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どうして、うちはITツールの導入がうまくいかないの?

はじめまして!お久しぶりです!
株式会社KAKERUの代表をしております、ささっきーこと、佐々木です!

あっという間に2023年も終わりを告げようとしているこの年末に。今年もあの季節です。
そう!SOU-MU部 Advent Calendar 2023
今年も22日目に書かせていただくことになりました🎉🎉
(ちなみに、昨年の投稿内容はこちらです。)

皆さんのせっかくの貴重なお時間。
お読みいただく中で、何か一つでも役立てたらうれしいです。


はじめに

 私は、今までのキャリアの中で、バックオフィスをやる、ベンダーとしてお客さんにツールを導入する、ツールの開発企画をする、の三つの側面を行ってきました。
 その経験を活かし、現在のKAKERUでは、スモールビジネス(主に30名以下)の方々のバックオフィスを中心に業務に関するお悩み全般解決のお手伝いをしておりますが、今日はその中でも、この1年間特に多くのお問い合わせをいただきましたDX(デジタルトランスフォーメーション)に関してお話させていただければと思います。

弊社のご提供サービス範囲

そもそもDXってなに?

ここ数年、頻繁に出てくるようになったDXという概念やDXコンサルタントという職種ですが、皆さんは正しいインプットができていますか?
 ちなみに、私の経験則上ですが、「DXコンサルタントをしています!」って伝えると「ITツール導入してくれる人ね」「なんですか?それ?」、大半この2択が返ってきます(笑)
まずは、この言葉の定義から確認してみましょう!

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

2022.9.13,「デジタルガバナンス・コード2.0」,経済産業省

上記は経済産業省が出している定義になりますが、これを少し分解して、私はこのようにとらえております。

弊社社内資料より抜粋

 企業が長く事業活動を続けていく中で、社内外の様々な変化が日々起き、その度に、適応していくために様々な変革をしていく必要があり、そこにうまくデジタル技術を組み合わせていきましょうね、と。

なんだか、とっても……当たり前のこと言ってると思いませんか?

「デジタル化推進していくことが大事で、それがDXなんだ!最先端の仕事なんだ!」っていう方がもしあなたのそばにいらっしゃったら、そっとこの続きも含めてお伝えください(^^)

DXのその先に~スムーズに変革が進むには~

 DXとは何かを前述しましたが、多くの方にとって気になるのは、ITツールの導入によって業務がうまく回るケースとそうじゃないケースって何が差分なの?ってことかと思いますので、ここではそれについてお話します。すでに導入がひと段落した方は振り返りとして、これから導入される方は、きちんと現状が下記を満たしているか確認しながらお読みいただけると幸いです。

① 目的やゴールは明確か

 前述のDXの定義にもあったように、まず真っ先に明確にすべきは、「目的」であり、これが定まっていないプロジェクトは基本うまくいきません。そして、「ゴール(いつどうなっていたいのか)をしっかりと関わるメンバーにおいて合意していくことが最初のプロセスとなります。
 ケースとしては、口に出して認識合わせをする場をとっていなかったケース、そもそもみんなしっかり考えていなかったケースなど、いろいろとあるかと思いますが、しっかり意見を出し合って、合意形成はとるようにしましょう。ここがブレるとこの先のすべての工程がブレます。

② 目的/ゴールより先に手段を決めていないか

 皆さんは普段、旅行行くときにどうやって「日程」「場所」「行き方」等を決めていますか?
 
 導入支援の仕事をしていますとしばしば、ITツールの導入自体が目的になっていたりするケースに出くわしますが、あくまでITツールの導入は目的達成のための補助手段です
 「目的」に照らし合わせて、「ゴール」「現在地(ゴールに対して現状はどうなのか)を適切に把握し、「GAP(ゴールと現在地と距離)を認識し、そこにたどり着く最善の「手段」を選択するという順番は、可能な限り守るようにすることを強くおススメします。(慣れないうちは特に)

③ ITツールだけですべてを解決しようとしていないか

 ②で記載したケースと同じくらいよくあるご相談が、「今利用しているITツールだと、うちの業務に対応できないから、これをすべて解決してくれるITツールを導入してほしい」というものです。
 資金が潤沢にあり、0から構築できるような大企業であれば話が変わりますが、そうでない場合、だいたいは既存のパッケージ化されたツールの導入をすることになるかと思います。その場合、すべてがぴったりフィットすることはそんなに多くはなく、大抵はそこの隙間を埋めていくことが必要になります。この際、小手先でその部分だけの業務のやり方を変えるのではなく、前後の業務の流れや組織文化、理念などをしっかりと確認したうえで、業務プロセス改善に取り組むのが肝要です。
ITツールを選択する際も、最初からそれだけでは埋まらない隙間を認識したうえで、どうしても社内の業務プロセス変更だけでうまくいかない部分(かつ重要な部分)をしっかり埋めてくれることを最重要視してツールを選び、そこから業務プロセス改善とITツール導入を組み合わせて目的達成できるように進められるとよりスムーズに進むはずです。

④ オーナーやメンバーのアサインは適切か

 「もうおなかいっぱいです!」っていう意見も聞こえてきましたが、重要なのでこれだけ最後に言わせてください。

 "オーナーやメンバーの選定、これとても重要です!!"

 
①~③であった通り、ITツールの導入をただすればよいのではなく、様々な観点、視座で、重要な意思決定をしていくことが必要になるため、それに向けて、意見を出したり、意思決定をすることができる人をプロジェクトにアサインしていく必要があります。
「手が空いているから」とかいう理由ではなく、メンバー選定はくれぐれも慎重にしましょう。
 

個人的な一番のおススメは、4人程度で以下のようなメンバーです。
(もっと大規模な場合も構成割合はそのままがおススメ)

・他事業部を含めた関係者の状況を俯瞰して見られている人(オーナー?)
・自事業部の状況に関して一番詳細まで把握している人
・今回のDXにかかる実業務を現状一番行っている人
・自事業部に配属されたメンバーのうち一番社歴の浅い人

そんな重要なメンバーの時間は費やせないよ!って声が聞こえてきた気がしますが、御社がDXにどこまで本気でそこに取り組むか、そことの天秤になる話だと私は思います。)
 
この際に、一番の新人のメンバーが臆することなく、「この業務ってどうしてこうやるんですか?」や「これってこうじゃだめなんですか?」って言えるような環境だと、より良い結果が生まれるのではないかと思います。

おわりに

今年は特に、インボイス制度や電子帳簿保存法の対応をはじめとして様々な場面で、企業の成長スピードが直接の起因ではないケースで、ITツールの導入・変更が必要になった方も多かったと思います。
検討や導入に数多くの時間を割かれた方は本当におつかれさまでした。
長く多くの時間を割いたプロジェクトで、もしかしたら振り返りたくない方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひぜひこの記事も参考にしながら、次回に活かせるかたちで振り返りをしていただけますと幸いです。
 
貴重なお時間ありがとうございました。
最後に皆さま。
寒い日がつづきますが、くれぐれもお体ご自愛くださいませ。


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