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個人的/集団的クリエイティブ

 創作性を発揮する行為には個人性と集団性の二面がある。これは単なる二面というわけではなく、反対の性質を持つ二面だ。つまりこれらは交わらない。どちらかが出てきている時、どちらかは出てこない。両方が出てくることはなく、出てきたとしたらそれらは邪魔し合う。
 そういった性質が個人性と集団性である。これらは文字通り、個人で創作することと、集団で創作することによる違いである。もっと詳しく言えば、個人創作とは作者がひとりであるのに対し、集団創作は2人以上いるものとなる。前者は作家性であり、後者は編集性である。また、先鋭性と調和性だ。

 そして、それぞれのもっと異なる点が「変更」そして「維持」だ。個人的なクリエイティブはその人が可能な範囲で変更が加えられる。それは元のクリエイティブを小さいながらも変えることだが、元の良さを消し、また別の良さを付け加えることすらできる。
 そして集団的なクリエイティブはそれを許さない。集団の中の誰かが目立ってはならないということを、忠実に守るのが集団的なクリエイティブだ。それはすべてを維持しようとする。変更などもっての外だ。それは今までのものを忠実に存続させることに力を注ぐクリエイティブと言える。

 つまり、クリエイティブの性質としての個人性は、まさに自由としての発露である。集団性は、まさに秩序としての発露となる。これらの二面性でもって、クリエイティブはその場その場に適した形や手法を選択され、創られる。
 個人と集団とは時折手を組むが、クリエイティブに関しては全く違う性質を持つことで、邪魔しあう。

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