映画の魅力の伝え方～アウトプットとは？～
「あきらくんはどんな映画が好きなの？」と聞かれる機会があった。
映画はよく見るので、何本か好きな作品を伝えることができたが、
「その映画の魅力はどんなところ？教えて？」
と聞かれて、端的に紹介できなかった～。あらすじ、好きなシーン、出演している俳優、取った賞などを覚えている範囲で少しずつ羅列することはできた。だけど、
「おお！その映画は今すぐ観よう！！」
と思わせるインパクトを与えることはきっと出来なかっただろう。どころか、せっかく完成度の高い作品であるのに、自分の表現力が乏しいせいで「大した映画じゃなさそう」と思われる可能性すらあった。いや。大いにありうる。どうすればうまく伝えられるんだろうか。端的に魅力を伝えたい。
これは何も映画に限った話ではない。良い本と出会ったとき。旅行に行ったとき。美味しい料理に出会ったとき。面白い人に出会ったとき。あらゆるケースに応用できるはずだ。(要するに、自分はコミュニケーション能力が乏しいのだ。笑)
よし、アウトプットの練習だ！！
尊敬するマナブさんも仰ってた。
ニュースでも本でも体験でも、他人にうまく伝える訓練をする必要がある。自分の好きな映画、体験について他人にうまく伝えられないと、自分だけの中にとどめておくことになる。もっと言えば、好きなものの魅力を自分自身ですらつかんでいない可能性があると思った。
経験上、あんまり長ったらしく説明すると逆効果な場合が多い。映画のあらすじから始まり出演者、監督などの情報を長く話しても、観てない人は普通に飽きる。ワクワク感がない。短く伝えないと駄目だ。
というわけで、ゴールを設定してみる。
命題：3分以内に魅力をアウトプットする
これは、営業に近いのかもしれない。
何か、型のようなものがあるんだと思っている。この型に当てはめて伝えれば、魅力が伝わりやすい。のような伝家の宝刀が。その宝刀を自分なりに探索していきたい。
まずは、映画に限ってみよう。
みなさんはご存じだろうか。『オーシャンズ11』という映画を。すごく好きな作品である。
どうやったら、うまくこの映画の魅力を伝えられるだろうか。
もちろん、予告編を見せるのも一手だが、それは主旨が違う。。
言葉で伝えるとすれば、オーソドックスなところで言えば、
①あらすじ
②キャスト、監督
③自分の感想
を伝えれば当たり障りのない紹介はできる。
ちょっと自分の言葉で組み立ててみよう。
「オーシャンズ11」は、犯罪サスペンス映画である。ラスベガスのカジノを舞台に、凄腕の泥棒ダニー・オーシャンを中心とした11人の仲間が、現金強奪を計画する。監督は「エリン・ブロコビッチ」などで知られるスティーブン・ゾダーバーグであり、キャストはジョージ・クルーニー、ブラッド・ピッド、ジュリア・ロバーツと超豪華。個人的には金庫強盗のときのスリルがたまらなかった。
自分でつくった文章ながら、イマイチである。イマ二、くらいかもしれない。感動が上手く伝わらない。この映画の良いところって、キャストなの？スリルなの？その二つがあれば良い映画になりうるの？？もしBARでこの話を聞いたら、固有名詞が多すぎて、その俳優を知らない人は？？が浮かぶだろう。そして、オーシャンズ11のどこが良いのか全く伝わらない。
よし、先人の知恵を借りよう。映画の紹介ってどうやってるんだろう。
wikipediaとyahooでの映画解説はこちら。
監督は「エリン・ブロコビッチ」,「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ。主演はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットほかハリウッドを代表する豪華俳優が多数出演。全米興行収入1億8300万ドル。ダニー・オーシャンと彼が率いる10人の犯罪スペシャリスト集団がラスベガスのカジノの金庫破りに挑むクライムアクション。1960年公開の『オーシャンと十一人の仲間』のリメイクである。サスペンス映画でありながら、ハリウッド映画に定番の銃激戦及び銃を使用するシーンや殺戮シーンを本作では一切使わない事が重要視され、銃を使わずにどう話を盛り上げるかという捻りが描かれている。2005年に続編の『オーシャンズ12』が公開され､2007年にシリーズ3作目の『オーシャンズ13』が公開された｡ (wikipediaより引用)
大まかな構成は、
【監督・キャスト】【あらすじ】【メイキング】【続編情報】
客観的な情報が多く詰まっており、辞書的な説明としては十分である。
流石Wikipedia。
続いてyahooの映画解説。
保釈中のカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは刑務所暮らしの4年間にとてつもない犯罪計画を練り上げていた。それは、ラスベガスの3大カジノの現金がすべて集まる巨大金庫から、厳重な警戒とセキュリティシステムを破って現金を盗み出すというもの。その額なんと1億6000万ドル！ オーシャンは旧友のラスティに話を持ちかけ、この計画の遂行に不可欠な各分野のスペシャリストのスカウトを始める。やがて、11人の選りすぐりの犯罪ドリーム・チームが誕生した。こうして11人のプロによる、ミスの許されない秒刻みの史上最大の強奪作戦が始まった……。 (yahooより引用)
こちらは、【あらすじ】をうまく表現していると言える。予告編を言語化したような文章だ。
でも、これって誰でもできる紹介じゃない？？？
