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ロシア・プーチン氏の「病気説」について、元大学准教授(精神科医)が解説!(後編)

前回の記事、「プーチン氏の「病気説」について、大学准教授(精神科医)が解説!(前編)」の続きです。

【プーチンはパーキンソン病?】

パーキンソン病とは、振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の緊張が強くなる)、寡動(動きがすくなくなる)、姿勢反射障害(バランスが悪くなる)を特徴とする、進行性の神経疾患です。

 プーチン氏がパーキンソン病ではないか?という説も、以前からありました。これは、プーチン氏の歩行時の腕の振りが、左に比べて右の腕の振りが少ないことが理由です。

 ところが、2015年に学術誌『Brithish Medical Journal (BMJ)』 において、プーチン氏の歩行はパーキンソン病が原因ではなく「ガンマン歩行」というKGB(ソ連の国家保安委員会)時代の武器訓練による“クセ”ではないか、と指摘されています。

 この論文によると、プーチン氏だけでなく、メドヴェージェフ氏や、そのほか3人のロシア高位当局者らも、同様の症状があったそうです…(職業病、ということでしょうか)。

 もちろん、ここ数年の間に、パーキンソン病が発病した可能性はあります。ちなみに、パーキンソン病の方の病前性格としては...、

1.勤勉、

2.時間にうるさい、

3.柔軟性の欠如、

4.用心深さ、

...などが挙げられます。

 プーチン氏がこれらのパーキンソン病の病前性格に当てはまるのは、3.柔軟性の欠如、4.用心深さでしょうか…。「時間にうるさい」というのは明らかに違いますね。彼は“遅刻魔”で有名ですから。

【プーチンの性格分析】

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