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今回のおすすめ本 喜多川泰『運転者』

みなさんこんばんは📚
今回おすすめするのは、喜多川泰 『運転者』という本です!

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 本作品は、生命保険の営業職に転職した主人公・岡田修一がとあるタクシーに乗るところから始まります。完全歩合制で給料が決まる仕事のため、契約が取れない(解約される)と給料が低くなってしまいます。修一は十ヶ月前に契約をとった学習塾の客から解約を申し込まれてしまい、給料が低くなってしまったために家族旅行をキャンセルせざるを得ない状況になってしまいますが、なかなか妻に打ち明けられないでいます。なんとか起死回生を図る修一ですが、思うようにはいかず妻に当たってしまいます。本作冒頭に乗ったタクシー運転手との出会いによって、修一の運命が大きく変わっていくこととなります。

読後感想

 人生は山あり谷ありと言いますが、何が山で何が谷かは主観によって変わってしまうものです。しかし、山も谷も人生にはなくてはならないものであり、そこに人は関与することはできず、後に解釈をすることができるに過ぎません。そして自分が生まれるまでに祖先が辿ってきた歴史の延長線に自分が生まれたと捉えることで、自分の人生だけではない、もっと広い視野で人生を見渡すことが時に重要なのかもしれません。つまり、自分の人生を物語の一節と捉え、自分が生まれた時より少しでもプラスにして死んでいく、こうした思考が「真のプラス思考」という捉え方は新鮮でした。「自分ってなんなんだろう」とか悩んだりしますが、主観を離れた別視点から捉え直すと気が楽になるかもしれないですね。そして「使う運より、貯める運を多くする」というのは利己的な思考を刷新する考えだと思いました。人生に悩んでいる人、うまくいかない人、不安な人など、人生の岐路に立つ人にとって本書は何かヒントになるように思います。

 ぜひお手にとって読んでみてください!



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