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ハレノヒマガジンの6年間 三島のまちを好きになる「きっかけ」を紡ぐ旅を終えて

こんにちは!静岡県三島市で「まちの元気」をつくっています!加和太建設 広報担当の村上です。

私たち加和太建設が、“三島のきっかけマガジン”として2018年1月から6年間発行を続けてきた「ハレノヒマガジン」を終刊することとなりました。ご協力・応援をしてくださった皆さまへのたくさんの感謝の気持ちとともに、終刊にあたっての思いと、最後に行ったイベントについて、この記事を通じてお届けします。


三島というまちを好きになることが「まちの元気」になることを願った24冊


今、三島にあるものの魅力を、デザインの力を通じて知ってもらう。三島にないものを嘆くのではなく、あるものに心寄せて、このまちを好きな人を増やしていく。それがハレノヒマガジンの大きなテーマでした。

6年間・3ヶ月に1度のペースでマガジンを発行し、全部で24のテーマを特集。2023年 10月の発刊を最後に、きっかけづくりの旅を終えることとなりました。

(ハレノヒマガジン プロジェクト立ち上げストーリーは、こちらで詳細をご覧ください)

2018年1月に発刊したハレノヒマガジン vol.1の巻末に記されたメッセージには、その背景にある思いが込められていました。

昔はこのまちにないものばかりに目を向け、つまらないまちだと嘆いていた自分がいた。家族が住み、友達がいて、たくさんの思い出のある大切な場所であったが、魅力を感じることはなかった。けれど、このまちで色々な人たちと出会い、様々な考え方に触れることで、三島に興味を持つようになった。すると、日々の生活が充実し、このまちが好きになった。大好きな音楽や写真や絵を見るのと同じように、まちの景色や自然、建物や人を見て素敵だなと思うようになった。日常の中でそのようなことを感じることができることはとても幸せなことだと思う。そして今、誰かが僕を変えてくれたように、僕もこのまちが好きな人を増やしたいと思う。

地方創生や地域活性化が叫ばれる中、僕はこう思う。まちとは多様な人の集まりだ。だからこそ、一人ひとりがまちを好きだと思う気持ちを抱き、その気持ちを持った人同士が繋がって、共にまちをよくするための活動ができれば、まちは元気になるのではないだろうか。

このマガジンがそんな世界を作るきっかけになれば幸いだ。

この思いを綴ったのは、発行人である社長の河田です。

改めて、24冊のハレノヒマガジンを手に取り、その思いを振り返りました

自身もハレノヒに携わった6年間で、さまざまな出会いや発見を通じて、さらにまちが好きになったと言います。

例えば、Vol.7の「しゃぎり」をテーマにした1冊。取り組む前は、河田にとってもあまり身近なテーマではありませんでした。しゃぎりは町内会ごとに受け継がれているもので、まちの人たちのこだわりが強くある文化の1つです。また、自分自身はしゃぎり経験者ではないこともあり、少し距離を感じていたのだとか。

この特集では歴史や楽器、曲のつくり方など普段触れられない文化の裏側にスポットライトをあて、取材を通じて新鮮に感じられたのだそう。マガジンによる発信もすごく喜ばれ、大きな反響をいただきました。

「まちへの思い」を積み重ねた先に、新たな旅を描く


このような1冊ずつに隠されたエピソード、出会い、それを「きっかけ」に新たに生まれた「まちへの思い」がありました。そして実際に、その声は私たちの耳にも届いていました。

地元に帰るたびに手に取ることを楽しみにしているという三島出身者の方の声、自分のお店にくるお客さんのために活用させてほしいという地域の事業者さんの声、昔から特集された活動に携わっていて嬉しかったという地域の方の感想の声 など……

マガジンでの発信は、目に見える大きなまちの変化がすぐに生まれる性質の取り組みではありませんが、皆さんと「まちへの思い」を少しずつ積み重ねられたことを実感しています。

そして、ハレノヒマガジンでの経験を活かして新たな一歩を踏み出したいと発行人であった河田も考えています。

たくさんの方の協力のおかげで、この24冊を通じて「きっかけ」をお届けできたことに改めて感謝しています。

このまちの色々なひと、場所、コトと出会い、私自身もまちへの解像度が高まり、未来の仕事にもつながる経験をさせてもらいました。この経験から得たことを、さらにまちへ還元していけたらと思っています。

