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クロエ・ジャオ監督は地球と人間が愛おしいんだろうな~「エターナルズ」~

 ええと。ちょっとためらいがあったのよ。MCU(マーベルシネマティックユニバース)ファンとして、「エターナルズ」の感想をどう書こうか。

 でも「どうしよっかなあ」と考えている間に映画を何本かはさんでいると、いよいよ記憶が薄れてきそうだし、二回目も観に行きたいし。もう次のマーベル作品「ヴェノム : レット・ゼア・ビー・カーネイジ」が出てしまい、そろそろ後れを取ってきたのもあって書きたいなあって。

 ウーン。なかなか書けないのは、今までとはちょっとテイストが違ったもんで。私自身は楽しんだから良かったんだけど、この気持ちをうまく表現できないなあと頭の中で整理する機会を作れずにいた。
 でも夫にそんな話をしながらあーだこーだと話しているうち「まあいっか。そのままの気持ちを書いてみる」とようやくパソコンに向かっている。

 MCU作品は、これまでスーパーヒーローが集結して、サノスを倒したのだけど、それまで多くのヒーローや作品が絡み合って、いわゆる「クロスオーバー」も楽しめた。あちこちで既存のヒーローを観て慣れてきたのもあって、新しいヒーローはドキドキワクワクする。

 「シャン・チー」も面白くて、次に期待を持たせたし、「エターナルズ」はどんなかな。それにクロエ・ジャオ監督は、今年「ノマドランド」で話題にもなったし、どんな映画を作るのか気になって観てみた。

 「エターナルズ」で、「ノマドランド」を彷彿とさせるシーンがあったけど、どなたかが書いてらしたように、クロエ・ジャオは地球が好きなんだと感じた。
 荒涼とした風景をも含めた、豊かな自然を作り出す地球。広大な海から、砂の舞い上がる景色まで。少し荒々しくて広く眺めれば優しい風景。

 そして地球に住む人間もきっと彼女は好きなのだろう。

 ※ネタバレあります。



 エターナルズは、何千年も地球を見守る存在で、その時点でもう地球人でもなければ、スーパーヒーローというより特殊能力甚だしい「人の形をした」存在。
 多くの皆が地球に暮らすうちに地球人を、愚かしくも愛おしく感じ始める。
 それ自体がもう人間が好き。にあふれているのだけど、エターナルズ10人(10体?)も人間味あふれている。そもそもMCUの世界でスーパーヒーローたちに人間味がないなんて、それ自体もあり得なくて、皆がスーパーヒーローに気持ちを寄せやすいようにできている。
 フェーズ4に入って、様々な人種やLGBTQを取り入れたりと、多様性を意識しているのも話題だけど。それについて私は今回特に、わざわざ語らないで良いと感じている。
 世間的に最近特に大事な「多様性」。だけど多様性がどうのと言い出すと、映画の内容が二の次になっちゃう。それは映画を描く人たちの思いにまかせたい。忖度しているんだと言われるけれどそれはキャスト選びだとか、設定の段階で皆が自然に受け止めていけるようになれるような、当たり前になったら良いな。

 それより驚いたのは、こんなに「覚えるのが疎い」「よく混乱する」タイプの私が、10人全員を映画を観ながら把握できたって事実だ!
 頑張って覚えようとしない私は、MCUのキャラクターが多すぎて、登場人物とそのヒーロー名、さらには俳優の名前、一人に対して3つもなかなか出てこない。さらには膨大な登場人物、ヒーローの多さ。名前覚えるのたいへーん。
 と思っていたから、「エターナルズ」は10人のヒーローが出てくるようだ。と知った時の絶望感。苦手なカタカナ。もう私覚えられないかも。もう若い人たちについていけなくなっていくのかも。
 観る前から頭を抱えていた。

 でも全員理解できちゃったのだ。これはクロエ・ジャオの腕なんですか?

 全員が出るシーンで、互いの関係性を確認しながら、一対一のシーンを多くしてそれぞれの個性に対する認識を強くしていく。一対一でしっかり理解できたところへまた過去に戻って全員で会話。何度も復習しながらストーリーも進んでいく。そして段々エターナルズが集結していく。
 その見せ方に感心せずにはいられなかった。
 私には優れているとかわからないし、若い人たちには当たり前なのかもしれない。だけど少なくとも覚えの悪い50歳の私が混乱しないで、全員を個性までも認識できたのはもう奇跡みたいなもんだ。

 観終わってから、ちょっと名前や能力の復習をしながら息子と話し、後で夫と話せば、もう完璧。さすがに俳優名までは覚えられないけれど、ヒーロー名は覚えたぞ!

 もう一つ驚いたのは、内容とは関係なく。田舎に住んでいるものだから、今回初めてIMAXで観てみたら画面が大きくて。映画館て昔はこのくらいあったよなあって懐かしさを感じた。でも音も、久しく観ていなかった大きな画面も臨場感があふれ過ぎて。「エターナルズ」も壮大さに圧倒されたけどそれ以上に予告の「ヴェノム : レット・ゼア・ビー・カーネイジ」がほぼ目にできなかった。オソロシイ。
 それがこちらに戻ってきてから、小さな劇場で予告を観たらけっこう平気だった。苦手なシーンはチラチラぼんやりとなら大丈夫そう。息子の帰省のタイミングとかそもそも帰省できるのかとかも含めて、その機会を待つとしよう。

 「ヴェノム」の予告を見比べたために、IMAXの臨場感を知る……。
 「エターナルズ」も二度目を観たら、比べられて迫力の違いを知るのかもしれない。

 
 さて。
 「エターナルズ」に関してだけでなく、MCUの世界は今後どうなっていくのか。MCUのドラマでも多くの物事が進展しているけど、「エターナルズ」でも終盤で続きを大いに示唆するシーンが満載。賛否両論、その意見は理解できても私には楽しみでしかない。
 様々なタイプの映画がある方が、より世界が広がって楽しいはずだよー!

 あと大事なポイント。
 今までのMCU作品観ていなくても、「エターナルズ」は単体として充分楽しめる。


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