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本は止まった情報の宝庫

 本の時間は止まっている。それは確固たる過去を集めて活字にした知識の結晶である。しかしその時間は止まっていて、未来はない。それに意味を見いだすのは読者であって、それそのものではない。
 本が読まれなくなったのは、まさにこのことによる。その時間は止まっている。しかし世の中は、刻々と変化している。しすぎるほどに。毎日、正義がコロコロと変わり、目を離せば悪になる。悪かと思ったものが正義になっている。そういう時代に、本は遅れていく。

 しかしそれは、確実な情報のかたまりである。変わらないからこそ、過去だからこそ、それはブレない。それは読まれなくなったが、変わらない真実が眠っている。
 止まったまま隠された情報は、本でしか摂取できない。

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