②麻雀の天才

前回の記事にたくさんの反応があって、麻雀の天才の記事をいくつか書いていこうと思いました。
皆さんありがとうございます。

皆さんがしている勘違い

まず”天才”と私が銘打ったので、神のようなイメージがあるかもしれないが、天才は常人からしたら理解できないようなファインプレーはするものの、だからと言って誰よりも成績が良いわけではない。
まず、リーチ判断や押し引きで致命的にデジタルから外れているので明らかに損している事がある。
例えばピンフドラ1をダマにしたり、明らかに遠い手でも傍から見たらゼンツに見える押しをするのだ。
また、ネット麻雀においても好成績を残すことは無い。
あくまで彼らは昭和時代の強者であるので、同じメンツで回数をこなすときに驚異的な能力を発揮する。

なので天才という言い方よりも、相手の癖や切り出し位置それら全ての情報から対局者の手牌を可能な限り読む能力と言った方が正確かもしれない。

天才が現代麻雀で勝ちきれない共通点

①明らかにリーチが得な手でもリーチしないことがある。
(例)ピンフドラ1をダマにする
もちろん彼らにも理由がある。大体の場合、既に相手に先制テンパイがいたりして、天才の待ち牌が山に1枚などキツイと読んでいる場合である。
仮に相手の待ちが3枚と読んだ場合、相手の待ち牌を的確に絞っているが故に、明らかに分が悪いと判断しダマになってしまう。
その読みは確かに正しいのだが、麻雀とは相手から出そうもない牌が突然出る事もあるし、相手の待ちを引いたときに止めるメリットよりもリーチによる打点向上の方が大きい。
しかし天才は相手の待ち牌が明らかに多いと知っているが故に分の悪いギャンブルリーチを避ける。

私は偶然これまでの人生で天才から麻雀を学ぶ機会が多かったのだが、よく怒られた言葉が「51% VS 49% の勝率があるならリーチしてもいい。」だった。
言いたいことはわかるのだが、そもそも打点向上や着順の問題があるので、期待値的に言うのであれば勝率30%でもリーチして良い手など山のようにある。しかしそういう戯言を天才は聞いてはくれない。
それは彼らは麻雀で勝ってきているし、特に小賢しい表面的なデジタル雀士は雑魚だと認識しているから聞く耳を持ってくれない。
もしも、昭和の天才が明らかにリーチした方がよい手だけを覚えたのなら・・・。

②明らかに情報不足している状態での押し引き
(例)超早いリーチには全ツ
彼らはオリ打ちを極度に嫌う。
それは若干オカルトを含むのだが、弱気な放銃を悪とする傾向がある。
なのでデジタル的には超早い親リーに自分がリーのみイーシャンテンであれば基本的に端牌の暗刻などがあれば3枚落としてベタ降りするが、天才はそのような情報0のデジタルベタ降りは嫌う。
とくに暗刻筋の信頼度も高いので、「暗刻落として放銃したらどうするんだ!?」と言われる。
暗刻落としで放銃する確率と3巡凌げることが大きなメリットと説明しても彼らが納得することはない。少なくとも彼らの中でもその牌が通りそうな根拠が持てるまでは。
なので共通してデジタルベタ降りが下手である。
もちろん常人からしたら考えられない放銃回避もある。
筋とか無筋とかの概念も彼らにはあまり関係ないので、他3人の手牌推測から通りそうなものを切ったりする。

例えば私が何度か目撃したのは、天才がテンパイを取りたい場面。
五か六を切ればテンパイだとしよう。
五は筋で、六は無筋だ。
麻雀というゲームの性質上、両面を目指すゲームであるし、基本的には牌の組み合わせによる待ちになるパターンの比較でなく、やはり筋を切るのが基本である。
しかし天才は無筋の六を切って放銃を回避する。
実際に五が当たっているのだから見ている方からするとマジックを見せられている気分だ。

しかし、これは待ちになるパターンの枚数の比較という観点から見ると若干可能性が違う。

話を戻すと、終局直前に五か六を切らなくてはならなくなった。
五は筋で六は無筋。
しかし関連牌の見えてる枚数が
四 0枚
五 3枚
六 1枚
七 4枚
であった場合、どうなるだろう?
まず無筋とは言え、六が両面で当たるとしたら四五になるのだが、これは残り4枚の四と、残り1枚の五を使って待ちを構成しなければならない。
また七が4枚見えているのでカンチャン待ちは無いものとした。
次に五。筋とは言え、カンチャン四六は四が4枚、六が3枚残っているので構成しやすいとも言える。
しかし基本的に麻雀は両面待ちを目指す構造上、筋を切るのが基本である。
それが天才達は総合的に判断しているのでそういう概念がない。
これが相手の手牌読みだけから生じるものではないのがまた面白いもので、例えば他家の二切りをスライドと読んで、五が3枚見えであるものの自分はありかを断定しているのならデジタル読みになるのだが、彼らはそれ以上に、両面待ちか愚形待ちかは既に雰囲気から感じ取っている可能性が非常に高いのだ。
それは息遣い・目線・自信を持ったオーラが出ているかどうかで見透かされている。彼らの強いところはそれを最後まで信じ、実践するところである。

つづく



私たちは既に固定観念が形成されてしまっているので、天才になるのは難しい

前回も言ったように私たちのほとんどは麻雀を知識ゲームと認識してしまっている。新しいデータを見て暗記したり、鳴き読みの問題を解いたり。
それが麻雀の上達だと思ってしまっている。

誰かが6m→8mと手出ししたとしよう。

私たちのほとんどが好形ターツ

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