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キャラクターの奇特性と嫌悪性

 奇特なキャラクターはそのままでは嫌われる。つまり奇特な性質や設定や境遇そして言動は、正直なところ「ムカつく」のである。ムカつくということは面白くもないし、見たくもないということだ。そのキャラクターを見たくないということは、そのキャラクターが出てくるコンテンツから遠ざかりたいということである。
 コンテンツを盛り上げるキャラクターがそれでは本末転倒だ。だからこそ、このような奇特性のある設定などには慎重にならなければならない。そこに必ず嫌悪性が伴ってくるからである。

 奇特性は増せば増すほど嫌悪性が増すことになる。即ち、奇特性はキャラクターにとって良くないものだ。それがあればあるほど好かれなくなってしまうのだから。
 そして奇特性とは「普通」から離れることである。その普通とは一般的とか常識とかそういうものではなく、そのキャラクターにとっての普通ということだ。
 甘いものが好きなら普通はお菓子を食べる。怒りっぽいなら他人に小言を言う。クリエイティブな職業についてるなら感性が鋭い……そういった類の普通である。それは外側の基準ではなく、キャラクターの内側にある基準に従うという意味だ。
 この普通から離れればそうであるほど、そのキャラクターは奇特なのである。性質や設定や境遇そして言動そのものかどうかではなく、キャラクターの本来持つそれらから離れてしまうことこそを「奇特性」と言う。

 キャラクターは、本来それが持つ性質に従って動かなければならない。それは自然と、人間の持つ常識に近くなるはずだ。だからこそ、奇特性は常識などからかけ離れた「変な」性質のことだと思われがちである。
 しかしそうではない。そのキャラクターのまさにキャラクターらしさから離れることが奇特性であり、それはキャラクターを崩壊させる。そのせいで嫌われるキャラクターを作らないためにも、奇特性に陥らないよう、その設定をきちんと把握し、言動などがそこから離れないようにするべきである。

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