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バンコクからの旅日記 (49) ブータン|タクツァン僧院へ苦行の登山

2019年8月のブータン。

前日プナカからパロに戻る途中で立ち寄った子宝の寺、チミラカンでは車を降りてからなだらかな坂道をかなり歩きました。

小高い丘の上にあるチミラカンの寺院

その時ガイド氏が「明日のタクツァンの予行演習ですね。」とにこやかに言うのを聞いて心に暗雲が。。。
実は今回のブータン行きの一か月前くらいからタクツァン登山に向けてウォーキングやジムでのトレーニングを強化しようと思っていました。
しかし、実際は思いがけず仕事は忙しくバタバタしていて結局何の準備もできず。
今、この程度の坂道でゼーゼー言ってる自分。こんな体たらくで大丈夫なのか。。。

そして当日。曇りのち雨の天気予報は大ハズレで快晴。パロの町から車で20分程度で登山口に到着しました。

入山手続きして杖をお借りして登山スタート。断崖絶壁に建つ僧院を目指します。

もれなく馬を選択する中国人観光客のみなさま

登山の際には途中まで馬に乗っていくこともできます(オプション)。
我々は利用しませんでした。
自分の足で行ってこその苦行、と思いまして。というよりヤケクソに近い。もう後戻りできないと観念したのです。

真ん中の山の上の方にポツンと白く見えているのがゴール。と、遠い。
見なかったことにして無心で歩こう。スタート地点からすでに標高は2500メートルあり、ゆっくり歩いていてもすぐにゼーハー息が切れる。
やはり苦行であったか。苦行だわ、これは。

狭い山道では役目を終えて下山する馬たちとすれ違う。
毎日ですよねこのお仕事。ご苦労様なことです。
この乗馬サービス、前半の一部までで終わりです。
実はそこから先がきつい。根性なしの私は乗らなくて正解だったかもしれません。

道中は絶景ポイント多し。なんとまあいいお天気。雨になって中止にならないかな、とちょっと考えていた自分を殴りたい。
この景色にずいぶん励まされました。

道半ばくらいにある第一展望台。標高2,800メートル。

ミルクティーとビスケット(無料)で休憩。
こんなに大勢の登山客がいたんですね。(つらくて周りが見えていない)
ここには食堂もあって帰路に昼食をとることもできます。
椅子もあるけど一旦座ったら二度と立ち上がれないような気がして立ったままお茶をいただきました。すでに頭の中は真っ白。

そして第二展望台(3100メートル)。出発してから約2時間。

見えましたー。ついに。それにしても何という場所に建てたのだ。
もとは瞑想するための洞窟で、その後1694年僧院建立。しかし、1998年に火災で焼失。2005年に再建されたそうです。
こんなものをこんなところに2度も造るとは。。。信仰の力は本当に凄い。

はぁー、と見とれているとガイド氏から衝撃の一言。
これから僧院に入場するためには急な階段を降りてまた登らなければならないと。
てっぺんに届く間際に梯子を倒された感じです。

はい、行きます。私が悪うございました。

階段を降りきったところには滝があります。かなりの水量。水しぶきがミストになって気持ちがいい。あともう少しの苦行。元気が出ました。心が折れないうちにGo!

僧院の中は撮影禁止です。内部見学は約30分。本当に厳かな神聖な場所でした。到着するまでにいろいろ弱音・悪態を吐いていた我が身が恥ずかしい。かなりの達成感を味わいました。行ってよかったです。

帰路は足取りも軽くスイスイ。下りなので当然ですが、僧院の崇高さに圧倒されたことも大きい。
振り返る度に小さくなるその姿に手を合わせたくなりました。

全行程約4時間、昼過ぎにはパロの町へ戻ってきました。
足取り重くスタ―トしましたが、やはりここへ行かずにブータン旅行はない。
(2019年撮影)
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