【書評】「水曜どうでしょう」を生み出した思考法〜『笑ってる場合かヒゲ』(藤村忠寿)
「水曜どうでしょう」という番組は、かつては北海道民しか知らないローカル番組でしたが、今や全国区。番組当初は無名の大学生だった大泉洋さんも、一流の俳優さんとなりました。その「水曜どうでしょう」の生みの親ともいえる藤村忠寿さんのエッセイです。『笑ってる場合かヒゲ』。
1、内容・あらすじ
2014年6月から朝日新聞北海道版で連載されたコラムを書籍化したものです。
今までの「水曜どうでしょう」の制作秘話だけでなく、自身が役者として出演した舞台の話や組織論、仕事術、家族の話など、話題は多岐に渡ります。
5年間書き続けたものをまとめた本です。
2、私の感想
とてもいいエッセイです。有名人が片手間に書いたようなレベルのものではありません。予想以上に収穫の多い、コストパフォーマンスの高い本です。
まず、文章が上手で読みやすいです。番組ではワイルドな言動が目立ちますが、知的レベルが高くて好奇心旺盛な人だということがよくわかります。
講演もたくさんしているようで、日本中を飛び回っている感じです。
「前向きに、そして常識にとらわれない」というのが「水曜どうでしょう」がヒットした理由であり、その後も活躍できる理由なんだろうと思いました。
もちろん、番組の裏話もたくさん。大泉洋さんの話もたくさん。意外なところではムロツヨシさんの名前も出てきます。嬉野さんって社員じゃないんだ、ということも初めて知りました。
大げさではなく、生き方を学べる一冊です。私は読み終えてすぐ2冊目を買ってしまいました。『仕事論』も買ってしまいました。
この人の本は買う価値がある、と思います。
3、こんな人にオススメ
・「水曜どうでしょう」ファン
これは言わずもがな。番組の見方が少し変わります。
・アイデアを得たい人
特に40代後半以上の人はオススメです。仕事に生かせる話がたくさん。
・北海道民
これも言わずもがな。「押ささる」の話は笑いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?