が採用強化中だったので、「採用のプロに採用市場について聞いてみよう!」と思い立ち、初めてLiBの代表松本と話したのが21年初夏の頃。コロナ禍の採用市場ってどんなかな、とのんきにいろんな話をしながら、私の転職意志を聞く松本に、「あ、私は転職する気、まったくないですね~」と返す私。いろいろと話しているうちに、多分「隙」が松本には見えたんだろうな。突然間をおいて、「じゃあ、うち(LiB)はどうですか?」と松本に明るーい声で切り込まれました。

私:そうですね~(心の声:え、この人、今、私の話、聞いていた?)

松本:とりあえず、ほかの役員に会ってくださいよ。まあ、いいじゃないですか、会うのはタダだし。

もともと人の話を聞くのが好きで、初対面でも何のストレスもない私は、「ま、いっか」と思い次のクエストをこなすことになりました。でも、普段なら自分の任された立場を守るべくそんなことはしないので、きっと何か気になることがあったのだと、今振り返ると思います。

次に出てきたのは、ソニー/DeNA出身近藤。私はパナソニック/グリー出身。「近藤さんは何者なんですか~?」という私の幼稚な質問を受けて、近藤さんは学生時代から今に至るまでの自己紹介を丁寧にしてくれました。近藤は、ほぼ同じ時期に同じ市場にいて、ただただ働く会社が違いました。そんな彼はLiBの戦略を資料で説明してくれて、転職市場で起こる不幸をネット業界の長い私に合わせて「社会のバグ」と表現しました。「ソーシャルゲームから人材業界への転職って、利益構造もまったく異なるけれど気持ち的に平気なものですか?」と尋ねる私に、「ソシャゲで培ったノウハウを社会構造の改善に活かしたいんですよ」とも語ってくれました。何それ、かっこよすぎる。

その後、近藤は私に3冊の本を紹介してくれました。どれもおもしろそうだったので、じゃあ、ゆっくり読んで考えるかと思っていたら、すかさず松本からの連絡。「近藤さんの課題図書を読むのもいいんですけど、次はぜひ中山に会いましょう。」と。また、ベルトコンベアがぐるぐるぐるぐる。

次に現れた中山。自分より年上でベンチャーを渡り歩く女性にあまり出会ったことがなかったので、話をすることをとても楽しみにしてました。なぜベンチャーにいるのか、なぜLiBにいるのかを聞いてみると、「なんか、ベンチャーにいないと成長が止まってしまうように感じるんですよね、私の場合。あと私、お金儲けが大好きなんですよ。そういう仕組みを作るのが楽しいんです。」と言い放つ。すごい、ねえさん、まじでかっこよすぎ。

最後に出てきたのは佐藤。「ほかに会ってみたい人はいますか?」と中山に聞かれたので、「昔からいるレジェンドみたいな人ですかね。」と伝えたら、素敵な笑顔で後光が刺したような佐藤が現れました(多分西日が差し込んでいた影響)。創業メンバーの1人でいろんな葛藤があったと推察していたので、「辛いことはなかったですか?」と聞いてみると、「辛い時はあったかもしれないけど、すべて納得の上だし。辞めたいと思ったこと?一度もないですね。LiBのための判断ですから。」と。

なんてこった、みんなすごいソルジャーたちじゃないか。
なんていうの、たとえて言うなら、映画「アルマゲドン」の宇宙からの帰還者たち、みたいな?

松本によって設置されたベルトコンベアに乗せられた私は、およそ2週間の壮大な旅を終え、そんな感想を持ちました。しかし、松本は、そんな余韻に浸る時間はくれない。また呼び出された私に、松本はこう聞きました。「で、どうします?」と。

「そうですね・・・、とても面白いと思ったので、正式に選考フローに乗せてください!」

2人の間に流れる沈黙・・・。

「え、選考フローって、僕社長だし、もう終わってるんですけど。」

えー、だって、私、ベルトコンベアに乗せられて、目の前の人に質問しただけで、何も私自身のこと聞かれてないんですけど・・・。それでいいんですかぁぁぁ?

なんてことは、心の中で思いながら、「あ、ですよねー。」と回答。そんな感じで、私のLiBへの門は開かれたのです。

おわかりだと思いますが、ヨガマットは「ベルトコンベア」、愛猫は「私」のイメージ

父の上司が女性で、その女性に母がご飯をふるまった話

「転職する気がないのに、こうやって話を聞いてくれるのはなぜですか?」

行脚した3人全員が私に聞いてきた質問です。そりゃそうだ、ふわふわした私の相手をするのはさぞかし困っただろうに。それぞれにどう答えたかは覚えてないですが、振り返るとそれは私が「人が働く」ということに自分なりの想いを持っていたからだと思います。

外資系企業に勤めた父は15年間海外で単身赴任生活を送っていました。私が高校2年生の夏、当時アメリカにいた父を訪れた際に見た光景は、割り当てられた大きな個室、「家族と別々に暮らすなんてありえないわ」と父と私たちを嘆く同僚、そしてきびきびと、そして生き生きと働く父親の上司(女性)でした。その上司は私たち家族を家に招き、その人の夫を紹介してくれました。驚くことに父はその夫について「彼女の部下でもあるんだよ」と教えてくれました。

