横山香代子

俳人 横山香代子 「街」所属 俳人協会会員 第一句集「人」の解説と、寄せていただいた鑑…

横山香代子

俳人 横山香代子 「街」所属 俳人協会会員 第一句集「人」の解説と、寄せていただいた鑑賞、俳句にまつわる事等を載せていきます。 俳句で繋がって、皆様と楽しい時間を共有できますように!

最近の記事

相撲部の...俳人 鈴木明寿

第一回鈴木六林男賞(秀逸)作品より 相撲部のしんがりに猫冬の浜 横山香代子 鑑賞 加藤楸邨、原田喬の師系に連なる作者だから、楸邨の 「百代の過客しんがりに猫の子も」 が念頭にあっただろう。 百代の過客の後尾をゆく猫と相撲部についていく猫では全く趣が異なるが後者の猫のほうが愛嬌があって楽しい。 高校の相撲部の寒稽古か合宿の様子を詠まれたものだろう。砂浜を元気よく走る褌一つの若い男達の、ぷりぷりの尻の列の後を追いかける猫が楽しそうだ。「いちにいちに」「ニャーゴニャーゴ」の掛

    • 理髪師に...俳人 武馬久仁裕

      句集「人」p125 理髪師に秋の風鈴また鳴りぬ 横山香代子 鑑賞 理髪師は孤独の風があります。その理髪師に、忘れられた自らの寂しさを告げる秋の風鈴の風が、また鳴りました。「また」で一句に奥行きが生れました。風鈴が僅かに擬人化されているところがこの句の眼目です。 俳人 武馬久仁裕 季語は秋の風鈴。( 秋 )

      • オブラディオブラダ...俳人 伊藤容子

        句集「人」p45 オブラディオブラダ雨を来て初句会                横山香代子 鑑賞 若い、明るい、リズムがある。 アスファルトを打つ雨が音符となって撥ね返ってきそうな軽快さ。 あめあめふれふれかあさんが じゃのめでおむかえうれしいな ピッチピッチチャップチャップ ランランラン この歌と重なりあうのは私だけかな。 十三年前、新年句会で初めて彼女に出合った。彼女二十六歳。平均年齢の高い結社で異彩を放っていた。 山一つ越えて天狼見にゆけり   椎

        • ソウルミュージック.... 読書家 渡辺聰

          句集「人」p43 ソウルミュージック銀杏を割つてゐる                 横山香代子 Haikureation(俳句✖️創作) ソウルミュージックとは、広い意味でのプロテストソングである。プロテストソングとは、社会の中の不公平や不正に対するメッセージソング。黒人がプロテスト(抗議)したのは、不当な社会環境とそれを支えている人間の意識に対してである。そして、それは彼らの肌が黒いという理由に拠るものだ。 公民権運動の中心であったキング牧師が暗殺された後、ジェー

        相撲部の...俳人 鈴木明寿

          暗算の...俳句界編集長  清水哲男

          句集「人」p145 暗算の指動きたる春疾風 横山香代子 増殖する俳句歳時記より 季語は「春疾風(はるはやて)」。春の強風、突風のこと。私はコンタクトをしているので、毎春のように泣かされている。目に微小なゴミが入るために、痛くて涙が出てくる。泣きたくはないのだけれど、周囲の人が見て泣いているように見えるのは、不本意だが仕方がない。格好悪い。掲句を読んだとき、もしかすると作者もコンタクトをしているのではないかと思った。そして暗算が得意な人だろうとも。結論から言えば、この句

          暗算の...俳句界編集長  清水哲男

          ゆき過ぎて...俳人 池本光子

          句集「人」p146 ゆき過ぎて畳のにほふ朧月 横山香代子 鑑賞 和室の良さを見事にとらえた。ソファーだのテレビだのクッションだのがごてごてとあるリビングでなく、何もない和室。あるとしたら、座卓が一つ。白い障子と地味な襖が囲む畳の部屋。そこでこそ、人の動きは鮮明にとらえられ、畳の香も伝わってくるのだ。              俳人 池本光子 季語は朧月。( 春 )

          ゆき過ぎて...俳人 池本光子

          八朔の...俳人 高井楚良

          句集「人」p128 八朔のキャンバス下地青く塗る 横山香代子 鑑賞 今の暦では、8月末から9月の中旬にあたります。 真っ新なキャンパスの下地に青く塗りだす。真っ青な空と心地よい風、 何もかも素敵に輝いております。              俳人 高井楚良 季語は八朔。( 秋 )

          八朔の...俳人 高井楚良

          新・黎明俳壇第10号に寄稿させていただきました!

