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人生って面白い〜イギリスからドイツのシュタイナー学校へ

イギリスのシュタイナー学校

2004年から12年間イギリスに住み、息子たちは乳幼児期から小学校高学年までイギリスのシュタイナー学校に通いました。

あまり人に話したことはないのですが、実は私、息子が小学校のころ決めていたことがあります。

「息子たちを高校生くらいでドイツのシュタイナー学校へ行かせる。」って。

シュタイナー学校は素敵です。でも、同じ教育でも、イギリス人がする教育と、ドイツ人がする教育は違う。そもそも国民性が全くちがう人たちです。その国民性が教育や子育てに表れます。

イギリス人は、ジェントルなのです。紳士の国ですから。厳しいことを言わない。ズバッと言わない。歯に衣着せた物言い。シュタイナー教師は、平均的イギリス人よりさらに優しい。きついことは言わない。

100のことが出来る子が、60くらいの出来の作品を仕上げたとする。イギリス人は、その子が本来の力を発揮していないし、もっと出来ることを知っていても、「よくやった」と言う。

そういう環境が心地いい子もいます。でも、ドイツ人と日本人の血をひく我が息子たちはそうではなかった。日本の教育で育った私にも、生ぬるすぎる気がしました。

日本の受験戦争ほどのことはしなくていい。ビシビシお尻叩いて(比喩です)無理やりやらせる必要はない。きついことを言わなくてもいい。でも、もっとできるはずの子に、ほどほどの出来で「よくやった」なんて褒めないでほしい。もっと本人の力を出させてハイレベルの成果を出すための指導をしてほしい。子どもには一生懸命何かを達成したときの喜びを感じて成長していってほしい。

そんなぬるま湯の中にいる子たちは、真剣にやらなくても「よくできた」と言われてしまうから、どんどんやる気をなくしていく。自分の力を認めてもらえない気がする。

あとねえ・・・算数の能力の低さ。国民(大人)の平均的算数能力が小学校4年生以下というイギリスです。数学教師の私には、もう、泣きたくなるレベル。こんなところで数学を学んでほしくない!・・・と思うくらい。


学ぶ姿勢、学ぶ喜び、達成感

学力どうこうということ以上に、私は、息子たちに、こんなに生ぬるい場所で自分の能力を発揮しないまま大人になってほしくなかった。

イギリス人の国民性ではなく、ドイツの国民性のほうが、私にも、息子たちにも合う。そう思いました。

だから、中高生くらいになったら、息子たちをドイツへ送り込もうと思っていたのです。その時点では、私たち夫婦はイギリスに残り、息子たちだけドイツの寮つきのシュタイナー学校へ行かせようと思っていました。

私の夫はドイツ嫌いなドイツ人です。もう一生ドイツなんかに住みたくないという思いで、ドイツを飛び出してきた人です。だから、私と夫はドイツにいくことは考えられない。

息子たちだけを行かせるとすれば、寮費に学費を息子二人分。かなりお金がかかることは予想できます。それが、シュタイナー教師のお給料では賄えない金額であろうことも、容易に想像がつきます。でも、なんとかしてドイツへ送り込もうと決めていました。

いつだって、やりたいことがあり、お金の計算より先に、「とにかく、やる」と決めるのです。お金を「やらない」理由にはしない。お金がないからと言って、やりたいことを諦める人生なんてまっぴらごめんです。


人生は決めたようにいく

人生面白いものです。息子たちが小学校5、6年生で、突然私たちに変化の時が訪れました。ドイツ嫌いの夫が、ドイツの大学へ行くことになりました。結局家族全員で行くことに。

私にとってもびっくり。だって、ドイツに一生住むことはないだろうと思っていましたから。

でも、夫がドイツの大学へ行く気になっている。息子たちもドイツのシュタイナー学校へ通わせることができる。息子たちと一緒に住めるから、寮費もいらない。

私も、シュタイナー教育発祥の地ドイツの、シュタイナー学校に直接関わることができるのはとても嬉しい。楽しみ。わくわく。


困難が待ち受けている

わくわくする気持ちもあるけれど、その一方、不安も大きかった。だって、私は、ドイツ語全くダメ。夫がフルタイム学生になるから、私一人の肩に、一家4人の生活がかかっている。

言葉もわからない、住んだこともない国ドイツ。ドイツの社会がどう機能しているかもわからない。私は、簡単な書類一枚記入するだけだって、一人ではできない。スーパーだって、相手が英語がわかってくれなかったら、こちらの言いたいことも伝えられない。郵便とか銀行とかのシステムとかも違う。ドイツ語だから調べることもままならない。

つまりですね、商品の発送とかの簡単な業務だって、支障有り有りなのです。夫の助けなしではできないのです。そんな国で、私は仕事していけるのか。稼いでいけるのか。

ちょっと予想するだけで、とんでもなく大変なことが待ち構えていることがわかりました。

でも、覚悟を決めたのです。

夫がやりたいと言っている。
息子をドイツのシュタイナー学校に通わせることができる。
本場ドイツのシュタイナー学校に関われる。

そのために、私が頑張って生活を成り立たせるしかない。私がやるしかないって。



無茶だなあ。ほんと。
どうしてこうも無茶なことを決めるかなあ。
苦労するってわかってることを、どうしてわざわざするかなあ。
(↑これ、ぜんぶ、友人に言われたことがあります。苦笑)

私の人生、過去を振り返るとそんなことばっかりです。苦笑



苦労はしますが、人生楽しんでます。
無茶のどこが悪い!? 笑


覚悟でなんとか人生乗り切ってきたわたし。
いろいろありましたが、ドイツ4年間、ちゃんとサバイバルしました。

あー、無事イギリスに戻ってこれてよかった。(しみじみ)



↓ドイツからイギリスへの移住のこと



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