その人の来日時には、ホームパーティを我が家で開催。彼女は3LDKのごく普通のマンションの価格に驚き、天ぷらとか茶そばといった日本料理を次々に出す母を労いました。父の上司が女性で、その人に当たり前にご馳走を出す母の姿、なんだか当時の私にはくすぐったかったのを思えています。

働く人と言えば父のような男性サラリーマンだった私は、その方を見て将来はあんな風になりたいと心から思いました。若かった私は、同じ女性としてその方と母を比べるような気持ちはまったくなくて、ただただ、あんな風に働きたい!と思ったのです。
(母はそんな娘心を物ともせず、パートで稼いだお金で大好きなアーティストの追っかけをして、それはそれはとても幸せそうだったのはここだけの話)

笑顔なき働き人

社会人になってはじめて、女性は男性と同じように働けないことを知りました。女性が働くことに、たくさんの偏見や障壁があることも知りました。私自身はというと、それなりの壁にはぶつかりましたが、それでもたくさんの理解者に恵まれて、いつも少し背伸びをしたよいキャリアを描けてきたな、と思っています。でも、そんな風に満足していない人たちをこの何十年たくさん見てきました。

アメリカで見た、女性が生き生きと働く姿は、日本で容易に実現できるものではありませんでした。そして、日本では女性だけではなく、男性も働くことに苦しんでいました。会社員として、友人として、家族として、性別関係なくたくさんの方の悩みに向き合ってきましたが、時折見せる涙は本当に忘れられなくて、ずしんと自分に重くのしかかるものでした(うーん、悲しいから詳細は割愛)。

人は多くの時間を会社で過ごすのに、その時間が幸せじゃないのは悲しすぎる。

人と会社ってとてもシンプルな仕組みなのに、うまくいかないのはどうしてだろう

「人が働く」ということについて、世の中にはたくさんの問題があるように思えました。

LiBは、近藤の言葉を借りるとそれを「社会のバグ」ととらえて、解決しようと果敢に挑戦している会社でした。ベルトコンベアの旅を終えて、そんな風に自分の想いとつながった私は、LiBの事業を通じて多くの人に幸せになってほしいとシンプルに思ったのでした。

父の影響で海外勤務は今もあこがれ。そんな父は今、日本語教師としてZOOMの画面共有に苦戦中。

仕事の神様に突き付けられるプレッシャー

答え合わせはしてないのですが、最初のミーティングで私が松本に見せた「隙」には心当たりがあります。それは、今と同じくコーポレート責任者を務めていた2社目のスタートアップでIPOができなった経験について話が及んだ時のこと。私はその時のやるせない想いをうかつにも松本の前でぽろっと伝えてしまったのです。

LiBと同じように苦しい状況に陥ったその会社は、人材という宝にもメスをいれる構造改革をしました。会社の規模も自身の立場も今とほぼ同じなのですが、その会社での私は構造改革を行い資金調達をした後、去った側の人間でした。あの時どうすべきだったのかと、辞めてから12年、入社してからは17年も経つのに、ふとした瞬間に思い出すことがあります。もう相手はすっかり私を忘れていると思いますが、「今も元気かな」と思うメンバーの顔がたくさんあります。

当時からスタートアップを取り巻く環境は変わりましたが、コーポレート部門の基本業務やその難しさはあまり変わらないと思っています。違うのは、あの時から12年近く経っていて、私はグリーというメガベンチャーで10年を超える仕事経験を積んでいるということ。

「そういえば昔も同じような仕事したな」と思い出すたびに、何だか仕事の神様に「お前は10年もの間、グリーで何を学んできたんだ?」と問われている気がすることがあります。若い頃、会社と共に成長していればよかった時とは明らかに違うプレッシャーを感じる時があって。

あの時よりもよい対応ができてるのだろうか、と自問自答の日々ではありますが、頭の中には人が生き生きと働く理想の社会を描き、足元は小さなことからコツコツと、素敵なメンバーと共に歩もうと思います。そろそろアメリカで出会ったあの女性上司の年齢に近づいてきていると思うので、気合いいれなきゃな、と。

長くなりましたが、これが私がLiBに入社した理由です。駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

最後になりますが、私を形作ってくださったグリーのみなさん、そしてその前からずっと支えてくださっているみなさん、私はこんな風にLiBという会社に流れ着くことになりました。いつも通り、あれられら、ということで、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

たまに行くオフィスからは、前職で見慣れた景色を逆サイドから眺めることができます

そんなLiBはともに働く仲間を募集中です。

また、こんな私の話を聞いてみたい!という方がいれば、はじめましての人も、お久しぶりな人も、Facebookを通じてご連絡ください(ベルトコンベアには乗せないので安心してください)。

これでおしまい。みんながハッピーでありますように。

株式会社LiB 斧 佳代子(Facebook

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