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【書評】医療界のシャーロック・ホームズ〜『天久鷹央の推理カルテ』(知念実希人)

これは読書好きの生徒に薦められて読んだ本です。非常に面白かったです。人気シリーズになっているのもわかります。知念実希人さん『天久鷹央の推理カルテ』

※書評一覧の目次はこちら

1、内容・あらすじ

天医会総合病院の副院長を務める天久鷹央は弱冠27歳。

学生にも間違われそうな童顔ですが、頭脳明晰、博覧強記の天才。超人的ともいえる記憶力・計算能力・知能を持っています。

その頭脳を生かした診断能力を買われ、特別に設立された「統括診断部」の部長として活躍しています。

統括診断部には各科で「診断不可能」とさじを投げられた患者が持ち込まれます。

鷹央は驚異の診断能力で、各科に見放された患者たちに次々と診断をつけ、解決していきます。

そんな鷹央でも見抜けない奇妙な症状の患者が現れ、さらにその患者の母親に提訴され、鷹央は絶体絶命のピンチを迎えます──。

2、私の感想

とにかく面白い、の一言でした。主人公・鷹央の設定がよく出来ているので、そのキャラクターだけでぐいぐい読み進めてしまいます。

あっという間に読んでしまいました。

表紙の絵から「ライトノベル?」と思ってしまいそうですが、かなり難解な医療の話も盛り込まれていて、読み応えのある医療ミステリーに仕上がっています。

知念実希人さんは現役の医師として知られていますが、これは確かにお医者さんにしか書けません。

途中で「ああ、これはシャーロック・ホームズなんだな」と気づきました。統括診断部で鷹央にこき使われる内科医見習いの小鳥遊優がワトソン役。

超人的な洞察力もホームズを彷彿とさせます。

考えてみれば、人間の身体そのものがまだまだ未解明の謎を秘めているミステリーなわけで、その謎を解明できる医師は名探偵と同じです。

うまいところに目を付けたな、と思いました。

3、こんな人にオススメ

・中高生などの若い人
読書が苦手な人でも楽しく読めると思います。朝読書にもおすすめ。

・医療分野に進む人
様々な症例を読んでいるだけで勉強になります。「ビタミンA過剰症」なんて初めて知りました。

・知念実希人さんに関心のある人
知念さんの作品はたくさんありますが、これはピカイチでした。


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