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映画に出てくる好みの人たち

 いつぞやは、キラキラの目で恋に落ちて愛に苦しむユアンマクレガーのことを書いたけど、実は昔むかし、20歳の頃トムハンクスのファンだった。
 もう30年近く前の話だ。……と書いてビックリしている。30年近くも前なのか。道理でトムハンクスも歳をとるわけだ。(私も)

 その頃、雑誌「スクリーン」に投稿したら、トムハンクスのファンが少なすぎたせいか、駄文だろうが簡単に載った。二度。トムハンクスの映画が出るのだから、ファンの投稿も載せておいた方が良いだろう、てな雰囲気を醸し出されながら、キャッキャとハシャぐ内容が載ってしまった。誰もついてきてくれていない感じもあったけれど、私はファンだった。当時の作品は、ほとんど観た。「マネーピット」がくだらなくて一番好きだった。

 そして彼は「フィラデルフィア」「フォレストガンプ」でアカデミー賞、主演男優賞を手にして、すっかり大物俳優となっていった。偉大になっちゃって、手の届かないところに行ってしまったのだなあという気分がした。元々手が届いていたわけもないですが。

 今はどうなのかと聞かれたら、ちょっと特別視はしている。映画に出れば応援はしている。でも最近、彼の映画をほとんど観ていない。アカデミー賞獲って大物感が出てから観たのは、テレビで「ダビンチコード」をやっていて怖くなって目が離せなくなった時と、「ウォルトディズニーの約束」くらいだろうか。何故彼が差別主義者と言われたウォルトディズニーの役柄を演じたくなったのかわからないのだが、「メリーポピンズ」に影響を受けた一人だったからかなと想像している。今の彼は立派になり過ぎてもうなんだかよくわからない、という気持ちもある。
 でも「トムハンクスらしさ」という私の中での勝手な像はできており、その動きとか喋り方の特徴など、「トイストーリー」の中のウッディにはトムハンクスを見出すことはできた。カーリーレイジェプセンの「I Really Like You」(2015年)でのプロモーションビデオでも、私にとってのトムハンクスらしさは健在だった。

 長々と書いているがこれは実は前置きに過ぎない。マーベル作品好きとして、誰か「推し」のヒーローはいないのか。と思われているんじゃないか。と勝手に焦って、書かなくちゃと思ったのだ。
 そう、これだけMCUの感想を色々書いておきながら、ヒーローの中で誰それのファンだとか今まで書いたことがない。何故か。

 いないからだ!

 いや、正確に書くと「全員だ!」

 様々にカッコいい人たちがたくさん出てくる。男性も女性も。皆、美しくて惚れ惚れする。美しい姿かたちは、おおすごいなあ素敵だなあとは思えど、好きとか好みじゃないわとか、あんまりないんです。皆さんキリリとしているし、その強さも美しさもわかりますよ、わかっているんです。でもヒーローですから。カッコいい人たちが選ばれてカッコいい役が与えられて、観ている側も気持ちが良い。それで充分ではないかと思ってしまう。もうこれは昔からの私の見方なのだ。

 幼少期から、私は主役の美しい人たちを特別にファンになることがなかった。と言ったら、トムハンクスに失礼なのではとふと気が付いたけど、そこはツッコミなしでお願いします。
 いえ、単に好みの話をしているんです。私は可愛い人が大好きなのだ。「ビッグ」のトムハンクスは可愛いのだ! たとえば5~6歳の頃からセサミストリートでは、グローバーが情けなくて可愛くて大好きだったし、バットマンのアニメではロビンが好きだった。大人になってからも、トイストーリーでは「当然」レックスだ。なんだよ、可愛いってどういうところだよ。……個人的な好みですね。ついでに言えば、ポジションも主役を支えているところにいる人が良い。野球で言えばキャッチャー。バンドで言えばドラマー。ゴレンジャーで言えばカレー大好き黄レンジャー。

 ……。えっ? き、黄レン……。……。

 

 私はそういうポジションの人のファンになるのだ。夫?(誰も聞いていない)夫が仕事している時や仲間といる時に、どのようなポジションなのかは気にしていない。私は私と接する夫が良いと思っているから良いのだ!……あまり身近な生々しい話は聞かないでいただきたい。

 つまり私が言いたいのは、MCUに出てくるフィル・コールソンがすごく好きなのだ。皆さんにとっては全然「つまり」じゃないですね。顔がどうだとか能力がどうだとかではない。彼のポジションが好きなのだ。フェーズ1に出てくる彼はどれもほんのちょっとだけカッコ良くて、可愛い。ブルーレイについてくるおまけ、フィル・コールソンの短編集みたいのなんか、すごく良い! 賢くてスマートに動ける彼が、どっちのドーナツを選ぶかで迷っているなんてキュンときちゃう。でも彼は死んじゃう役だ。どうやら死んじゃうらしいとは知っていたけど、その瞬間はもうビックリでした。ショック過ぎて、「ハーッ」と引く声が出てしまった。気が付いたら長い間、手で口を押えていたようなので、そっと下ろした。映画館でこのシーンを観なくて良かった。一人「ハーッ!」ってリアクションが恥ずかしいところだった。彼はマーベルのドラマの方で「実は生きている」ことになっているが、またそこでも死んでしまうらしい。でもまた「実は生きている(同じような顔した別人?)」となるらしく、なんだよその繰り返しと思うのだが、彼ももう自分で、その立場を笑っているようだ。いずれにせよ、時代が少し遡るという近々公開の「キャプテンマーベル」では出てくるらしく、上映を本当に楽しみにしている。いや、キャプテンマーベル自身ももちろんすごく楽しみにしていますよ。

 フィル・コールソンのことばかりで長くなったけど、MCUで、どうしても誰かほかに好きなキャラを挙げろと言われると、「ガーディアンズオブギャラクシー」に出てくるヨンドゥと、「アントマン」に出てくるルイスかな。

 えええ。ヒーローではないじゃないか。

 良いのだ。

 私の好みなんだから、好きにさせてもらう。

 とにかく、ヒーローはもちろんみんな好きなので、誰一人いなくならないでほしい。今年のアベンジャーズ4「エンドゲーム」でどうなることやら。誰かがいなくなるなんて、もう耐えがたいものがある。大好きなヨンドゥもフィルコールソンも、インフィニティウオー以前にいなくなっちゃってるんだから、もうこれ以上辛い思いをみんなしないで~させないで~!!


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。