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相撲部の...俳人 鈴木明寿

第一回鈴木六林男賞(秀逸)作品より

相撲部のしんがりに猫冬の浜 横山香代子

鑑賞

加藤楸邨、原田喬の師系に連なる作者だから、楸邨の
「百代の過客しんがりに猫の子も」
が念頭にあっただろう。
百代の過客の後尾をゆく猫と相撲部についていく猫では全く趣が異なるが後者の猫のほうが愛嬌があって楽しい。
高校の相撲部の寒稽古か合宿の様子を詠まれたものだろう。砂浜を元気よく走る褌一つの若い男達の、ぷりぷりの尻の列の後を追いかける猫が楽しそうだ。「いちにいちに」「ニャーゴニャーゴ」の掛け声も聞こえる。勿論猫は入部志望者だ。

             俳人 鈴木明寿

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