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キャベツのおかりはいかがですか~♪【食べログに遺された生の記録・マガジン】

2013年05月01日(水曜日)訪問

特別な事があるとあたしはいつも、とんかつが喰いたくなる。
無性に喰いたくなる。何故だか喰いたくなる。

きっと過去に特別な事があったときに喰っていたことがアンカーになっているのではないのかと、物知り顔で最近NLPなるものにハマっておる相方が言った。

そう、本日は本川越で相方と待ち合わせ、重い荷物を両手に持たされてクレアモール通りの人ごみのなか、自然に腰をくねらせる動作にならざるをえない恥ずかし気な格好で、やっとこさアトレに着いて、さあンまいものをご馳走してあげるからってんで、今日は5月1日だし、メーデーだからなんかめでたいと思いとっさに連想したのが和幸のとんかつであった。

和幸チェーンのとんかつはあたし好みで、とんかつといったら『いなば』(とんかついなば和幸)と言いたくなるのを必死にこらえて!物置じゃねぇんだから、とひとりツッコみながら、あっちじゃないこちらの和幸さんのとんかつをいつも贔屓にしているのであります。
さて、前置きが長くなってしまいましたが。(物置だけに)

和幸さんのとんかつが旨いのはそこに、やはりまごころがあるからだと思います。いろんなとんかつ屋さんがそこいらにありますけれど、なんていうんでしょうか、同じ素材でも作り手によってこうも違うものかと思うくらい違う料理になってしまうんですな。
あとはお店の雰囲気と接客によっても全く違う。

もっと細かいことを言いますと、ご飯と味噌汁のレベルが低いと、いくら旨いとんかつ本体でも総合点で落第であります。
その点、和幸さんにいつも感心するのは、ご飯の焚き加減(程よい固さ)としじみの味噌汁の旨さです。
それに、おかわりキャベツいかがですか~の声がけタイミングが絶妙なんです。

あたしなんかは恥ずかしがりやなものですから、居候をやってたときの性根がいまだに抜けきらず、おかわりがなかなか言い出せないのです。

これを、にわかNLP習いの相方に言わせると、アレなんだそうですな。
横文字のこむずかしいこと言ってたんでもう忘れてしまいましたが、要は、おかわりが素直にいえないっていうのは、ナンダカンダの原因があるそうで。

へえ~、へぇ……と上の空でこころのこもってない相槌をうちながら、原因がわかったっておいらの知ったこっちゃねぇ、そろそろキャベツのお代わりが欲しくてこっちはもぞもぞしてんだ。

それを見透かした相方は意地悪そうな目で含み笑いをしながら、困ってる人を目の前にしながらですよ、テッシュ配りの若いあんちゃんに交渉して箱ごともらってくるような厚顔無恥なこの人がですよ、あたしに代っておかわり交渉できないはずがないのに、なんて薄情なやつなんだと思っていたところ!

すすーっと、あたしの右となりに山盛りのキャベツをかごにかかえて、キャベツのお代りはいかがですか~と鈴をころがすような声のオッファーがあったとき、本当に救われた思いがしたものです。

とんかつは旨いし、脇役のキャベツもまたおいしい、そして絶妙の気配りに感動しました。また特別な日に来たくなるお店です。
ご馳走さまでした。

とんかつ和幸@アトレ川越店

豆知識:モレなくダブりなく!2種類の和幸さん

・とんかつ和幸
和幸商事株式会社:創業1958年10月/代表者:日比生泰宏

・とんかついなば和幸
和幸株式会社:創業1976年9月/代表者:稲葉浩三



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