見出し画像

今回のおすすめ本 アリストテレス『ニコマコス倫理学(上)』


みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、アリストテレス『ニコマコス倫理学(上)』という本です!

Instagramもよろしくお願いします✏️

 本作はアリストテレスによって初めて「倫理学」が学問的に体系されたものを記し、人間の本質を明らかにしていきます。本作は第10巻あるうち第六巻までが収録されています。 

 全体を通して「卓越性=徳(アレテー)」に焦点が当てられていて、人間の本質について言及されていきます。徳とは人間に本性的(先天的)に与えられているものでしょうか。アリストテレスは「本性的に与えられているものではなく、行為を習慣化することで初めて生まれるものである」としています。つまり、徳とは先天的に身についているものではなく、外部から強制的に身につけさせようとしても身につかないものと言えます。

 では、どのくらい徳である行為をすればいいのでしょうか。これに関してアリストテレスは「過超と不足とを避けなくてはならぬ」としています。いい塩梅が重要ということですね。これはどの物事においても当てはまることだとは思いますが、その加減を見つけていくのは一朝一夕には行かないことが多いと思います(見つかりやすい人は生きやすいかもしれませんね)。徳が行為によるものであれば、悪徳も行為によって身についてしまいます。だからこそ、常に自身の行為に注意を向けることが重要となっていきます。
(下巻に続きます)

読後感想

 内容が難解で、読み進めるのに時間がかかりました。アリストテレスが本書で説いているのは、「徳行をしなさい」ということだと思います。これはソクラテスの「善く生きる」という考えにも通ずるところで、人間である以上誰しも思考して行動しています。徳を行うことを意識することで自律し、精神的に向上していくことが人間の幸福につながるのでしょう。徳を他者に行うことはアドラー心理学でいうところの「他者貢献」につながっていくため、結果的に自己効力感を持つことができます。アリストテレスの時代に言われていたことが未だに受け継がれているということは、人間の本性・本質の一つだと思われます。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?