          特集は、「一茶『おらが春』の名句を味わう」私も寄稿させていただきました。 そして「本当は難しいやさしい俳句」に堀田季何さんの句と並んで取り上げていただきました! 深い鑑賞です…嬉しい🙂🙂🙂 内容はアップできませんので、ご興味ある方は黎明書房に是非お問い合わせください♪

          新・黎明俳壇第10号に寄稿させていただきました!

          秋潮の..中学校3年生横山紗也

          句集「人」p44 秋潮の静かに寄する乳房かな 横山香代子 感想 秋は自分の中では色とりどりであざやかなイメージがある。 そこから連想されものは、物語や学問などの魅力あるものだ。 海は、物語や学問の何か一つを象徴していると思う。 その深い海に入れば入る程、胸の所まで波が来る。 その波は自分の心を打ち、揺さぶる波である。 中学校三年生 横山紗也 季語は秋潮。( 秋 )

          秋潮の..中学校3年生横山紗也

          お花見🌸

          先日お花見と称して家族が集まりましたが、残念ながら開花はまだ先でした…。 父が描いた絵を見ながらのお花見パーティーとなりました🙂🙂🙂

          新・黎明俳壇 第10号

          武馬久仁裕先生の投稿をシェアしています。 私が編集しています『新・黎明俳壇 第10号』が出来ました。今号の特集は、「一茶『おらが春』の名句を味わう」です。味わっていただいたのは、小枝恵美子さん、横山香代子さん、星野早苗さん、川嶋ぱんださん、山本真也など10人の方です。 巻頭の夏の句に、杉山久子さんの「雨音は遠しスープに散るパセリ」を私の鑑賞文付きで掲載させていただきました。素適な句をありがとうございました。 川島由紀子さんの「近江の言葉たち」、太田風子さんの「ニューヨークか

          新・黎明俳壇 第10号

          草の絮...俳人 武馬久仁裕

          句集「人」p43 草の絮ただよつてゐる献血車 横山香代子 コメント 献血車という言葉は重いですね。            俳人 武馬久仁裕 季語は草の絮。( 秋 )

          草の絮...俳人 武馬久仁裕

          声の高き...俳人 高井楚良

          句集「人」p127 声の高き牧師やちちろ鳴いてゐる 横山香代子 鑑賞 ちちろの鳴き声は聞きごこちがいいです。 夜遅くになっても真摯にお話をする牧師。 まだお話を聞いていたい、でも終えて欲しい。 何も言えずに、ただ牧師のお話とちちろを聞いております。            俳人 高井楚良 季語はちちろ鳴く。( 秋 ) ちちろはコオロギ

          声の高き...俳人 高井楚良

          またしても遭遇!

          また家康くんに遭遇しました!  今後は直虎ちゃんも一緒! NHKの大河ドラマ、「おんな城主直虎」大好きでした!直虎ちゃんに伝えることができました🙂🙂🙂

          またしても遭遇!

          賀茂真淵記念館中学生短歌作品展 横山香葡

          娘の短歌が中学校の代表として選ばれて展示されました! なかなか良い作品🙂🙂🙂 因みに私は何の手助けもしてません❤️

          賀茂真淵記念館中学生短歌作品展 横山香葡

          十月や...武馬久仁裕先生のコメントの続き

          句集「人」p125 十月や袴に藍の匂ふなり 横山香代子 武馬久仁裕先生に「なぜ十月でしょう?」というコメントをいただき、前回私なりの考えを書かせていただきました。 その続きです。 武馬久仁裕先生: 私は、拙著で何度も書きましたが、俳句は視覚詩でもあると思っています。その観点で俳句を読みますと、俳句の中にある一字一句の姿形、俳句のどこの位置にその文字があるのかが、鑑賞の対象になるのです。「十月」も同じです。横山さんの句集には、十月の句はほかに「十月や鳥も獣も眠る

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