十月や...武馬久仁裕先生のコメントの続き
句集「人」p125
十月や袴に藍の匂ふなり 横山香代子
武馬久仁裕先生に「なぜ十月でしょう?」というコメントをいただき、前回私なりの考えを書かせていただきました。
その続きです。
武馬久仁裕先生: 私は、拙著で何度も書きましたが、俳句は視覚詩でもあると思っています。その観点で俳句を読みますと、俳句の中にある一字一句の姿形、俳句のどこの位置にその文字があるのかが、鑑賞の対象になるのです。「十月」も同じです。横山さんの句集には、十月の句はほかに「十月や鳥も獣も眠るなり」「十月の雪花菜の匂ふ通学路」があります。季節がよいだけではないような気がします。波郷の「十月や顳顬さやに秋刀魚食ふ」も然りです。一度、視覚詩的に味わわれたらいかがでしょう。
横山香代子: 句集の中にこんなに「十月や」があると気がつきませんでした。丁寧に読んでくださりありがとうございます。
「…袴に藍の…」の句は、自分でも何故十月にしたか説明がつきます。でも「鳥も獣も」と「雪花菜」の句は、季語が安易ですね( ; ; )
ご指摘いただきありがとうございます!
勉強のために教えてください。
波郷の「十月や顳顬さやに秋刀魚食ふ」の十月の置き方はどうなのでしょうか?
武馬先生: 横山さんの句も含めてすべて十月が天辺にきています。天辺に来ていたらそのように読むわけです。拙著『俳句の深読み』16〜
17頁をご覧ください。
横山: 「俳句の深読み」p16〜17を読ませていただきました。十月の「十」という漢字の効果ですね。
確かにその様に読むと空が広々と感じます!
大変勉強になりました。
ありがとうございました。
武馬先生、いつもありがとうございます🙂🙂🙂
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