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オブラディオブラダ...俳人 伊藤容子

句集「人」p45

オブラディオブラダ雨を来て初句会  
               横山香代子

鑑賞

若い、明るい、リズムがある。
アスファルトを打つ雨が音符となって撥ね返ってきそうな軽快さ。

あめあめふれふれかあさんが
じゃのめでおむかえうれしいな
ピッチピッチチャップチャップ
ランランラン

この歌と重なりあうのは私だけかな。

十三年前、新年句会で初めて彼女に出合った。彼女二十六歳。平均年齢の高い結社で異彩を放っていた。

山一つ越えて天狼見にゆけり  

椎主宰(原田喬)の本選であった。
その後「街」に入会しつぎつぎ個性的な句を発表してゆく。

六世紀仏教伝来つくしんぼ
人類の坩堝にゐて百日紅真裸なり 

人間、空間をじっくりと見据える。
冷静沈着で思慮深く、他人に左右されない強さが彼女。そして

オブラディオブラダ雨を来て初句会

の軽みも又彼女。(街66号掲載)
             
                                        俳人 伊藤容子

季語は初句会。( 新年 )

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