wikipediaにあるような辞書的な説明ができたからといって、うまく他人に伝わるとは思わない。「無難な説明」ではあるが、「刺激的な説明」ではない。
命題：3分以内に魅力をアウトプットする（再掲）
「おお！そこが面白いんだ！観てみよう！！」と他人を唸らせることが出来れば、幸いだ。
唸らせるという表現には色々問題がある。完璧主義者の自分は、映画の内容を余すことなく伝えることに注力するだろう。だけど、映画の魅力をすべて言語化して伝えるためには、きっと映画を見る以上の時間がかかる。説明を聞くより映画を見た方が速い。笑
要点をピックアップしなければならない。
そして、よく言われることだけれど
自分が感動した範囲内でしか、他人を感動させることが出来ない。
自分がどこに感動したのか、把握してなければ、それ以上他人を感動させることなどできない。と思っている。まずは自分がどこに感動したのか箇条書きしてみる。感動ポイントをさがせ！！
「オーシャンズ11」で心を動かされた場面は、星の数ほどある。突飛なことを言うが、この映画は起業家の人は必見だと思っている。
早速3~4点ほど自分が感動したポイントを書いてみる。
①チームビルディングの秀逸さ：ダニー・オーシャン
映画の冒頭、ダニー・オーシャンは「カジノで一発稼ぐ」構想をラスティに話し、必要な仲間を集め始める。犯罪者のスペシャリスト集めだ。プロジェクトマネージャー、爆弾、ハッキング、すり、トークの達人、軽業師、ドライバー、などなど。一人ひとり集めていく。前半の20分くらいの話だが、ダニー・オーシャンは言ってしまえば優秀な起業家。自分の実現したいことを端的に話して、どんどん仲間を増やしていく。冒頭で、11人のスペシャリストを獲得し、ベクトルも同じになるのだ。同じ志を持った仲間で何かをするってワクワクする。
②超優秀な被害者：テリー・ベネディクト
今回狙われることになったホテルのオーナー、テリー・ベネディクトは、精密機械として作品中で紹介されており、超優秀な仕事人なのだ。決まって毎日14時にホテルに到着し、ホテルの支配人と綿密に打合せをし、カジノの隅々にわたる情報を仕入れる。千人はいるであろう従業員全員の名前を憶えており、フロアにいる上客へのあいさつ回りを欠かさない。スペイン語、ドイツ語、イタリア語を流暢に話、日本語も勉強中なのである。超ハイスペックおじさんなのだ。情報のセンサーが半端じゃない。こんなに優秀なのに今回大強盗に遭うのは正直超可哀想なくらいだ。ちなみに、アンディ・ガルシアという大御所が起用されている。
③縁の下の力持ち：バシャー
なんてことのないチームの一員に、バシャーという爆弾職人がいる。正直、超頼りになるのだ。ドン・チードルという黒人の俳優が演じている。バシャーの頼もしさは、続編の「オーシャンズ12」「オーシャンズ13」でも続く。出演時間的には長くないが、非常に頼もしい。バシャーはまず、ラスベガス中に大停電をもたらすという超重要なタスクを任される。地下の配電盤を操作を試みるも、失敗。しかし「ピンチ」の存在を思い出し、研究所から拝借して最終的に街全体を停電させることに成功する。ピンチとは、電磁波を大量に発生させる装置のことである。理系心がくすぐられる。
④「魅」の部分
なんといっても、この映画は目の保養になる。ラスベガスのホテルが超豪華！！まるで自分が大富豪になったかのような疑似体験ができるのだ。最上級のスイートルーム。ポーカーのテーブル。ブラッド・ピッドの超お洒落な着こなし。などなど。超ブルジョア階級な人々の振る舞いを垣間見ることが出来るのもこの映画の魅力の一つ。
こんなところか。「オーシャンズ11」について自分が感じた魅力は。
自分が感動したポイントを踏まえて、早速映画のレビューを書いてみよう。今後オーシャンズ11の魅力について聞かれたらこう答えよう。
辞書的な説明(1分)＋感動ポイント(2分)でまとまてみる。
「オーシャンズ11」は、ブラッド・ピッドやジョージ・クルーニーなど超豪華キャストが共演したラスベガスの犯罪サスペンス映画。起業志望の人は、必見の作品！！必見ポイントは3つ！まず、ダニー・オーシャンのカリスマ性！ハッカーや爆弾技師、すり師など個性的な仲間を一致団結させる信頼構築やつながりの広さは、まさに起業に必要なスキルそのもの。次に、テリー・ベネディクトが超ハイスペックおじさん！今回狙われたホテルのオーナー、テリー・ベネディクトは洗練された情報センサーを持つ超優秀な敵役。それだけに、金庫強盗は超スリリングな展開に。。最後に、なんといっても超ブルジョア階級を疑似体験できる！！ラスベガスの三大ホテルの最上級スイートや賭場上の雰囲気を目に焼き付けることが出来るのだ。スターの仲間になった気分になれるのは大きな魅力の一つ。
こんな風にBARなんかで話ができたら、いくぶんか魅力が伝わるだろうか。
あらすじや制作背景などは最小限に、自分自身の感動ポイントを詰め込んだ。また、「〇〇の人向け」や「～～な体験ができる」など、聞いてくれている人がinvolveできるような情報も入れてみた。「実は起業したい」「ポーカーやってみたい」「スターの生活を体験してみたい」など、聞き手の願望や思考に少しでもヒットすることが出来れば、よし、観てみよう！って思ってくれるかもしれない。
体験をどこからどこまで話すのかは、難しい。アウトプット。ブログとか会話の中で練習して、技術を磨いていきたい。そう思った夜でした。
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