次のステップでは「場やまちそのものの魅力をさらに高めていく」ためのプロジェクトに取り組めないかと考えています。

「素敵なまち」の姿を具体的に描き、どうやったら実現できるか。これまでハレノヒプロジェクトで既存の地域の魅力に触れてきたからこそ、それらが活きる、新しいものをつくっていくチャレンジをしたいですね。まずは時間をかけて考えて、一歩ずつ、今後の取り組みの準備をしていきたいと思います。

新たな旅の詳細は、また改めてお話ができるよう、私たちも進んでいきます。

未来へ「ハレノヒ」に込めた思いを託す


ハレノヒを通じたきっかけづくりの旅はこれで一度終わりますが、このまちで育つ子どもたちに、ハレノヒマガジンで大切にしてきた「このまちにあるものに心寄せて、このまちを好きな人を増やす」という思いを託したい。

そのように考え、これまでに発刊した24冊を1つのバインダーにまとめ、三島市教育委員会を通じて三島市内の小中学校21校の図書館へ寄贈させていただくこととなりました。

24冊を1つのバインダーにまとめました

2023年12月のはじめ、私たちのオフィスCROSS MISHIMAに贈呈先の代表者として三島市教育長をはじめ、関係者の皆様にお集まりいただき、贈呈式と感謝の気持ちをお伝えするイベントを開催しました。

この日に合わせて、CROSS MISHIMAにはハレノヒのコンセプトが散りばめられました。

大きな窓には、ハレノヒのイメージカラーである黄色で、三嶋大社を特集したハレノヒマガジンVol.2の表紙の線画を描きました
全24冊を振り返るウォール展示 さまざまな視点でまちを見つめてきたことを改めて感じます
singing wallと名付けられた一面には、vol.13で三島で見ることができる生き物たちの特集に登場した鳥たちを中心としたパネルをあしらいました

ハレノヒで紡いできた、思わずまちに飛び出したくなるような魅力を、改めてお伝えできたら……と思い準備した空間です。

イベント冒頭には発行人・河田に加えて、ハレノヒを支え続けてくださったクリエイティブディレクターの中岡美奈子さんからも、このプロジェクトへの思いあふれるコメントや、関わってくださった皆様への感謝の言葉をいただきました。

私たちのつくってきた、見つけてきた宝物をこれからの三島に関わっていくひとたちバトンタッチしていきたい

この一言から、既に私たちの身近にあるまちの魅力の大切さを改めて噛み締めました。

中岡さんは、私たちだけでは実現できなかった魅力の発信をデザインの力で支えてくださいました

バインダーに取りまとめたハレノヒマガジンは、三島市教育長の小塚さまに贈呈させていただきました。

ご自身も三島出身で、長らく教育の現場で活躍されてきた小塚さまからは、子どもたちにも「まちの魅力再発見の旅」に出てもらえたらと、温かいコメントをいただきました。

改めて、この24冊を拝見し、三嶋大社などの歴史・史跡などがあったり、交通網、三島が誇る芸術文化、農産物、魅力的なお店の数々、三島の誇る自然とせせらぎ、花に彩られたガーデンシティなど、テーマは幅広いですが、一貫してセンス溢れるレイアウト、美しい写真や言葉。それぞれが宝石のように光煌めいているように感じました。

人々の営みのような写真も改めて見るとはっとしたり、こんな場所もあったのか、という新しい発見もあったり。まさに、三島の魅力満載のマガジンですね。三島が好きだ、愛しているという気持ちが、全てのページから伝わってきました。

頂戴した冊子は、市内の小中学校の図書館に配架する予定です。児童・生徒たちにも、まちの魅力再発見の旅に出てもらえたらと思っています。そして、三島が好きだ、成長してからも三島に戻ってきたいと思う原体験につながればと願っています。

旅の終わりは名残り惜しく、本当に終わりなのかな……と実感がわかない部分もありますが、これからも日常でまちを感じるそれぞれの旅はきっと続くことと思います。

そして、ハレノヒマガジンとしての旅はこれで終わりますが、地域の子どもたちという未来の旅人にも、このバトンを受け取ってもらえたら嬉しいです。

最後に、編集・デザインを手がけ、一緒にこのまちの魅力を伝え続けてくださったエルスリーの皆さん、ライティング・撮影・デザインを通じてこの魅力をさらに高めてくださった皆さん、取材にご協力をいただいた皆さん、そしてどこかでこの冊子を手に取ってくださった全ての皆さんにこの場を借りて、改めて御礼申し上げます。

また、新しい旅のどこかで、お会いしましょう!


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